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自己紹介 映画を観る楽しみ方の一つとして、主演のスター俳優・演技派俳優、渋い脇役俳優などに注目して、胸をワクワクさせながら観るという事があります。このレビューでは、極力、その出演俳優に着目して、映画への限りなき愛も含めてコメントしていきたいと思っています。

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1.  追想(1956) 《ネタバレ》 
この映画「追想」はハリウッド映画界から追われていたイングリッド・バーグマンが、7年ぶりに復活を果たした作品で、彼女の演技の素晴らしさを堪能出来る、そんな作品です。  主人公のアナスタシアにイングリッド・バーグマン、山師のボーニンにユル・ブリンナーという凄い顔合わせで、ロシア帝国のロマノフ王朝のたった一人の生き残りのアナスタシア王女を巡って展開する、サスペンス・タッチの歴史ドラマだ。  ロシア革命から、辛くも逃げ延びたと伝えられる、ロマノフ王朝の王女アナスタシアに絡む、"恋と陰謀"を、「将軍たちの夜」の名匠アナトール・リトヴァク監督が情感たっぷりに描いた、見応えのあるドラマになっていると思う。  この映画の最大の魅力は、何と言っても、彼女は本当にアナスタシアなのか? ----というサスペンス・ミステリータッチの要素が強いところだろうと思う。 イングリッド・バーグマン演じる記憶喪失の女性の"ミステリアスな雰囲気"が、実に素晴らしい。  彼女は本物なのか、それとも偽物なのか、という謎を最後の最後まで持続させ、我々観る者をハラハラ、ドキドキさせるのが凄い。 これは、やはりバーグマンの演技が、この映画全体の善し悪しを決めているといっても、決して過言ではない。  そして、この映画はサスペンス・タッチの中にも、アナスタシアとボーニンの微妙なロマンスの隠し味も隠されていて、ロマンス映画的な興味でも、我々観る者をうっとりとさせてくれます。  また、見どころの一つでもある、アナスタシアが皇太后に会うシーンですが、最初は偽物だと決めつけている皇太后が、次第に心を開いていく姿に、ほろっとさせられます。 この皇太后を演じているヘレン・ヘイズの小柄ながらも、凄い迫力と貫禄で、他を圧倒する凄さには唸らされました。  一方、バーグマンの相手役のユル・ブリンナーは、武骨で冷淡だが、自己表現が苦手で不器用なタイプの役柄を、抑制された演技で、うまく演じていたと思う。  なお、この映画の演技で、イングリッド・バーグマンが、1956年度の第29回アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞しています。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-06-04 08:10:16)(良:1票)
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