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1.  透明人間(1933) 《ネタバレ》 
透明人間の原点。1933年なのによく出来ている 化学者が研究の末陥った顛末というプロットはハエ男の恐怖など多くのフォロワーを生んだこの筋の王道展開 同僚だったケンプ博士が殺されてしまって、その後フローラもクランリー博士もそのことに言及しないドライさが意外だった 90年近くも昔の、イギリスの精神性はそんなもんなのかな。今みたいにポリコレ厳しくないんでしょうね
[インターネット(字幕)] 5点(2020-05-25 01:40:23)
2.  トゥルーライズ 《ネタバレ》 
シュワルツェネッガーらしいコメディ路線のアクションムービーで、荒唐無稽すぎて笑う。金はかかってるが、コメディが強めだ 拷問が実行されていれば笑うだけの映画にはならなかっただろうが、そんなピンチも軽く脱出してしまうのがシュワルツェネッガーの演ずるヒーロー像だ。ブレがない そこまでやったらぶち壊しだと作り手も観てる側も誰もが思っている。そして味方は誰一人死なない そういう雰囲気の鎖で縛られ、マンネリを感じざるを得ないのが一時のシュワルツェネッガーアクションだがその枠の中で、今回も健闘している 敵の組織はギャグの装置として一人残らず殺害する。この割り切り方というか、徹底の仕方がキャメロンらしいといえばらしくて、見所のひとつになっている ハリアー機が大活躍をする。垂直飛行が映画的に扱いやすく、さながら戦闘ヘリのように扱われる。それは無理じゃね?と思うけど ともかく、アメリカの誇る軍隊は今回も無双だ。それに、アメリカのマッチョなヒーローが載る。まさに最高&最強というわけである 極めてポジティブな戦闘描写を笑いながら鑑賞するのだ。そして悪は、死ぬべきである。アメリカを核攻撃すると脅すのだから、なんの遠慮もいらずに死なせることができる 突き抜けた勧善懲悪で、それが奇妙な笑いを生み出すのだ。どうせならここまで徹底したほうが、酷すぎて笑えて来るという計算だろう キノコ雲をバックにキスシーンは「はい、笑って」という合図である 実際には、そこでは笑わない。「笑って」と云われて笑う人はいないからである。「いやあ~ちょっと・・・」という反応にしかならないだろう そこでは作り手も「笑って」と投げかけるまでが意図であって、笑わせようとは、思っていないだろう。「それでも楽しいでしょう?」と聞こえてくるようだ 前述したように全体的には笑う映画だ。繰り返しになるが、あまりに悪役の末路が馬鹿にされ過ぎて、笑える。浮気相手の偽スパイが、特に酷い
[DVD(吹替)] 6点(2019-12-25 12:27:11)
3.  トータル・リコール(2012) 《ネタバレ》 
1990年公開の同名映画のリメイクということで、はじめからあまり期待はしないで観た。 原作は『追憶売ります』というタイトルだ。つまり小説の映画化のやり直しというよりは、映画版のリメイクの気持ちが強い、ということになる となれば90年のオリジナルとの比較は避けられない。 どちらも、自分の今の平凡な生活に無意識に嫌気がさしている男クエイドの何度も見るという夢から物語が始まる 今回の夢の舞台は「どこだかわからない病院」。オリジナルでは「行ったことのない、火星の地表」だった。全く違う。SFの世界観が天と地ほども差がある 病院と火星、面白そうなのはどっち?  決まっているよ、火星さ。 では、より現実的でないのはどっち?  おあいにくさま、リメイクさ。 今作の世界の舞台は戦争後の地球だが、とんでもない地球貫通型のエレベーターが登場するのだ。それでいて本作の物足りなさの象徴とされるべき、だめなギミックだ 荒唐無稽な設定でも、ワクワクできれば赦せる。しかしこれは暗いトンネルを高速通過するビジュアルで、映像作品としてあまりにお粗末 なんでこんな視覚的にマイナスでしかないものを造った? コアを通過するときの重力反転が形勢逆転に繋がるのだが、あまりにもしょーもない展開で呆れた。敵側が、その仕様を気にしないはずがないだろ。 それこそ手間のかからない捕縛銃で二人を拘束しておけば、殺さずに確保できていた。そんな、面白くないうえに納得のいかないアクションが連峰の様に続くのだ 直線的構造のエレベーターが、楽にシナリオを消化するためのショートカットに使われている気がする。ご都合主義の具体化である アクションはひたすら乗り物を飛び移ったり、狭いところで格闘したり、新しいことは何もなく全く面白くない。見せ方も、巧いと思うところがただの一度も無い 映像が汚い。暗すぎる。色が黒と緑ばっか。つまらない。意味ありげに入りまくるフレアもうざいこと、この上ない ブレードランナーのパクリも、いい加減見飽きた。一つ覚えか。スターウォーズのドロイドの大群パロも、つまらないからやめてくれ・・・。 クエイドの脳内に詰まっている情報、なんだかさっぱりわからない。そして結局罠なのだがどういう罠なのかもよくわからない。ただ、尾行されただけ? お話自体、前作の捻りがいくつもオミットされている上にキャストの役割分担の変更で、すっかりわかりずらくなっている 酷いのは説得に来たリコール社の担当を職場の仲間に変えたこと。あそこの場面での担当者の流れる汗からメリーナの涙への液体の変更も意味不明。因果関係がボヤけた 一番ダメなのは、あの手この手で我々を飽きさせないようにしてくれた前作のこれでもかというような映像群の、代わりになる見どころを用意していないこと いったいぜんたい、何を楽しめというんだい?
[インターネット(吹替)] 2点(2019-10-09 02:02:55)(良:1票)
4.  トータル・リコール(1990) 《ネタバレ》 
なんだこりゃ。・・・めちゃくちゃ笑えるんですケド。バーホーベンは天才か!そりゃそうだろ 若い頃は、自分が観たい映画はこういう奇怪なSFじゃなくて、もっとマジメで王道な、大衆受けする大作を望んでいた だから当時ビデオレンタルで観た本作の評価はハズレだった、ヘンな映画だった、観るんじゃなかった、と散々だった ロボコップも好きになれなくて、バーホーベン監督と聞くと、少し遠慮したい気持ちになっていたものだ ところが、しょぼくれた年齢になってから観ると、全く評価が変わった。勿論、全ての映画がこんなバーホーベン風味になったら、そりゃあ嫌でげすよ。 でもね、この人の映画、突き抜けとるんですな。頭おかしいんです。メチャクチャやってくれて、スカっとするんですよ。 シュワルツェネッガーを主役にしたの、はい正解!あの、大根かと思うような嬉しそうな笑顔の数々、わかり易っ!なんだその顔はっ。ウケるっ! 離婚成立だな!とか、離婚したって言ったろ?とか、パーティーで会おう!とか、捨て台詞くそ笑ったわ!畜生! 画作りとか、レトロフューチャーなデザインとか、奇想天外なギミックとか、観てて飽きない!ヘンなものいっぱいで眺めてるだけで面白かった~ 今では、ロボコップも大好きだ。クセのある作風が最初は苦手だったが、トータルリコールはそれに並ぶくらい、面白い
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2019-10-06 02:32:04)
5.  鳥(1963) 《ネタバレ》 
幼い頃にテレビで終盤の襲われるシーンだけを見ていて、鳥はおろか、映画というメディアそのものに戦慄しました。トラウマものです。 安易に幼児と一緒に観るのはやめましょう。さて、それ以来、というか頭から見たのは今回が初めてだったわけですが 最初のゴジラはなかなか怪獣の全貌が拝めずに、その兆しを順繰りに出していって不安と期待を煽る、ややじれったい話運びでありますが この映画には、それに近い長い待たせがあります。しかし待たされた挙句出てくるものはいつも我々が目にする、鳥そのものであります。 兆候は副次的に描かれ、各々が親愛を一部欠落した女達による、ミッチという男性への恋慕的な、あるいは恋慕そのものの在り様が主体として描かれています それら普通のラブコメドラマの合間に、直接的な異変として鳥の異常行動が不気味に挿入されます。 事態は突然大きく動き、主・副は逆転します。鳥が人を殺し始めます。原因は何か?わかりません。 劇中でも、コメディタッチでああでもないこうでもないと議論していますがいったい何が起きているのか要領を得ません。 いつものように、そういう部分は排して、ご想像に任せているようです。 著名人が、マスコミや大衆に攻撃される様を鳥の集団攻撃になぞらえて恐ろしく描いているとも取れます。テーマがあるとしたらそのくらいの映画です パニック物の定番ともいえる屋敷の内と外での防衛戦、パニックのあまりヒステリー化したオバサンからの誹謗中傷、愚かな行動による死、 苦難を共にして生まれる絆、投げっぱなしエンドと、歴史的にパニック物で踏襲されてきたフォーマットの原点ともいえるのではないでしょうか。 それだけ、後世に影響を与えた重要なタイトルです さあて、これが今面白いかどうか?答えは、否かも・・・。怖さは、十分だと思いますが。画も、評価できるというか凄いですけれど 話がそれほどでもなかったから・・。鳥に襲われるのも、ネズミに襲われるのも、それ自体はそこまで面白いわけではないからなあ・・・
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-09-08 19:47:11)
6.  逃走迷路 《ネタバレ》 
まず、映画としてのルック。画がいい。スタントがいい。 逃亡者という主人公の立ち位置が自然と浮かび上がらせる監視社会への批判は 戦時中の統制社会を窮屈に感じてのメッセージと受けとれるが デマが拡散しやすくなったSNS社会の現代にも丁度当てはまっている 盲目の紳士のほうが目の見える大多数の人々よりも的確に見抜くという描写そのものは割とよくありますが そういうテーマ性のある本作の描き方はスマートでかっこいいです。泣ける。 外見にハンディキャップを持っている人が、美しい心も醜い心も両方持っているというのも公平でいいですね ヒッチコックは異常性愛が出るのばっかりで苦手と思っているなら、普通に楽しめる映画もあるということでオススメ。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-08-20 02:53:58)
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