1. ツイスター
《ネタバレ》 僕らボンクラ映画好き御用達の監督、ヤン・デ・ボンが作った竜巻をテーマにした作品。 公開当初は竜巻から逃げる人々を描いたディザスター映画だと思ってましたが蓋を開けてみたら竜巻に「突っ込んで」いくイカれた連中の話でした(笑) なんていうと大味のパニック映画みたいに思えますがしっかりと描かれた作品でした。 というのも米オクラホマに実際に存在するストームチェイサーという研究チームがモデルになっているらしく(この映画で一般人のストームチェイサーもだいぶ増えたそうですが)、しかも脚本が綿密な描写と膨大な学術的資料(のテイ)でできているSF映画の最高傑作「アンドロメダ...」などでおなじみマイケル・クライトン、これは面白くないわけがありません。 冒頭からバラエティ番組でよく流れている「あの」テーマ曲が流れ、竜巻発生を観測してからのチームの躍動感など観ていてわくわくしますし、気象レーダーやラップトップPCでのデータ処理など難しくならない程度に挿入されておりただやみくもに突っ込んでいくだけではない点を描写しているあたり丁寧に感じます。 もちろん竜巻に巻き込まれて無事に生還するという場面もあって「そりゃないだろw」とは思いますがあくまで映画的な演出、冒頭の犬のシーンも一部の方には不評のようですが、そりゃ生死がかかっている状態で「妻と娘」を守らないといけない立場の父親ならあの判断は当然ですし実際パニックになっている時はまともな判断もできないので、「愛犬家が多い」という印象の米国でさえ犬のことを忘れるほどに緊急性の高い場面、という意味で説得力がありました(もちろん「あれ、犬は?」とは自分も思いましたけど) ホラー映画の「ホーンティング」ではCGでもって幽霊をどんどこ出してしまい「まったく怖くない」ホラー映画という大ポカをやらかしているデ・ボン監督ですが、やはりこうしたスペクタクル作品との相性はとてもいいと感じる作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-06-02 17:13:17) |
2. 釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない!?
《ネタバレ》 ちゃんと前作で寿退社した課長の代理にしっかりと新任の課長が就任。しかしそれをいいことに今回も無茶ぶりで年度初めの繁忙期に有休を取得するという荒業を使うハマちゃん。 副題のような明日がないような危機も訪れす、というかしょっちゅう有休や忌引き使いまくってそのうえ遅刻しまくりなので、明日がないのはいつものこと、という感じがします(笑) まあ、今回もそれほど釣りが関係していなかったり、毎回おんなじ展開だったりするのですが、やはり何も考えなくとも「安定」して観ていられる安心感はあると個人的に思うので、今回も面白かったです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-09-12 20:38:24) |
3. 釣りバカ日誌14 お遍路大パニック!
《ネタバレ》 中盤からスーさんの芯材が空気になってしまったり、三宅裕司の「仕事人間」とハマちゃんとのやりとりがキーになるかと思いきやあっさりとハマちゃん側の人間になっていたりと、物語の展開として弱いなーと思ったり。 お遍路大パニックと言ってもそれほどお遍路が絡んでこなかったり、なんですけど、これは「安定」を楽しむ作品群だと思っているので、なんだかんだボヘーっと観ていても楽しく観ることのできる作品だったので自分的には面白かったです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-09-12 18:14:48) |
4. 罪の天使たち
《ネタバレ》 ブレッソンの最初期の作品、ということからか、後の「田舎司祭の日記」や「少女ムシェット」よりも幾分かは暗くないように感じました。 世間知らず、というか、信仰と理想の塊のような主人公アンヌ・マリーと、俗世間の辛さを一心に引き受けているようなテレーズの対比、アンヌ・マリーの理想と高潔さに馴染めずに異物扱いしてしまう他の修道女のやりとりなどはなかなかハラハラさせられ、最後まで見入ってしまいました。 信仰とは、という内容が濃いですが、前半の脱獄のシーンや、顔馴染みに復讐するシークエンスなどはサラッとしていながら逆に品のある演出で、作品の「動」部分でありながら、雰囲気を崩さない程度の演出でとてもよかったです。 臨終って割には途中走ったりして元気じゃん(笑)、と野暮なことを思ってしまいましたが、誓いの言葉をテレーズが継ぐ件からのラストなど、非常に印象深いシーンが多くある作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2021-07-11 16:57:16) |
5. ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間
《ネタバレ》 今年になって全シリーズをDVDで見ることができまして、すっかりとツイン・ピークス・マジックにハマってしまったので、その総仕上げとして本作鑑賞、ということになります。 さて、ローラの最期の7日間の描写ということですが、まあ、謎が解決と思いきやちっとも解決されず、むしろ深まったというのが事実だと思いますが、そこ(解けそうで解けない謎)こそがツイン・ピークスの魅力ではないでしょうか。 謎は完全には明らかにはなりませんが、テレビシリーズで仄めかされるローラ殺害当日の描写等があるので、「あそこはこういういきさつだった」というのがよくわかります。 そして、おとーちゃん役のレイ・ワイズがとにかく迫真の演技ですから、それだけで見る価値はあると思います。 …とはいえ、やはりこれはテレビシリーズを見てることが半ば前提のような作品であり、実際結構かったるい作りをしてるので、一つの作品としては、可もなく不可もなくといったところですかね。 カイル・マクラクランも脇役程度の扱いになっちゃってますし(苦笑)。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-09-05 19:51:05) |
6. ツイン・ピークス〈TVM〉
《ネタバレ》 ぶっちゃけこのプロトタイプ?しか見てません。 なので実際の本編が一体どのようになっているのか?つーのは一切判らんわけなんですが、こんだけで見た場合でも、まあ楽しめるかな、といった感じです。 いきなり死体が発見されるところから始まって、そこから様々な人物を調べていき、次第に真相に近づくか??というこの微妙な感じ、張り巡らされた伏線もあいまって、前半から中盤にかけては本当に面白いです。 ただ、あの後半は「!?」としか言いようがありませんね。 いきなり現実の設定を殴り棄てて、邪悪なものの存在云々と言い始めたと思いきや、25年後って…。 これはこれで、意味不明ながら「これは、そう云う作品なんだ」と強引に納得させるだけのパワーを持ち合わせていると思いますが、きちんと最後まで作りこまれていれば、本当に素晴らしいミステリー作品になったと思います。 本当にラストはアレですがそこまでのプロセスは面白いし、あの強引な終わり方もそれなりに好きなので、全体的な印象は7点といった感じです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-27 00:37:18) |
7. 椿三十郎(1962)
《ネタバレ》 個人的に黒澤作品の中では「七人の侍」が一番好きなんですが、この作品もそれに次いで好きな作品です。冒頭の三十郎が助太刀する強引とも思える展開も、その後の展開を見ていくうちにそういった細かいことはすべて吹っ飛んでいきます。またカメラワークも、決して役者をアップで写してるわけではないのだけれど、そこに映し出されている一人一人皆主役のように画面に存在感をアピールしてくるあたりが今の映画監督にも見習って欲しいですね。そして、この映画最大の見所はラスト、敵役の仲代との、“映画史上最も速い剣術シーン”と称される一騎打ちのシーン。このシーンの、2人が対局した時の緊張感、そして一瞬で勝負が決まるこの瞬間は物凄い衝撃があります。改めて、ただ長いだけの殺陣シーンでは限界があるということを思い知らされました。という事で点数はストーリー8点プラスラストの“0.3秒居合い抜き”に1点の系9点。 9点(2004-08-20 03:56:40) |
8. 追跡者(1998)
まあ、正確に言えば【逃亡者】の続編というより姉妹編なんで比べるというか引き合いに出すのもアレなんですが、ウェズリーが前作のハリソン同様無実の罪ってのは共通ですが今回は殆どトミー・リー・ジョーンズが引っ張っていってしまうのでどうも印象が浅い。「題名が【追跡者】なんだからあたりめぇだろうがッ!」といわれれば何も言い返せませんが、やはり前作のような追うものと追われるものの攻防戦を深く描いて欲しかったです。 5点(2004-04-16 19:22:49) |
9. 釣りバカ日誌8
“合体!”ってのはもはや定番?みたいになってますね。作品通してのまとまりを考えた場合、最初の博士のエピソードは何の意味があったんかい?と、ちょいと?マークでしたが、それから後の浜ちゃんとスーさんの友情や必死に弁解をする課長など(暇な爺って…1度でいいから正体がわかった時のリアクション見てみたいな~)面白おかしくてよかったです。それにしても、終わり方、今回はやけに穏やかな気がするんですが、気のせい…でしょうか…? 6点(2004-01-18 23:26:58) |