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1.  鉄砲伝来記 《ネタバレ》 
●東野英治郎演じる刀鍛冶の、職人らしい一徹さと倫理観を軸に、その娘の若尾文子とポルトガル船の船長リック・ジェイソンとの悲恋がうまくからんでくる。通り一遍なもの足りなさを感じるところもあるけれど、こういう職人気質の男を主人公に、そのしごとへの打ち込みようと、苦労の末につくったものが殺戮兵器として使われるということへの絶望(ここに娘の悲劇も重なる)っつうのがきっちりと描かれて、わたしはこういうの好き。 ●赤く熱せられた鉄を叩き延べていく鍛冶工房の描写、分解され並べられた銃のパーツの絵だとか、職人の意地を感じさせられる。 ●東野英治郎も、その銃というものが刀など比にならない殺傷兵器であることに気づき、工房の火薬爆発事故で二人の愛弟子を失い、同時に武器商人(小池朝雄)の陰謀も知ることになり、「もう銃はつくらない」という決意を抱くことになる。ここで「いくさに加担する兵器をつくるのはイヤだ」という東野英治郎に対して小池朝雄が、「いくさはいつの世もなくならない 銃があればいくさに早くケリをつけることができるのだ」とうそぶくわけだけれども、「早くケリをつけられる」というのはいうまでもなく、アメリカが日本に原爆を使ったいいわけとして語られることの多いことばでもあり、ここで大量破壊兵器の開発にいそしむ現代への批判もあり、武器商人という存在への告発もこめられているのだろう。 ●若尾文子とリック・ジェイソンとの悲恋の方は、まあどうってことないんだけれども、たしか大の親日家であったと記憶するリック・ジェイソンの誠実な演技が、その役柄のポルトガル船長の誠実さとかさなって、とってもさわやかな印象を残していた。 ●これは森一生監督の演出意向だろうと思うのだけれども、ロングの画面でのいかにも映画らしい構図の決め方だとか、堪能することができた。とくに、種子島領主のまえで東野英治郎が「もう銃はつくらない」と語るシーンの、ななめ上から俯瞰されたショットは、ステキだった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-04-11 08:30:30)
2.  天国の門
とにかくまずは、ヴィルモス・スィグモンドの撮影がすばらしい。最初の卒業式でのダンスの場面、人物にピタリと照準を当ててびゅんびゅんと廻っていくカメラ。逆光線の中に立体的に群集を捉えるカメラ。赤い砂塵の舞う荒れ地での残虐な戦いを記録するカメラ。これを観ているだけで作品の長尺は乗り切ることが出来る。ヴィルモス・スィグモンドでも、この作品が最高ではないだろうか。  物語は、国家が移民を抹殺しようとした過去のアメリカの大きな恥、そこでの無力な知識人の問題を主題としている。この作品で描かれたことが史実とはずいぶんと異なるらしいというのも、この作品への嫌忌気分の原因になっているらしい。わたしには、この作品で描かれる主人公のジム(クリス・クリストファーソンが演じる)の行動がどうもよくわからなくて、何をどうしようとしていたのか、まあそこにこそ知識人の無為を読み取れるように思うけれども、どうもいまいち納得が行かない。ラストにポーツマスだかで船に乗っているジムは、そこが移民たちのアメリカ上陸への窓口だったということを想っているのだろうか。そこに彼の過去の行動への悔恨があるのか。死んだ女性を思っているだけなのか。船室で傍らに坐る妻らしい女性へタバコの火をつけてやるときの彼のぎごちなさが、意図的な演出なのか、マイケル・チミノ監督の演出力やクリス・クリストファーソンの演技力に由来するものなのかもわからないから困る。  やはりわたしの印象に残ったのは、ネートという男で、これはクリストファー・ウォーケンが演じているのだけれども、観ていてこのルックスは誰かを思い出させると思っていたら、近年のジョニー・デップを思わせるのだった。とにかく、移民としてアメリカという国に同化しようと努力する姿が痛々しい。ホーソーンの小説を読んで英語の書き取りを勉強し、住まいの壁には壁紙として英語の新聞をいちめんに貼る。ジムと娼婦の女性(イザベル・ユペール)をめぐって争うけれども、ジムへは友情を感じていて、ここに彼の人間味が読み取れる(この作品には人間味を読み取れるような人物が少ない。このネートと、娼婦のエラぐらいか)。殺し屋まで引き受けてアメリカ人になろうとするけれども、さいごには国家の不条理に抵抗して死を迎える。住まいの壁の新聞紙が、燃え上がって剥がれていくシーンが悲しく、美しい。
[DVD(字幕)] 8点(2010-05-08 11:21:17)(良:1票)
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