1. トゥルーマン・ショー
実は昔からこの映画の内容に近い事を考えていました。自分の周りに存在する人は用意された人達で、いろいろな刺激を与えてみて私がどんな行動を起こすかを誰かが外界から観察しているのではないか。更に進んで、私という存在は本当は箱に入った脳のみであって、脳につけられた何本もの線の先には操作盤があって誰かがいろいろなボタンを押して私にこのような世界を見せているだけなのではないかと。考え様によっては非常に哲学的なこの作品の内容を大変興味深く観ました。作られた世界の謎と矛盾が徐々にあらわになるにつれ、疑いの気持ちを大きくしていくトゥルーマンの心の変化の具合がうまく描かれて物語に引き込まれます。ドアから出て行く主人公に視聴者の歓声で終わるラストに、こんなオチでいいのか?と思ったが、事実をすべて知った後もこの超巨大セットの中で生きていく方を選ぶ筈は無く、トゥルーマンでなく誰であっても外の現実の世界を選択するというごく当たり前のこの終わり方しかなかったのだ。中々の秀作だと思います。 7点(2005-01-23 16:39:10)(良:1票) |
2. トゥルーライズ
とっても面白い。シュワちゃんの作品の中でも評価は上位に位置するでしょう。スパイ映画にしてはオフザケの部分が多いけどアクションとしてもコメディとしても見所が満載ですね。どうやって撮っているの?と思える部分の殆どを実際に体を張って演じている様で最近の造られた映像よりもリアルで見ごたえがありお勧め度数は満点。141分もある本編のどこをどれだけ切ったのか分からないけどテレビの二時間枠で充分楽しめました。 8点(2004-08-07 16:59:08) |
3. トレインスポッティング
汚いトイレ、汚い部屋、毎日同じシャツ、タバコの臭いと嫌いなものばかり出てくるので見終わったあと歪んだ顔がしばらく戻らなくて困った。薬物に肯定的な表現が多く賛成できないが、トリップ状態の幻覚ではなくて禁断症状に苦しむ主人公の幻覚の方だけを凝った映像で表現したのは正しい判断だと思う。やっと更正できたのに手に入れた麻薬の質を調べるためにまた以前のヤク漬けの状態に戻ってしまうが、これではこの映画の趣旨すらわからなくなる。仲間の中ではまだまともな考えを持っていると思われた主人公のレントンがなぜ金を1人で持ち逃げしてそこで終わるのか解からない。 3点(2004-04-12 00:16:33)(良:1票) |
4. 遠い空の向こうに
誰もが自分の夢を見つけられる訳ではない。況してやその夢を叶えられる人間は極めて少ない。長男は有望なフットボール選手となり大学で活躍し、次男のホーマーはロケットで宇宙へなどと夢みたいなことを言っていると思っていたら本当にその道で才能を発揮するまでになってしまった。炭鉱での仕事を天職と信じ誇りを持って働いてきた父にとって息子が二人とも自分が歩んできたものとは全く違った道に進んでいくことが簡単に納得できなかったのでしょう。今まで築き上げてきた地位や父親像を否定された様に感じるのは悲しい事だが、反面いつしか自分を超えていくまでに成長した子供たちを見て喜びも感じているのかも知れない。炭鉱へ降りていくエレベーターからホーマーを見る父の視線など台詞の少ない父親の胸中を巧みな演出で的確に表現している。夢の実現を目指して諦めずに努力する姿を見せるサクセスストーリーというよりも、反目しながらも絆を感じ歩み寄ろうとする親子の愛情物語として出来栄えを評価したい。 7点(2004-04-11 21:00:52)(良:2票) |
5. どつかれてアンダルシア(仮)
仕事上必要だから一緒にいるけれど、嫌な部分が増えてやがて憎くて仕方なくなるという感情の推移がうまく描けているが漫才コンビの話なのにぜんぜん笑えない。最後の病室の場面だけクスッと出来たのはこのギャグだけが他とは質の違う笑いだったからでしょう。最後まで観るのはかなり辛うございました。 4点(2004-02-01 12:46:39) |