1. ツイスター
見終わってからクライトンが噛んでいると知ったのですが、なるほどそれっぽいですね。基本的に映像・アクションを見せる映画なので、テレビだと少しキツイのですが、なかなか楽しめました。 ドラマ性は薄いのですが、ジョーのチームがバカみたいに陽気で元気だったり、悪人を登場させないことが(「嫌な奴」は出てきますが)プラスに働いていたと思います。短気なビルに少々イライラさせられたものの、作品全体としてはああいう人物でよかったかもしれません。 あまり固いことを言わず、気楽に楽しめる娯楽映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-21 17:48:14) |
2. 翼よ!あれが巴里の灯だ
《ネタバレ》 なかなかよかったです。あいかわらず小道具の使い方がうまいですね。今回は犬とかカレイとかハエとか……これって小道具? 神父さまのペンダントは予想通りですが、「やはりそう来たか!」と嬉しくなってしまいます。回想を使ったのも、時系列順に話を進めるよりよかったでしょう。ただ、最後はむりやり盛り上げたような気もします。当時は画期的な行為だったのでしょうが、やはりピンと来ません。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-20 19:27:12) |
3. つみきのいえ
《ネタバレ》 アニメーションの場合、画のタッチでかなり好き嫌いが分かれますが、これはかなり好みです。 で、この映画での「上昇する水面」は、“人間の経験”のメタファーではないかと思いました。人が経験を重ねていくにしたがって、その経験は記憶となっていくわけですが、普段は忘れてしまっています。おじいさんの部屋には思い出の写真? など飾ってありますが、あれは日常の一部であり、あってあたりまえの存在になっています。しかし一旦意識下の海に潜ってみれば、さまざまな記憶がよみがえってくる。楽しかったことも、辛かったことも。それはノスタルジアですが、人間時にはノスタルジアに浸って、感傷的になるのも悪くないんじゃないでしょうか。世間一般的には、前(将来)を向いて生きていくのがいいのでしょうが、後ろを振り返ることも必要なのかも。多くの経験をしてきた高齢者なら、なおさらです。 あと、おじいさんの家から下を見ると、水中にいくつか家がみえます。あそこにもかつては人が住んでいたのです。それはたしかに人が生きていたあかし。今はいないけれど、残った家で人がいたことがわかる。今生きている私は、最後になにか残せるのか? などと考えてしまいました。 とまあ、理屈を並べることもできますが、本当はそんなことより、この短い映画を見て単純に「いいなぁ~」としみじみできたことが、一番よかったと思います。頭(理屈)ではなく心(感性)で見る映像。「考えるな、感じろ!」ってことです。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2010-07-15 22:46:56) |
4. 追想(1956)
《ネタバレ》 舞台の映画化だけあって、台詞の応酬に見ごたえがありました。アンナが皇女か否かという謎で引っ張っていくのですが、当人にとっては皇女であるなしにかかわらず、「自分は何者なのか」というアイデンティティが最大の問題でした。だからそれが明らかになると、他人に頼らず、しっかりとした自我をもった一個の人間となって、愛する人と駆け落ちしちゃったわけですね。イキな結末です。どこか『マイ・フェア・レディ』と共通するものを感じさせます。この展開を納得させたイングリッド・バーグマンの芝居がすばらしい。ユル・ブリンナーの仲間2人が個性的で面白く、ユーモアもあって楽しい作でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-21 19:22:13)(良:2票) |
5. つぐない
《ネタバレ》 前半はかなりよかったです。特にブライオニーを演じたシアーシャ・ローナンはすばらしい。人物の心理の移り変わり、そのきめ細かな描写に引きつけられました。が、ロビーが逮捕されて戦争になると、なぜこうも退屈になるのか? ダンケルクでの長回しも、飽きてしまいました。話がタリス姉妹に戻ると、そうでもないのですが。しかしラスト、年老いたブライオニーが登場し、“真相”を語ったことがトドメとなりました。あれのせいで、あくまでブライオニー個人の物語に収斂されてしまい、普遍性が感じられなくなってしまったのです。普遍性を持たせるために戦争を背景にしたのかと思ったのですが、それも差し引きゼロになってしまいました。あくまで個人のお話ということで、共感はできません。 ……というような感想を持ったのですが、ネットでこの映画について調べてみたら、キリスト教の観点からレビューしたものがみつかりました。それによると、ロビーはイエスの役割を与えられていて、たとえばダンケルクで足を洗われるのは、マグダラのマリアがイエスの足を洗う場面を意識したもの。ブライオニーはペトロと同じように、ボビーを三度裏切る(窓越しに見たとき、手紙を読んだとき、図書館)などなど。言われてみればなるほどと思いますが、キリスト教に縁遠い人間にはとうてい考え及ばないことでしょう。敬虔なクリスチャンの方はこの映画や原作小説をどう見るのか、もっと意見を聞いてみたいところです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-21 13:59:05)(良:1票) |
6. 追憶(1973)
《ネタバレ》 いやはや、これは参りました。なんなんですか、あのバーブラ・ストライサンドが演じたケイティとかいう女は。自己主張がやたらと強く、そのくせ他人の言うことには耳を貸さず、気に入らない人間は罵倒してばかり。その狭量で身勝手な言動には、開いた口がふさがりません。自己の信念に忠実といえば聞こえはいいですが、この人の場合単に視野が狭いだけだとしか思えません。これほど魅力のない人物が出てくる映画も久しぶりです。で、その相手役のロバート・レッドフォード。軍服姿はパリッとして格好いいのですが、どうも小説家とかシナリオライターのイメージではありません。こちらは役柄云々ではなく、ミスキャストではないかという気がします。 この2人がきわめて魅力に乏しいため、惚れた腫れたと騒いでもこちらにとってはまったくどうでもよく、勝手にすれば、というところです。2人を取り巻く人物も、それを補うほどのインパクトはありません。話の内容としては、要するに「恋愛と結婚は別」ってことでしょう。まあそれだけのお話。 ということで、なぜこれが名作と言われるのか、よくわかりません。が、想像するに、ケイティのようなとんでもない女性でも、レッドフォードのような二枚目が愛してくれるかもしれないという幻想を抱かせてくれるからかもしれません。もちろんそんなものは、単なる幻想にすぎないわけですが。そうなると、ケイティ同様身勝手でわがまま、自己主張だけは強い女性に人気が高いということになるのでしょうか? ちなみに、上映の途中で2名ほど退出した方がありました。やっぱりつまらなかったんでしょうね。 [映画館(字幕)] 4点(2010-03-17 17:11:57) |