1. 第9地区
《ネタバレ》 事前情報は劇場で観た予告ぐらい。始まって20分くらいはショッキングでした。が、描写はさることながら、展開や構成、主人公の造形が巧くて、話にのめり込みました。手持ちカメラによる疑似ドキュメンタリーの体は、よくある手法と言われればそうだけど、母親や奥さんのコメントで、主人公に何があったのか?と興味を引き、“世界中の人が注目”とするニュース映像を、それこそ同時に観ている一視聴者のような錯覚に陥らせて、飽きさせない創りになっていたのは確か。ただ気になったのは、友人、同僚、親戚と思ってた人間が、最早兄弟ではなく、ただただ残虐なものとする描写でした。些か人間について露悪なものも感じ、ちと嫌悪感がありました。そのせいか、ブラジャー?してるエイリアンもいたりと、ちょっとユーモアあるエイリアン描写だったことも手伝って、人間よりもエイリアン頑張れと感情移入。感染を受け入れられず、もがく主人公も身勝手な人間の性を露呈していただけに、人間の悪い面だけに焦点を当てたままで終わるのはどうかと思ったのですが、そうではない少しの救いがあってよかったです。ありがちな希望、とは言え、これがなかったらかなり後味が悪かったでしょう。あるとないとでは大違い。何となく、昔に観た『ザ・フライ』をふと思い出しました。しかしエイリアンはエビというより、バッタだったなあ。 [映画館(字幕)] 8点(2010-04-29 14:24:32) |