1. 時空の旅人
《ネタバレ》 原作未読。 小学生の時に一度見たことがあるはずなのだが、まったく内容を憶えていないので、おそらく内容がわからなかったのではないかと思いながら、30数年ぶりに鑑賞。見終わって改めて子供にはわからないだろうなと思ったし、なんなら大人にとっても謎ばかりだった。 80年代のアニメだから、大人を第一のターゲットにしたとは考えられないので、子供に見てほしい映画だっただろうが、ディストピアとして描かれた未来像、といくに思想を管理する社会を子供が現実のものとして想像するのは難しいのではないかと思った。また、歴史の勉強という意味もあるのだろうが、東京大空襲や関ヶ原、そして本能寺と、正直子供が興味を持って見られる歴史を舞台にできているとは思えなかった。そして何より、おそらく眉村卓の原作とは関係ない(と思われる)角川春樹の俳句がいきなり何度も差し挟まれるのは、大人にとっても意味不明なのに、とても子供のことを考えているとは思えない酷い作りだと感じた。 また、大人にとってみれば、歴史を旅してきた主人公たちが、結局最後に記憶を失って何も成長していないところが、まったくもって謎なのだった。「何か懐かしい感じがする」と言い出すのが、唯一の大人である先生であるところも、謎。ただし、唯一の女子であるテコについては、恋愛が描かれていて、また竹内まりやがこの映画のために「テコのテーマ」を主題歌にしていることからも、もしかしたらオッサンにはわからないものを、女子なら感じられるのかもしれないとも思った。 アニメーションの技術や作り自体はその時代の制約もあるだろうから、今見るとどうかということを問うてもナンセンスだとは思うが、ストーリーやコンセプトが謎すぎて、あえて今見る価値のある映画だとは思えなかった。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2023-08-09 20:22:08) |
2. トータル・リコール(2012)
《ネタバレ》 SFにしては、設定がショボいというのが第一印象。フォール自体は面白いアイデアだと思ったが、なぜそれが労働者抑圧の象徴なのか?? 説明が乏しく、なので最後にフォールが破壊されちゃって、それでそれからどーすんのよ?、って感じだった。やっぱSFって、いくら映像がきれいでも、設定とストーリーがイマイチだと、面白くなくなっちゃうんだなぁというのが正直な感想。コリン・ファレルの無表情ながら丁寧な演技と、ケイト・ベッキンセールの振り切っちゃった感は良かっただけに、残念。 [映画館(吹替)] 5点(2012-09-02 14:45:02)(良:1票) |
3. トイ・ストーリー
《ネタバレ》 やはり『少年ジャンプ』は正しかった、と実感。僕らの生きる支え、それは、友情!、努力!、勝利!、これだ。そしてこの映画のすばらしいところは、友情、努力、勝利、そのどれもが「信じること」によってはじめて実現する、ということを具体的に描いているところだと思う。ウッディも、そしてバズも、途中それを信じられなくなる。でも、最後はお互いに励ましあって、再び信じるからこそ、奇跡が起きる。 もういい年したおっさんに、そんなことを考えさせるのは、たぶんストーリーの力だろう。予想を裏切り続ける、猛スピードのストーリー。何度も叫びながら見た。「ここでロケットだろ!」「そうだ、マッチ持ってた!」「火ついた!」「消えたーーーー!!(笑)」 いやもう、最高です。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-07-23 22:58:48)(良:2票) |
4. トーク・トゥ・ハー
《ネタバレ》 これは、すごい映画だ。そりゃあベニグノの行為を責めることは簡単だけれど、そんなことに意味はない。だって、彼は知らないのだから。アリシアとの結婚の考えをマルコにとがめられた時のベニグノの顔を見れば、彼が望み作り上げたアリシアとの関係が社会的には許されないものだということを、彼が本当に知らないのだということに僕らは気付かざるを得ないわけで、それは良いとか悪いとかいうことではなく、要するに客観的な「悲劇」でしかない。でもこの映画がすごいのは、単にそういう悲劇を描いていることではない。むしろこの映画のすごさは、たとえば「リア王」のようなシェイクスピアの悲劇ならば主人公は必ず最後に知らなかったということを知るわけで、その意味で悲劇は主人公に訪れるのに対し、この映画では主人公のベニグノが結局知らなかったということをことを知らずに死んでしまうということ、そのことにある。悲劇は主人公にとっての悲劇ではなく、残されたマルコやアリシア、そして観客に押し付けられるのだ。それはなんとも不快な出来事ではあるが、考えてみれば必ずしも人生にはカタルシスが用意されているわけもなく、押し付けられた悲劇とモヤモヤとした不快感は、僕らのリアルな世界をきわめて直接的に表現していると感じた。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-27 17:52:55)(良:2票) |
5. 遠くの空に消えた
《ネタバレ》 のっけからキャラクター祭りみたいな人物造形ばかりで、うんざり。しかも、場面場面でトーンが変わり、笑うに笑えないし、しみじみ見るわけにもいかない中途半端さに、イライラする。けど、さすがに2時間半の長尺だけあって一応伝えたいことは伝わった。ラストシーンは、大人になったからこそ分かる、恥ずかしくも懐かしく、甘酸っぱい感傷にあふれていて、そこはいい。あのシーンを見るために、2時間半我慢する映画。 [映画館(邦画)] 4点(2007-09-08 20:48:05) |
6. トランスフォーマー
《ネタバレ》 いいかげん見飽きた感のあるこの手の映像だが、笑いどころやおき楽ストーリーで意外に楽しめた。やっぱさ、へんなロボット相手だったら、トム・クルーズが娘息子を守るために真剣にがんばっちゃうよりは、そのへんの少年が「お前はもう、一人前の兵士だ」とか言われて燃えちゃう成長ストーリーのほうがしっくりくるなー、と思った。ペンタゴンや秘密組織が何の役にもたっていないあたりも、よくあるSFモノとちと違うところで、楽しい。 [映画館(字幕)] 6点(2007-08-18 18:58:51) |
7. トゥームレイダー
最初は結構よかったんだけど。アクションがだんだんショボくなったのが悲しい。多分にそれはショボいセットのせいで、最後の惑星みたいのがぐるぐる動いちゃうあのシーンに至っては、「風雲!たけし城」の「まわってコマネチ」かと思った。 [DVD(字幕)] 5点(2007-03-11 17:11:10) |
8. 鳶がクルリと
《ネタバレ》 主人公の立ち位置やエピソードが原作とほとんど変えられてしまっている。もちろんそういう映画の作り方もあるだろう。けど、原作で最も重要な最後の仕事のシーンがまったく撮られていないのは、これはもう逃げとしか思えないし、はっきり言って「鳶がクルリと」を映像化した意味はまったくない。原作に対し、たいへん失礼な作品。 [DVD(邦画)] 2点(2006-06-11 13:41:57) |
9. ドッジボール
膨大な時間と労力をかけて、こんなくっだらない映画を作ってしまうアメリカ人、ひいては人間がもつ「余裕」というのは素晴らしいものだと、この映画を見ながら思った。基本的にお下劣コメディーなわけだが、スポーツが題材というだけで爽やかな味があって、そのへんのバランスが絶妙。時間を忘れて楽しめた。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-01 18:05:00)(良:1票) |