2. チャップリンの独裁者
最初の演説と最後の演説の対照性がよく、特にあとの演説は勇敢で正義と愛に溢れており、たいへんよろしい。映画とは、それがノン・フィクションにしろ、架空の物語、に過ぎません(ニュース映画を除く)。そして、映画監督や脚本家は、その架空の物語を使って自分の言いたい事を伝えるものです。しかし、この映画では、役は演じているもののチャップリン自身が自分の言いたい事をあの演説で述べてしまっています。しかも、この言葉は、映画が残っている限り永遠に後世に残ります。チャップリンが、映画史の初期の段階で、単なる娯楽以上の、こんな作品を残せたのは、彼自身にとっても人類全般にとっても、とても幸福な出来事のように思えます。 4点(2002-09-29 16:34:25) |