21. トリコロール/白の愛
《ネタバレ》 三部作のうち、結局この「白」しか観ていないなあ。ヨーロッパの曇り空が印象に残る映画。私には、うだつの上がらないオジサンが美人妻を振り向かせるために一念発起、故郷でやばい仕事にも手を出して名をはせていく…というお話に見えた。故郷に帰り孤軍奮闘する姿や仲良くなったオジサンとのシーンはたまに笑いも誘ったりする。ジュリー・デルピーは添え物だったような気がする。オジサンの内に秘めた「白」の象徴?ラストは、結局見返した!ってことだろうか。デルピーが手で喋るところは、彼女の持つふわふわとした質感も手伝って、儚げな美しさで溢れていた。 5点(2004-03-22 12:39:43) |
22. ドライ・クリーニング
《ネタバレ》 平々凡々とした中年夫婦が、あるきっかけで若い男を家に住まわせるようになったことから起こる出来事の話。夫婦も青年もどこか満たされなくてお互いを必要とした、ということだろうか。妻はともかく夫が彼を想っていた背景がちょっとよく解らなかった。青年の夫への気持ちも…彼には気持ちなんて無かったのか、ひどく寂しかっただけなのかも。夫婦が必要とした以上の「毒」をもった青年のせいで、ラストは結構重い。夫婦が背負ったものの大きさ、その割には淡々と歩く姿が逆に怖かった。一番怖いのは、この夫婦がどこにでもいそう、というところかも。 5点(2004-03-17 18:12:59) |
23. 12モンキーズ
絶望の未来から人類のために時間を超えてやってきた囚人が、美人心理学者を巻き込みキーワードのために奔走する。もの悲しいピアソラのテーマ曲と、独特の雰囲気を持つ未来世界。ブルースウィリスはよだれを垂らし、デッキブラシで2回もゴシゴシ洗われる。ブラッド・ピットは完全なマッドでお尻まで披露し、ヒロインマデリーン・ストウはぶっ飛ばされて鼻血を出す。雇われ監督としてある部分は妥協しつつ、ある部分は意地を張ってギリアムはこの映画を作った。この映画の中のギリアムらしい質感を保った部分が大好き。未来世界に登場する女性科学者の赤い手袋など、時折出てくるギリアム臭を強く放つシーンに身をよじりながら12モンキーズを私も追った。最初から伏線として現れていた空港での終演は、正直全然物足りない。一番大切なところがすべてギリアムに任せた演出とは思えないのはとても悲しい。でもそんなこと言いながら繰り返し観てしまう映画なのだ。ギリアムというだけで合格点になってしまう甘い私を許して欲しい。 9点(2004-03-07 17:27:17) |
24. となりのトトロ
トトロ、どこかにいますね。絶対に。私の見えないところで、のんびり暮らしてますね。魔法みたいな手の内で、仲間と風起こしたり木を育てたりしてますね。こんなこと平気で書く自分が嫌いじゃなかったりする。で、こんな大人をどこかで見ながら、一発でかいくしゃみでもしてますね。トトロは。絶対に。 8点(2004-02-24 19:37:52) |
25. 24アワー・パーティ・ピープル
マンチェスタームーブメントの立役者、トニーウィルソンというインチキくさい男の半生。自らをストーリーテラーとして話は進行します。SEX&ドラッグ&ロックンロールがいっぱいで、がさついた映像にスラングの雨あられ。あんまり人には勧められません。でも80年代ブリティッシュロックに興味のある人なら見るべき。私の一番興味深い時代とはずれていましたが、それでもこの映画の前半は懐かしく危なっかしい音楽のせいで静かに座っていられなかった。もう、セックスピストルズの初ギグシーンだけで8点です。赤毛のミックが出てきてしまったとき、幸せで倒れそうでした。血が騒いでしまったのです。個人の嗜好としては10点にかなり近いです。 9点(2004-02-04 18:50:55) |
26. Dr.Tと女たち
「クッキーフォーチュン」が面白かったので見てみましたが、タイトルの「女たち」のとおり女が大勢ごちゃごちゃと出てきて、さらに物語りも分かり難く途中で飽きてしまいました。一番の敗因は、私がギアがあんまり好きじゃなかったところでしょう。 4点(2004-01-07 00:44:50) |