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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  富江VS富江 《ネタバレ》 
伊藤潤二原作のホラーマンガシリーズ「富江」の映画化第7作で、監督・脚本は「富江 最終章」(2002)で助監督をしていた人物である。映画紹介ではこの映画を「完結編」としているものがあるが、それなら「最終章」とは何だったのかということになり、またこの後も富江映画は製作されているので全く完結していない。その時々でこれが最後の決定版だと宣言したいのかも知れないが、それにしても今回はかなり番外編的な内容になっている。  今回も一応は原作にネタ元があり、「梅原」「尚子」という人名は「ある集団」から、誰彼構わず注射するのは「通り魔」からだろうが、しかしストーリーは全く違っている。原作では注射されると完全に富江化していたが、この映画では「出来損ない」の半富江になるというのが独自の設定で、またこのことから、人間の部分を残した半富江の悲恋物語ができているのが今回最大の特徴点と思われる。 放っておくとやがて自滅するなど本来の富江にはありえないことで、その半富江が生存をかけて争う様子は哀れともいえる。一方で、満を持して登場した本物は元彼の生命などには頓着なく、半富江の最後の思いも踏みにじって1人だけ生き続ける形になっており、さすが本物は無慈悲で無敵という印象があった。死んでいった人々には申し訳ないが、この富江ならもう大丈夫、という安心感さえある。 全体的な雰囲気としても、背景音楽のせいもあって邦画ホラーというジャンルに捉われない怪奇映画のような風情がある。エンディングテーマも本編と統一感があって余韻を残し、最終的にはけっこう佳作と思わされる映画になっていた。  キャストに関しては、今回の富江役といえば一応あびる優という人だろうが、ほかにも半富江と思われる人々が多く、序盤の枝分かれ元も別の富江だったとすれば子役2人(笠菜月・荒川ちか)を含めて富江演者が5人にもなる。自分としては派手目の顔より堅実な顔が好きなので、実は2番手の半富江(演・松岡恵望子)を応援していたが、わりと簡単に排除されてしまったのは残念だった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-11-26 21:58:23)
2.  富江REVENGE 《ネタバレ》 
伊藤潤二原作のホラーマンガシリーズ「富江」の映画化第6作で、このすぐ前に公開された第5作と合わせて、第1作の脚本兼監督の人物が脚本兼監督をやっている。第5作との間で直接のつながりはないが、撮影地は同じく小山町フィルムコミッションのあたりらしく今回も富士山が映っている。  話としては原作で雪山が舞台になる「復讐」を下敷きにしたらしく、REVENGEという副題はそこから採っており、谷村(兄弟)・浜口・土井という男連中の名前も同じである。富江が男を食っている場面も原作にあるが、これは高山の雪中でこそ成り立つことではないのかと一応言っておく。 今回は本物の富江が誰なのかをめぐるミステリー風に見えなくもないが、そもそも他人の身体を乗っ取る話を気安く使う監督であり、全く違う女優を使っておいてほくろを出したり消したり勝手気儘にやるのでは誰が本物かなど考えても仕方ない。 また個人的印象としては富江の話に「あさま山荘事件」(1972)を組み入れたような感じで、テロ集団というなら公安調査庁が出て来るのも自然なことではあるが、そういう社会派っぽい色が求められているとは全く思えない。さらにその上「男が世界中からいなくなれば、ほとんどの戦争はなくなる」のだそうで、もう左だかフェミだかわからない支離滅裂な話になっている。制作側としては、いわば偽の富江に言わせることで本筋から切り離したつもりかも知れないが、こういう異物を故意に入れること自体が観客への騙し討ちであって、個人的には許容範囲をかなり逸脱している。自分としては史上最低の富江映画というしかない。  なお登場人物に関しては、浅間山荘にいた過激派リーダーは嫌いだ(女優のせいではない)。代わりに医師役の女優には心惹かれるものがあったが、毅然とした発言をすべきところで女の子っぽい口調になってしまうのは少し残念だ。また少女役の美波という人は無邪気な美少女と妖しい美少女を使い分けていて大変結構だ。ほかに看護師も何気に美形だったりして(芹澤みづきという人らしい)見るところが全くないわけでもないが、しかしそういうことで点数を上げるには限度がある。
[DVD(邦画)] 2点(2017-11-26 21:58:20)
3.  富江BEGINNING 《ネタバレ》 
伊藤潤二原作のホラーマンガシリーズ「富江」の映画化第5作で、このすぐ後に公開された第6作と合わせて、第1作の脚本兼監督の人物が脚本兼監督をやっている。富江が岐阜県から転校してきたというのは第1作に合わせており、片目を隠した山本という人物も同じ役者がやっていて、同じ劇中世界としての連続性を出している。  内容に関しては、廃校で同窓会という現実味のなさ(それを真に受けて来る男のバカさ)はまあいいとして、主要部分を回想談で語る趣向は悪くない。最初はどこがBEGINNINGかと思ったが、回想で語られている話が実は原作最初のエピソードだったことが次第にわかり、山本・松原礼子・高木(担任)という名前も原作から取られていたのは意外に原作に忠実といえる。第1作と同じく原作の内容を過去のこととして語った上で、現在の物語をここから始めたという意味と思われる。 それ自体は悪くはないのだが、人間の本性を語るとか富江の起源論とか、本心かどうかは別として殺されたくない痛いのは嫌だと訴えるとかいろいろ違和感があるところが多い(恐らくプラナリアは痛いと思っていない)。またラストのオチが拍子抜けで、どうもこの監督は他人の身体を乗っ取る話を安易に使い過ぎのように思われる。 その他、いかにも低予算に見えるとか嫌悪を催す背景音楽とかはいいとしても、おふざけが過ぎるのは弁護しようがない。教室に富江が出現した際の担任の行動はまだしも笑ったが、無宿の渡世人のような連中はさすがに羽目を外し過ぎである。ただそのあとで「何百年も前から」富江が生き続けて来たという話を聞けば、実際に江戸時代の北関東あたりではこういうこともあったのだろうと逆に想像させる効果もなくはなかったが、しかし終盤の座頭市は明らかに悪乗りである。  なお褒める点として、今回の富江は個人的に好きなタイプではないが妖しい美貌を備えており、目元のほくろというより目そのものの迫力が印象的である。富士山の見える屋上の卓球台???で担任が襲われた場面を見ていると、これなら誰でもやられてしまいそうだとこのシリーズで初めて思った。
[DVD(邦画)] 4点(2017-11-26 21:58:18)
4.  富江 最終章~禁断の果実~ 《ネタバレ》 
伊藤潤二原作のホラーマンガシリーズ「富江」の映画化第4作である。題名に「最終章」とあるが特に終わりの印象を出しているわけではなく、富江は依然として野放しであり、映画としても間をおいてまた製作されている。  今回は原作のどのエピソードをもとにしたということでもないようで、かなりユニークな話になっている。 主人公が最初のところで「バートリー」を名乗っていたのは実在の「血の伯爵夫人」バートリ・エルジェーベト(1560~1614)を意識したのかと思うが、そのあとで「私はバンパイア」と言っていたのはその伯爵夫人がモデルといわれる吸血鬼カーミラ(1872年の小説「カーミラ」より)のことだろうから、主人公はもともとそういう存在に憧れていたということらしい。若いまま生き続けてほくろの位置が同じというのは劇中では富江の属性だが、もとはといえばカーミラの特徴であり、またカーミラの同性愛の性質も今回の富江は受け継いだようである。 奥手な眼鏡女子だった主人公は、父親を異性として意識し始めたのか嫌悪気味のようだったが、富江に誘惑されてガールズラブの方に行ってしまい、本物の異性関係をすっ飛ばしていきなり母親に目覚めたというのが今回の話と思われる。途中で育児放棄という挫折もあったようだが、最後に「本当の親友を作る」と言っていたのは現実の(一部の)母親の子育て感覚というつもりかも知れない。 一方で、主人公の父親が初恋をやり直すなどと言われて全てを捨てたのは、年齢的にまだ間に合うというつもりだったかも知れないが(かなり無理があるが)、相手が娘と同年配の少女では犯罪だ。また工場のジジイまで少女好きが顔に出ており、これはどれだけ年取っても男はスケベ心を忘れないということの表現に違いない。自分としても当時16歳くらいの宮崎あおいはさすがに可愛いと思うわけだが、そういうオヤジをロリコン扱いしてはばからない皮肉な作りの映画になっている。  そのようなことで男女の性に関わる人間模様が描かれていたようだが、今回の富江は残念ながら個人的にあまり好きでない(容貌と性格)。劇中の富江は主人公を「年を取って醜くなって誰にも相手にされなくなって」と中傷していたが、この映画から15年後の感覚でいえば、宮崎あおいは30過ぎていろいろあっても役者としての存在感があって(自分的には昨年の「怒り」)今でも可愛く見える、と言ってやる。
[DVD(邦画)] 6点(2017-11-20 20:53:38)
5.  富江 re-birth 《ネタバレ》 
伊藤潤二原作のホラーマンガシリーズ「富江」の映画化第3作で、これが清水崇監督の劇場版初監督映画ということになるらしい。題名からすると前年の第2作と関連がありそうだが実際は全く関係ない話になっている。 物語としては原作のどのエピソードとも言いがたいが、肖像画とか顔から毛髪といった個別要素は拾っている。大まかにいえば男3人と、それぞれに関わる女性のエピソードを連ねた形になっており、男女の愛憎がらみなのが富江らしい雰囲気を出している。特に今回は女同士の争いに重点を置いて、人の心の執着心や嫉妬心が富江を生み出すのだ、というような教訓話にしたようにも見えた。ただし富江を生み出していたのは若手女子だけで、中年以上は単に排除されて終わりになるようで、子離れできない母親の末路は因果応報・自業自得という印象だった。最初の男の母親(演・大塚良重)が無事だったらしいのは案外普通の親子関係だったということか。 なお原作との関係でいえば、口紅だけで富江が伝染するのはあまりに安易な展開であり、違う女優でも目元にほくろがあれば全部富江だというお手軽感覚にも納得できない。また最初は東京都内の話だったのに終盤で里帰りするのは「呪怨2」<OV>(2000)で見られた地方出張のようなものかと思うが、個人的好みとしては都市的環境の中で終わらせてもらいたかった。  今回の富江に関しては、外見的な派手さはあまりないが目つき顔つき話し方笑い方の印象は良好で、口先で人の感情を翻弄するのが小気味いい。耳元でささやかれるのが神経に響きそうな感じで、殺し文句の「好き」というのは自分も言われたい(が向こうも相手を選ぶとは思われる)。洗面器からじっと見ていて何気にまばたきするのも愛嬌があって、個人的には今回の富江がシリーズ中で一番好きだ。 ちなみに電柱の張り紙など見ると、呪怨シリーズに通じるおふざけ感が出ていたようでもある。自宅に帰った男が持っていた買い物袋からネギが出ていたのはマンガのようだった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-11-20 20:53:35)
6.  富江 replay 《ネタバレ》 
伊藤潤二原作のホラーマンガシリーズ「富江」の映画化第2作である。第1作の続編ではなく完全に独立した別の映画だが、エンディングテーマは第1作とアレンジ違いの同じ曲を使っている。音楽についてはサントラCDまで出ていたりして、この当時はそういうところにも力が入っていたらしい。 今回は原作の「地下室」の話をもとにして、第1作よりは原作に近い雰囲気を出している。ただし一般の心霊ホラーのような演出で、自宅に何か出そうだとか押入れに何かいるとか天井を這っていたとかいうような場面もあるが、少なくとも自分はその手の怖がらせを富江映画には求めていない。また険悪な面相の特殊メイクなども不要である。 ドラマ部分では、いろいろあっても人間を信じたい、というようなことがバケモノとの対比で語られており、結局最後に愛が勝つストーリーだったのは大変結構だと思うが、一方で死ねない苦しみ、悲しみまで表現されていたのはバケモノの擬人化が過ぎる。分裂して増殖する生物?がもう終わりにしたいなどとは思わないだろうし、そもそも人を破滅させるのが生きる喜びというのが富江だろうが、まあそういうところがこの映画の特色かも知れない。  今回の富江に関しては、文句なしに美形だが少しきつい感じで、男の前に脚を伸ばしてみせておいてはぐらかすような行動は好きだ。なぜか出番があまり多くなかったのは残念だが、ラストで首だけになった顔は可愛らしく、自分なら投げる前にほっぺたを撫でたくなるだろうと思った。 またわずかながらドッキリ系の驚愕場面もあったが日本人形の件などは嫌いでない。主人公が可哀想な少女の自宅に行ったところで黒い影がヒラヒラしていたのも意味不明だったが悪くない(風で回転する葉っぱの影か)。また別の部屋にいた主人公が来て、男に毛布をかぶせたところは純粋にいい場面だった。 そのほか余談として、劇中語られていた「踏み出せばそこに道ができる」というのは、いかにも飲食店店主(自営業の創業者)が言いそうなことなので笑った。確かに、人生そのように自ら心に決めるということが大事である。
[DVD(邦画)] 5点(2017-11-20 20:53:32)
7.  独立少女紅蓮隊 《ネタバレ》 
DVD特典の対談を聞くと、発想の原点になったという渋谷のエピソードには共感できるが、わかるのはそこまでである。 まず、この映画の属するシリーズの名称からすると笑える映画として作られたもののはずだが、実際には申し訳程度の悪ふざけを入れてあるだけで、具体的に笑わせる場面は皆無である。国家体制に対する皮肉な笑いという理屈付けをしているのかも知れないが、現実問題として笑えなければ少なくともコメディではない。 コメディでないとすればシリアスに取るしかないわけで、劇中の「王国」が監督の出身地であることからしても、どうしても真面目に取らなければ済まない雰囲気はある。見る側の世代や主義主張によっては無条件で賞賛されそうな体裁なのは厄介だが、実在しない政府機関のありそうもない所業や人物像を創作してまでわかりやすい悪者を用意するのは幼稚で卑劣である。 しかし同時に、なぜか日の丸を背景にした宣伝写真とか非人道的なテロリスト養成とか思想統制を思わせる「プロパガンダ」といった言葉などマイナスイメージのあるものを平気で使っており、こういうものをこの映画として肯定しているということなのか、あるいは冗談めかした逃げの姿勢ということか。若年者が仲間内で面白がるようなものに真面目に突っ込むと冗談だから許せと言われそうで腹立たしい。 それでも最大限好意的に見るとすれば、いい加減な部分は全て娯楽映画としての飾りに過ぎず、要は「王国」の民の心情を伝えることが中心テーマだったと取れなくはない。住民の切実な思いというのは確かにあるだろうが、しかし未成年者の思い付きのようなストーリーに乗せて伝えるのでは無責任な自己表現以上のものにはならず、映画全体に通底する茶番感とあいまって反感だけが残る。そもそも母親がナショナリズム(民族主義)のためにわが子が戦いに赴くのを支持するなど常人の感覚では信じがたい。 最終的には「王国」自体のことよりも、「王国」をネタにして自分の反抗心か何かを表現したい、またはそういう人々に評価されたい映画にしか見えなかった。実際の意図はどうあれ最低限、反感を煽って「王国」とそれ以外の離間を図るようなことはやめてもらいたい。平和ボケの時代の無責任な映画に今さら苦情を言っても仕方ないだろうが。 なお点数は中身と無関係に付けたので参考にはならない。上記以外の面での評価は別のところで誰かがしただろうと思っておく。
[DVD(邦画)] 5点(2017-06-21 19:32:13)
8.  トワイライトシンドローム デッドゴーランド 《ネタバレ》 
ゲームの映画化とのことで、同じ年に公開された「デッドクルーズ」のいわば姉妹編である。低予算らしく安手の雰囲気で、その辺はあらかじめわかった上で見る必要がある。  この映画は遊園地を使った殺人ゲームという趣向で、ゲームキャラだとどれだけ殺しても良心は痛まないのか、というような問いかけも一応入ってはいるが、どちらかというと罪もない一般人が生命を賭けたゲームを強要される(+主人公が人間的に成長する)という、よくあるパターンに単純に乗った形になっている。 全体構成としても特に目新しさはないが、少なくとも序盤の展開にはけっこう意外性がある。また全身が黒いので目に入らないとか声が喉につっかえるとか、劇中人物が嘲笑されると笑い声が入るとか普通の風景と思ったら罠だったというような細かい面白味もなくはない(感電死した人はご苦労様)。ほか客観的にみれば自律進化型ピエロの挙動といったものも見どころなのかと思われる。 最後の場面では、主人公の「同じこの空の下で」という台詞自体はいいと思ったが、「空」という言葉がそれ以前のストーリーと関係ないため唐突で、かつその直後の不吉な状況には直結するのでせっかくのしあわせ感が失われてしまうのは残念だった。結果的に満足感の高い映画ともいえなかったが、まあ初めから全く期待しないで見ればそれほどの落胆もないと思われる。  なおキャストの中で、主人公のメイ役(荒井萌)がひときわ可愛らしいのはこの時まだ13歳だったからで、チカコ役の星井七瀬という人に可愛がられていた(実妹と同年齢とのこと)という話は和むものがある。また完全にどうでもいいことだが、メイキングを見るとデブオタ役の俳優のオールアップ時に、花束を持った監督がはるか彼方から疾走してきてそのまま俳優に抱きしめられていたのは、どういう事情でそうなったのかわからないがとりあえず可笑しい。和気藹々とした現場だったようで結構でした。
[DVD(邦画)] 3点(2017-06-17 08:31:30)
9.  トワイライトシンドローム デッドクルーズ 《ネタバレ》 
ゲームの映画化とのことで、同年公開の「デッドゴーランド」のいわば姉妹編である。低予算らしく安手の雰囲気で、同じ監督の「オトシモノ」(2006)が超豪華大作のように思われる。  この映画は客船に乗った若者が殺人ゲームに巻き込まれるという設定で、舞台は船内限定(撮影場所は陸上もある)だが、船外が見える場面も多いので閉塞感はない。ちなみに船は八丈島と東京の間を運航する東海汽船の「さるびあ丸」だそうである。 基本的にはホラーゲームを本物の人間でやったらどうなるかという前提で一貫しているが、この映画では特に「リセット」に着目して、殺される者の身になってみろ、ということを表現していたらしい。序盤はまだコミカルにも見える(失笑するところもある)が、やがて暴走してとりかえしがつかなくなるという展開で、最後には型どおりの悲劇的結末を迎えるが、全員生き残ることもできたはずだという思いを残す作りになっていた。細かい点としては、多層のプロムナードデッキを使ってゲームらしい移動を見せていたのはなかなかいい。また「お母さん」なるものの登場が唐突なのは笑った。 最後の場面は、登場人物とカメラの動きに加えて船自体の速さも感じられ、並航する船も見えていたりしてダイナミックな映像になっている。ここは状況に翻弄される登場人物の姿が強調されていたようでもあり、若干くどい(かなりしつこい)が印象的な場面になっていた。最初から全く期待しないで見たわけだが結果としては意外に悪くなく、安手にしても見どころがなくはない映画に思われる。  なお主要キャストの女優4人はそれぞれ好印象で(男は見ていない)、特に主演女優はきっちり存在感を出している。登場人物はそれぞれキャラ立ちしていたが、相互の関係性が「聲の形」(2016)と似たような感じで、こういうのは人類共通の基本パターンのようなものかとも思った。
[DVD(邦画)] 4点(2017-06-17 08:31:28)
10.  トワイライトシンドローム-卒業- 《ネタバレ》 
ゲームの映画化とのことで、元がどういう話だったかは知らないが、この映画に関しては高校最後の夏休みに起きた思いがけない出来事という体裁になっている。 最初は感傷的な雰囲気で始まるが、直後になんちゃって式に開き直ってコメディ展開に移行する。まずは女子高生のじゃれ合いとかガールズトークに付き合わされて、そのあとみんなでプールに行って水着になって水中撮影というサービスもある。そのうち通りすがりのバイト男が本格的にからんで来るとラブコメ風味も出て、気恥ずかしくて笑ってしまうとか少しキュンとさせられるとか何気に泣かせるところもあってとりあえず楽しい。全体としてはミステリー風の構造ができていて段取りよく進んでいくが、終盤に至ってもまだ嬉し恥ずかしの場面など入れてあるので和まされる。最後は題名の「卒業」を受けた形で切ない余韻を残しながらもすっきり終わり、結果的には登場人物みんなの笑顔が嬉しい爽やかな(少し古風な?)青春映画になっていた。ちなみに少し怖いところが1か所あったが、ここでかすかな音が先触れになるという趣向は非常によかった。 なお主演の酒井若菜という人のことは当時よく知らなかったが、この映画を見る限り美少女ともいえない代わりに何ともいえない愛嬌のある顔をしていて和む。年少時の子役とも連続性が感じられて微笑ましい。
[DVD(邦画)] 6点(2017-06-17 08:31:22)
11.  遠くの空に消えた 《ネタバレ》 
評判が悪いようなので期待感なしで見たが、時間が長いのは別として一応見られる内容になっている。ただし独特のファンタジー感があり、始終突っ込みを入れたくなるのをひたすら我慢しながら見ている感覚だった。  中身に関してとりあえず見たことを書いておくと、まず冒頭の言葉がいわゆるお花畑的発想のようで呆れたが、実際は意外に現実的というか、夢想と現実の橋渡しのような映画になっている。 当然ながら少年少女は大人になるにつれて夢想の世界を失っていく。大人になってからも、例えば結婚の時点で残っていた夢想を振り捨てなければならない場面はありうるが、しかし少年少女の感性を持ったまま年齢を重ねることもできなくはない。夢想のままで消えてしまえば初めからなかったも同然だが、消えたと思っていたら帰って来た、というなら結果的に現実だったと確認できることになる。村を去った(消えた)側の少年にしてみれば、逆にこの村の記憶を夢のように思っていたかも知れないが、今回帰ってきたことで現実だったと再確認できたのだろう。 奇跡を起こすなどと大げさに言っておきながら、結局少年らが実現させたのは麦畑アートだけだったようである。これでUFOが来たなどとは誰も信じていなかったにせよ、彼らの心意気に少女が感動してくれたのは現実的な成果ともいえる。一方でこれが空港建設推進の立場にも一定の打撃を与えたような話になっていたが、しかし結局空港が完成していたからには大した影響もなかったらしい。これは公団の所長がこの場を去るための言い訳にしただけで、彼の立場なりの現実的な判断で旧友の要請に応えたということかも知れない。 空港ができたことで、遠くの空というのは去るだけのものではなく、帰って来るためにもあることが明らかになったようでもある。最後に出迎えが来たことで、全てが現実だったと証明された場面は正直感動的だった(2時間も遅れて来たことには突っ込まない)。  ちなみにこれを見たのは単に伊藤歩嬢が出ているからというだけの理由だが、今回は夢見る乙女の姿が清らかで美しい(牛糞まみれにならなかったのは幸い)。また少女役(大後寿々花)も表情がすごくいいのが印象的だった。そのほか、別のところで有名になった笹野鈴々音という人がどこに出るのか見ていたが、この映画では動くお人形さんのようなイメージだったのか、可愛らしくてなかなか面白い役なのだった。
[DVD(邦画)] 6点(2016-01-26 00:17:07)
12.  東京うんこ 《ネタバレ》 
若手の村松英治監督(1980年生)の初長編映画とのことである。現代日本では「東京…」という映画が多いのが目に余るが、この映画は「…」の方のインパクトで人目を引いており、かつ何で「東京」なのかという理屈も一応ついている。 基本的にはコメディなので主にウンコネタで笑わせようとしているわけだが、それが本格化するのは絵本を出版するあたりからで、それまではとりあえず黙って見ている必要がある。面白くないギャグも多いが、本当に笑うところもある(個人的には「うんこ!」「ブッ!」のあたりなど)ので虚心に見ることが望まれる。 登場人物としては、まずは関西弁の女(演・宮沢マキ)の人柄がほとんど映画全体を支えており、また友人の男女もいい味を出している(寒い男など)。一方で同居の男はキャラクターを作り過ぎで受け入れがたいところがあるが、その辺はまあ我慢のしどころである。 ストーリーの面では、うんこをメインにしてこういう話を作る必然性は特に感じられず、単なるギャグネタに終わっている気もするが、そもそも出版社の社長が語る理屈が無理やりだったりするので、これはこういうものと思うしかない。それより関西弁の女の東京に対する意識が変わってきたというのはなかなかいいオチであり、これはうんこ映画というよりも、大都会東京の持つ一面を描いた映画だったということかも知れない。 なおDVDのチャプターの題名が中身と全く関係ないのは非常にふざけている。これではチャプターメニューの意味をなしていない。
[DVD(邦画)] 5点(2015-08-03 23:58:36)
13.  東京ゴミ女 《ネタバレ》 
廣木隆一・三原光尋・行定勲・篠原哲雄・塩田明彦・三池崇史の監督6人が、デジタルビデオを使って700万円以内で純愛映画を撮ったという「ラブシネマコレクション」の1つである。 解説文によるとこの映画は「女の子の日常を繊細かつキュートに描いた珠玉の青春映画」とのことだが、見ると必ずしもその通りとは言い切れないものがある。とりあえず主人公は粗野で無神経でガサツな女であって、その延長上にゴミ漁りもあるのだろうとしか思えなかったが、しかし2/3くらい経過したところで意外にも、このゴミ女がただの女の子に大変身してしまったので驚いた。舞台挨拶で主演女優が「女性ならわかってもらえる」と言っていたので、これでも普通の女子の心情の範囲内で起こりうることだったらしい。 男はその領域に踏み込むことが特に期待されてないかも知れないが、ただし映画全体の作りとしては、終盤で事態の収拾にかかるとともに映像的にも開放感が出て、最後は常識人の世界に一応回帰する形で終わるので、性別関係なしにちゃんと映画を見たという感覚は得られる。結果として女の子の心情をわかってあげられなかったという気はするものの、それなりに悪くない映画という印象は残るのだった。  なお考証的なコメントとして、自分は別映画(「第五福竜丸」「ゴジラ」「美女と液体人間」)の関係でわざわざ江東区夢の島へ行ったことがあるが(JR京葉線新木場駅下車)、公園やマリーナがあり、5月の晴天の日だったこともあって爽やかな感じの場所だった。劇中の船が向かっていたのはここではないだろうが(さらに南の新しい埋立処分場?)、それにしても資源物も可燃ごみも分別せず、中間処理も何もなくただのゴミ袋を持ち込むというのも困ったことである。
[DVD(邦画)] 5点(2015-08-03 23:58:30)
14.  東京原発 《ネタバレ》 
初見は2000年代のうちだったと思うが、自分としては既に20年前に広瀬隆氏の著書を読んでいたのでこの発想自体は珍しくなかった。もともと「東京に原発を!」というのは東京に原発が立地していない事実の裏返しであり、これは原発を作っている側が実はその危険性をどう考えているか、論議を要さず端的に示す言葉だったわけで、いわば非常に優れたキャッチコピーのようなものだった。しかし現実の事例により、日本国内でも深刻な事故が起こりうることが明白になってしまった現在、警告の言葉としてはもはや意義を失ってしまった感があり、これは少し残念なことにも思われる。 映画の内容に関しては、素人目にはおおむね正論を言っている気がする。会議の場面では、ほとんど一方的な説明だけの内容を役者の力で見せており、またトラックの乗っ取りは別の話を無理にくっつけたようでもあるが、システム全体の脆弱性の部分をクローズアップして見せたということだろうからまあいいかと思われる。けっこう笑うところもあり、個人的には米軍の協力申出に爆笑した。改めて見ると結構いい映画だったようではあるが、この映画の公開が世間の大勢に全く影響を及ぼさなかったのは間違いないらしく、それはまあそんなものだろうという気もする。 ちなみに劇中では原子力がクリーンエネルギーという話が出ていたが、2011年の春頃に、代替エネルギーの一つとしてメタンハイドレートは使えないのかと何気なく口にしたところ、深海にあるためコストがかかりすぎて現実性はない、と20歳くらい年下の物知り男に説教されたことがある。
[DVD(邦画)] 6点(2015-08-03 23:58:24)
15.  東京少女 《ネタバレ》 
名前が「未歩」だと明治の人なら「いまだ歩まず」と読むのではないかと思うが、そういうところはあまり突っ込まないことにしておく。 内容としては「時をかける少女」と似たような印象があり、特に2010年実写版との類似点が目立つ(これより後だが)。時を越えて何かものを残すのは感動を呼ぶ定番要素のようでもあるが、ほかにこの映画では5歳/101歳?の人物の絡ませ方がよく、結構うまく作ったお話だったという気分になる。 またデートという発想はなかなか面白い。満月の頃だと昼間は月が地平線上に出ないので無理だろうと思ったが、別に月齢はどうでも構わなかったらしく、その場でヒロインがちゃんと調べて日を決めていたのは賢い。当日までに店を探してあったのも用意周到で、かなり頭の働く人物らしいのが好印象だった。 そのヒロイン役はこの時点でまだ16歳で文句のつけようのない美少女で、「ちゃんと勇気もらったよ」とかいう何でもない台詞も心に響く。デートの場面は声も弾んで楽しげで見る側としても嬉しくなるが、一方で結末を予想すれば(ほとんど最初から見えているが)この時点ですでに切なくもなる。 このヒロインのほかに、明治の少女は立ち居振る舞いが一応それらしく見え、甲斐甲斐しくてお兄様思いで何気に可愛らしい。この女優(福永マリカ)は同じ「東京少女」のBSのシリーズで主演・脚本??を務めていたとのことで、脇役と思って侮ってはならないようである。 以上のほか、本来はヒロインの成長物語といったところも重要なのかも知れないが、まあそれはそれとして、とりあえず泣ける切ない青春物語という点を重く見ることにして、それなりの点をつけておく。いい年してこれで泣けるおれはアホではないかと思うが、こういう話には弱いのでしょうがない。
[DVD(邦画)] 7点(2015-08-03 23:58:17)
16.  トリコン!!! リターンズ triple complex RETURNS 《ネタバレ》 
好きな女優が出ているとかいう動機がない限りわざわざ見るものではないと思うが、見ればそれなりに面白い。本編では登場人物の心が揺れている場面で、強い風のために海面も不穏な感じで揺れている映像が印象的だった。こういう天候の時を選んでうまく撮るものだと思う。 また登場人物に関しては、本来は主役のイケメン俳優3人を見るための映画なのだろうが、自分としては当然ながら男に関心はない。三輪ひとみが出ているのは同じ監督の別映画の縁からかも知れないが、せっかく少し色っぽい服装で登場したのだから、もっと色っぽく活躍してもらいたかった。 そのほか個人的趣味としてはゲスト出演の妹役がかわいいので見ていて和む。この女優は女性としては比較的長身で、黙っていればどちらかというと落ち着いてクールに見える人だと思うが、こういうかわいい役をやると本当にかわいいので感心する(ウ○コしてもかわいい)。しかしこの映画の性質上、見たのはほとんど若年女性だったろうから、公開当時この人はほとんど注目されていなかったと思われる。それでは悔しいので、せめて自分がちゃんと見たということをここに書いておく。どうせ誰も読まないだろうが。
[DVD(邦画)] 4点(2014-09-07 09:21:25)
17.  特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション 《ネタバレ》 
木下あゆ美という人が一番若かった頃にどんなことをしていたか見るのが鑑賞目的だったが、実際はあまり目立っていないので少し落胆した。この人(イエロー)が冒頭で言っていた「なんたるチア、サンタルチア」というのは、うちの元上司(団塊世代)の口癖だったため脱力感を覚えたが、これはそもそもこういうキャラクターだったらしい。 一方、ピンクの人はひときわ小柄で宇宙警察にしては可愛すぎだが、中盤でこの人のお風呂シーンがあったのは少し驚いた。これも外部情報によれば入浴が趣味とのことで、それならグリーンとかイエローと同じようにナレーションで説明してくれればよかっただろう。TVではこれが定例行事になっていたのだろうが、この劇場版ではゲスト出演の人も一緒に入っていたのがスペシャル感を出していたのだろうと想像する。 このゲスト出演の人はお姉さんキャラで、落ち着いた役柄をけっこうシリアスに演じているためレギュラーのおちゃらけた連中との対比が変に際立つ。この人が悪人の前に横たわり「何でも言うこと聞くから」などと言うので、そんなことを言うと凌辱されてしまうのではと心配になったが、戦隊モノなのでそういう展開ではないのだった。それにしても、もう少し格好いい衣装を着せてあげればいいだろうにと思う。 また一瞬だが「忍風戦隊ハリケンジャー」に出ていた敵の女幹部2人がさりげなく友情出演していたのは、その劇場版を見たばかりだったため微妙に嬉しかったりする。個人的好みとしては小柄な方(山本梓)が可愛いと思うが、以前は「宇宙コギャル」と呼ばれていたのに今作では宇宙女子大生に成長していたようなのは喜ばしい。 なおこの映画を見た裏の動機は「白鳥スワン」(同義反復)役の人が出ていたことで、見るとさすがに容色はわずかに?衰え、演技の面でも少々心もとない感じだが、自分の世代からすればこの人の顔を見るだけでも幸せである。  以上が女優に関するコメントである。  そのほか全体としては、戦隊と宇宙刑事の融合というのが目新しく、刑事ドラマ風に“夜の大都会”の風景がさりげなく入れてあるのが笑える。序盤で、エレガントな感じのお姉さんに「いい人ね、あなた」と言われてしまうバカがレッドだというのは心外だったが、ほかに頼りになるイヌ顔のボスがいるので安心なのだろう。この人が変身した姿はさすが宇宙刑事という感じで格好いいのだった。
[DVD(邦画)] 5点(2013-12-10 18:54:20)
18.  ドッジGO!GO! 《ネタバレ》 
一応は合作ということになっているが、これだけ無邪気な映画であっても日本でしか公開されなかったとのことで、一方通行の友情もいい加減にしろという気になる。専門家のコーチを呼んで本気でトレーニングして作ったのだから、せめて国内の普及促進にでも役立てないと作った甲斐がないように思うが、そうすると妙な友好ムードがかえって異物になるようにも思われる。どういう事情でこうなったのかわからないが。 内容としては主に子ども向けの映画だろうから、多少リアリティに欠けるところはあっても大目に見て構わない気がする。直前にかき集めた連中をいきなり試合に出したり、試合中も息抜きのような形でコメディが入っていたりするが、それでもおバカな映画に見えたりしないのは、映画がこの競技に対して真剣に向き合っている様子がちゃんと映像化されているからだと思われる。またエンディングで出ていた国境を越えたボールパスも心温まるものがあり、製作目的に対して極めて誠実に取り組んだ映画には見える。  ところでこの映画を大人が見た場合、主人公の母親が家を出たという設定は著しく不自然に思われる。こんな子がいれば、普通の親なら可愛くて仕方ないだろうから置いて行くなど考えられず(劇中に顔も出さない)、一方で母親に捨てられたはずの子どもが、これほど屈託なく前向きなのも奇跡のようである。まあこの子もパパのことが大好きだったようだし、父親も溺愛とは言わないまでも可愛がっていたようなので、愛情には不足していなかったのだろうとは思う。劇中でこの子が笑ったり泣いたり一生懸命だったりする姿が、この映画の価値をかなり高めているというのが実感だった。 なおこの子役は外見的にはボーイッシュというか男の子のようにしか見えないが、いま見るとなかなか魅力的な女優さんになっているようで、時間が経つのは早いものだと思う。これも一応は21世紀の映画なわけだが。
[DVD(邦画)] 7点(2013-09-09 19:58:05)
19.  同窓会(2008) 《ネタバレ》 
いくらコメディにしても、最後のオチがあまりにもチャンチャン、という感じの幕切れだったのは映画としてどうかと思うが、まあ全体として面白いのでいいことにしておく。そもそも最初からネタバレしているわけなので、見る側としては何があっても騙されてやる、というくらいの気分でいた方が楽しめると思われる。単純に面白おかしいだけでもなく、劇中の雪の人柄には心惹かれるものがあり、こういう人を粗末に扱ってはいかんだろうという気にさせる。最初の方では「むごかばい、神様」が切なく、また終盤で主人公が病院へ向かった場面では普通に泣けた。  一方キャストに関しても、永作博美は本当に可愛い人だとこの映画を見てしみじみ思う。また高校時代の雪もかわいいが、個人的には「口裂け女2」で悲惨な役をやった飛鳥凛が普通の女の子の役で出ているのでほっとする。そのほか主人公の同級生の娘2人の動きが可笑しくて仕方ないとか、校長役で出ていた本物の島原市長(当時)がなかなかの芸達者で笑えるとか、いろいろ指摘したくなる事項も多く、総じて登場人物は魅力的である。そういったことも含めて、少年時代の主人公が語っていたような、笑って泣けて心が暖かくなる娯楽映画にちゃんとなっていると感じられた。
[DVD(邦画)] 7点(2013-06-03 21:08:06)
20.  となり町戦争 《ネタバレ》 
原作既読だが、主演女優が目的で映画を見た。この映画には出てほしくなかったという思いが残るものの、とりあえずこの人のために2点つけておく。 内容については、最後が真面目な感じで終わったことから、基本的には真面目なことを語ろうとした映画だと想像するが、実態としてはドタバタばかり見せられて呆れ返る。役場が原作でいう“バカドモ”扱いなのは世間の常識通りとしても、ヒロインにまでコントの役を振るのでは真面目に見る気が早々に失せる。 もともと原作も完璧とは思えないが、それでもこの社会のありように対する作者の思いは確かに感じられた。しかし映画ではそれが全部抜け落ちて、その跡を空々しいセリフと取ってつけたようなBGMで埋めてあり、登場人物が真面目な顔で語るほど鼻で笑いたくなる。大変残念な映画化と思う。 [2012-09-02変更] 配点を変更し、主演女優のために2点、それ以外を-2点とする。
[DVD(邦画)] 0点(2012-03-12 20:30:43)(良:1票)
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