1. デーヴ
《ネタバレ》 何回見てもやっぱり面白い。どストレートなエンタメ、コメディ、人間ドラマ。 こういった作品にはありがちですが、真面目に「いやそれはおかしくね?」的な穿った見方をすると損をします。だってそういう映画なんだもの。感情的に入り込めればOK、それだけです。 とその上で真面目な考察をすると、現実ではやはり困難でしょうね。理想はもちろんこの映画のようにあってほしいと思っちゃうわけですが、大統領が直接国民の選挙で選ばれるアメリカと違い、総理が多数党、つまり議員から選ばれる日本では、総理はあくまで多数党の代表であり、それゆえ議会との結びつきがより強いのが日本です。で、日本において国民が選挙で決められるのは議員までなんですから、本作のような展開になる可能性はアメリカよりも遥かに低いわけですね。建前として「あくまで個人」なのがアメリカ、「同じグループの中からリーダーやってよ~→うーんオッケー!」なのが日本です。 予算削減の検討シーンはすごく面白いところで、ここら辺のツッコミポイントは日本とそっくりですね。ず~っと道路工事してていつまでも道路が完成しないのは、「いや予算もらったら消費しなきゃなんないからとりあえず道路工事でもしとこう」「道路工事しなきゃ予算がもらえないから道路工事しよう」という理由です。行政は縦割りであり、部署が違えば会社が違うのと同義で、「いかに予算を引っ張ってくるか」「いかに予算を減らされないか」が重視されます。予算を消費できなければ「あ、んじゃ来年度以降はその部署にはそんなに予算は必要ないんだね。んじゃ削ろう」となってしまうから、それを恐れて「とりあえず予算は消費する」という発想になります。ハッキリ言ってアホの極みというか、そんな無駄な予算割いてる暇あったらまだ人件費に回した方がマシだろ、と思ってしまいます。 で、ズバリそれを言うのがデーヴ。マスコミが入っており、周囲から支持を得ているあの状況だからこそ自らのおかしさを認めざるを得ないでしょ?というある意味ゴリ押しで予算案を通す。「あなたの買った車は良い車です、と伝えるより家の無い子に家を与える方がよっぽど大事でしょ?」。カッコよすぎるでしょさすがに。現実的には「でもそれやると経済的に~」とか色々あるでしょう。だからこその映画。理想のゴリ押し。素晴らしいと思います。 「君のためなら死ねる」、いやこれむさくるしいオッサンがオッサンに言ってるわけだから笑いどころなのかもしれませんが、すみません、カッコよすぎて涙が出ました笑 [DVD(字幕)] 8点(2019-06-06 06:06:14) |
2. テルマエ・ロマエ
《ネタバレ》 発想の勝利というやつですね。第一に発想、第二に阿部寛の独白風シーン、第三にローマ、日本それぞれの世界観ないし雰囲気が良かった。が、それ以外の部分がちょっと・・・。まず純然たる日本人にローマ人を演じさせるのはやはり無理がある・・・。違和感が凄まじい。さらに上戸彩の演技が致命的。オーバーアクションすぎます。 ストーリーの描き方もちょっと納得できない。「ケイオニウスは嫌な奴でアントニヌスは良い奴」を見せた後に、とってつけたように「歴史が変わっちゃうから」「ハドリアヌスを神格化させなくちゃ」という理由で「アントニヌスじゃなくてケイオニウスに戦地に行かせるようにしよう」って・・・。いや、史実通りにしてはいるんだろうけど、あれでは「嫌いな奴は殺しとけ」と見えてしまう。主人公二人のキャラクター的に、もしケイオニウスとアントニヌスの性格が真逆だったとしても同じ行動をしたのかと言われると、甚だ怪しい気がする。歴史改変の話を持ち出す割にその他の部分では一切それを考慮してないし・・・。もうちょっと描きようがあった気がします。 [DVD(字幕)] 6点(2014-11-03 23:28:36) |
3. テキサスの四人
面白い!ストーリー・脚本に力が注がれたこの作品。その練られっぷりが見事だと思います。反面、殴り合いシーンとかは雑でしたが。男達が狙うのが単なる10万ドルではなく新規事業の投資のための10万ドルであり、メインの3キャラクターの立場が賭博場の経営者・詐欺師・銀行頭取であることから、キーパーソンを殺すことであっさり解決!とはならずあくまで体裁を守りながらのやり取りになるってのが面白ポイントですね。「若い女を連れた男」とかの伏線や気が利いた台詞の使い方も上手く、冒頭の駅馬車シーンこそ若干退屈でしたが以降は全くそんなことは無く入り込めました。キャラもグッド。全体として真面目にやりすぎると事業経営がどうとか金の法的権利がどうとかで堅っ苦しくなるのでコミカルタッチで描かれている・・・んですかね? [DVD(字幕)] 7点(2014-06-13 06:04:30) |
4. 天使にラブ・ソングを2
《ネタバレ》 個人的に思い入れがある作品。何といっても「Joyful,joyful」からエンディングまでの一連の流れと曲が素晴らしい。ただ本作の欠点はコンクールの結果がネタバレ無しでも誰でも予想できちゃうというところ。最後にコンクールを持ってきた時点でまあ仕方ない気もしますが、そりゃ主人公サイドが5位とかなわけないもんなぁ・・・となっちゃうわけで。あと「2」であることのデメリットとして、若干ストーリー運びが強引であったりキャラより設定が先になっちゃってたりシリアス度が高めだったり、続きものだけに前作との比較でマイナスに感じてしまいます。 ところでTV版ではだいたいEDがカットされていますが、それはいかんでしょう。EDの分の時間を本編から削っても良いからEDは入れていただきたい。そのくらい良いEDだと思います。トーマス神父はじめじいちゃん神父ばあちゃんシスターのあの活き活きとした姿を見ろやこのやろー!と言いたくなりますね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-02-23 08:47:12) |
5. 天使にラブ・ソングを・・・
《ネタバレ》 最高のエンターテインメント映画ですね。良い点が多すぎて全ては挙げられない。全体を通して言うなら、エンターテインメントという枠内に全てを収めたという点にあるでしょう。ストーリーの本筋的には殺人を目撃したデロリスが修道院に身を隠すという話。しかし、殺人目撃シーンやトイレ脱出後の手下に攫われるシーン、カジノで追われるシーンなど、全てBGMはポップな音楽。つまり、あくまでこれはエンターテインメント作品であると言い張っているんですね。もしこれらのシーンで深刻なBGMが流れていたら、きっとここまでの素晴らしさにはならなかったでしょう。そしてこの「音楽(BGM含む)」というのがこの作品のキーポイントになっているのがこの作品のキモ。デロリスと院長ら修道女はいわば対極の存在。それら両者を、果ては老若男女価値観を超えて結び付けるのが音楽であるという主張。真剣に見れば多少ぶっとんだシーンもありますが、それでもこのまとめかたには素晴らしいの一言です。 ■曲としては「Hail Holy Queen」が一番好き。もう何度聴いたかわかりません。歌ってる最中の皆の楽しそうな表情がもうね。 ■エンターテインメント作品だけあって、コメディ要素も中々のもの。一番笑えたのはシスター集団のヘリコプター操縦士脅迫シーン。次点でカジノでの後ろ姿声かけ「なあに?」のシーン。その他にも多々ありまくり。さりげなく院長が「俗世」のことに詳しいってのがミソですねw [DVD(字幕)] 9点(2014-02-23 06:13:24) |