1. 月に囚われた男
《ネタバレ》 冒頭でサムベルがルームランナーでカラダを鍛えているときのTシャツの文字が 「WAKE ME UP WHEN IT'S QUITING TIME」 (やめるときに、私を起こして) って書いてあるのが、わかりやすくて最高ですw これは映画「トライアングル」で主人公の女性が車でビーチ方向に走っているときに 海沿いの看板に「さようなら、また会いましょう」って書かれていたのと同じくらいわかりやすいですw あと、基地には「SARANG」ってハングル語で「愛」って文字が書かれてて、あと採掘場にいく車も「SARANG ROVER」って書いてあって、おそらくこの映画のテーマはやっぱり「愛」(主人公の妻や娘に対する)であることを示してるのかな~なんて思ったり。 あと、後半でサムベルが、採掘場のコントロール部屋みたいなロフトみたいなところのハシゴに腰掛けながら、人工知能のガーティに「ボクは昔妻に乱暴だった。だから彼女は出ていった。僕は変わろうとした。そして変わった」的なことを長々と話すんだけど、 あんなことがあって、こんなことがあって、そして僕は悔い改めて変わったんだ っていう話の内容と、彼の右背後に見える「MIND STEP」っていう文字が なんかつながってるように深読みしてしまった。 MIND(こころ)のSTEP(昇段、ステップ) のように読めるなと。 (本来は「足元に注意」っていう慣用句なんだけど。) それにしても人工知能のガーティは、会社が用意した会社のためのものなんだけど、かなりガーティをかばうサムベル寄りのキャラになっている。 2度目に見たときは「こんな現地のクローンをかばいまくりの人工知能じゃ会社の利益にならないリコールものだわ」と一瞬思ったんだけど、ふと気づいた。 3年も月でたった一人で、さらに人間と生の会話ができない環境下であると、ウツになったり半狂乱になって逆に正常な作業が滞るクローンも現れていたかもしれない。人工知能だから、これまで何十体ものサムを相手にしていくうちに、サムが心穏やかでいられるにはどういう言動をとればいいかを次第に学習し、ついに何十代目かのサム(この映画の中のサム)の頃には、「大変そうだね、わかった、会社にはちょっとナイショにしておいてあげるよ」くらいの人間的な判断をとれる発達をとげたのではあるまいか? 人工知能の声はケビンスペイシー。これもすごくよく合っている。静かで、感情のないかんじの、敵か味方か、何考えてるかわかんないような、いい声質。 [地上波(字幕)] 10点(2014-04-16 16:52:49)(良:2票) |