4. 大統領の陰謀
ディープスロート正体判明を記念して鑑賞。確かに当時のアメリカの官僚の名前が次々と出てきて、全体の構図がわかりずらいのが最大の欠点。今の日本人にはニクソン大統領ぐらいしか著名じゃないし。しかしこの辺は、「ああ、次々と政府要人の名が暴かれていってるんだ」ぐらいの理解でよしとすることで乗り切りました。魅力はやはりレッドフォードとダスティン・ホフマンの新聞記者ぶりでしょう。「大きな仕事がしたい」とはやる若手記者を好演しています。頭の回転が速く、時にはルール違反すれすれの取材を辞さないバーンスタインと、9ヶ月前に入社して意欲はあるけど、原稿はまだ下手というウッドワードの取材過程はスリリング。よくある2人組刑事ものの変異系? 評判の悪いラストですが、これは時の権力者を追い落としたジャーナリズムの力をタイプライターで象徴し、そのたたく音を祝砲の砲声と重ね合わせることで、ペン(タイプライター)=民主主義の銃器、という暗喩を映像化しているのです。私にとっては、これ以外にはありえないほどふさわしい幕切れはないと思えるのですが。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-06-24 08:42:32) |