1. エクソシスト
今さらコメントするまでもないオカルト映画の最高傑作。この作品の登場人物たちはそれぞれに心身を病んでいて、悪魔はその心の隙間に容赦なく潜りこんでくる。W・フリードキンの演出は無情で冷酷で感情的な説明を極端に排している。中でもリーガンの病院で検査されるシーンの冷酷さを、暗に子供や老人に対しても容赦ない、現代の医療検査を批判しているようにも捉えられるほど執拗に描かれる。無信仰、現代医学の進歩、あるいは科学万能の時代となっても、なお推しはかることが出来ない“なにか”が、この世に存在するということを嫌というほど思い知らされた作品でした。ディレクターズ・カット版で久々にリーガンに会えると思っていたのに、延期になってまことに残念! 10点(2000-10-09 15:00:28)(良:1票) |
2. エイリアン
話の基本は“ちょっと大袈裟な鼠退治”といったところで、やがて定石通りミイラ取りがミイラになってしまう訳で、一人また一人と乗組員を始末していくエイリアンは、あたかも一匹狼の殺し屋のように描かれていく。その“彼”の血液(体液か?)が宇宙船の鋼鉄製の床を次々と溶かしていく様に、当時新鮮な驚きを感じたものだった。独特の映像世界で展開されるこのクオリティの高い宇宙スリラーは、後年数多くの作品に様々な影響を及ぼしたと言うことからも、ひとつのエポック・メイキングな作品として記憶にとどめて置きたい。 8点(2002-02-20 00:41:49) |
3. エアポート’77/バミューダからの脱出
よくこんなアイデアが思いつくなぁと感心する程、毎回違った趣向を凝らしてくれていて、そこがこのシリーズの面白いところ。又、キャスティングの魅力についてもそれは言えるが、本作はオールドファンには懐かしいスターたちがずらっと顔を揃えて渋い演技を魅せてくれるのがなんとも楽しい。この人がいれば絶対助けてくれるみたいな、お馴染みのパトローニ氏(=J・ケネディ)の相変わらずの頼もしさも嬉しい。あえて評価を高くしたのは、先日惜しまれながら亡くなった名優J・レモンに弔意を表して・・・。 8点(2001-10-28 16:14:30) |
4. エアポート’75
オールスターキャストのハリウッド超大作&パニック・ムービーの先駆的作品として、作品の良し悪しとは別に長く記憶に留めておきたい一本です。C・ヘストンとK・ブラックがタラップを足並み揃えて降りてくるラストシーンが、妙に印象に残っています。未見の方には、もはやTVサイズでしか鑑賞できないのが残念です。 8点(2000-09-08 23:42:07) |
5. 栄光のル・マン
森の木立の中を静かに疾走してくる一台のポルシェ。やがて車を停めて過去の事故に思いを廻らせているマックイーン。その印象的な表情が忘れられないオープニングだ。この映画のスピードに命を賭ける男と、それを頑なに拒む女というパターンはあくまでも添え物に過ぎない訳で、レース本来の面白さとその醍醐味にウエイトが置かれているのは明らかだ。とりわけ、実際のル・マン・レースとクラッシュ・シーンとを違和感なく捉えたカメラは素晴らしいのひと言に尽きる。 7点(2001-08-25 16:01:59) |
6. エクソシスト2
期待が大きかった分、皆さんカンカンみたいですネ!J・ブアマン監督って独特の映像哲学をもって、かなり強烈な個性を放っている人だけに、好き嫌いがハッキリしているみたい。個人的には好きなほうで、「脱出」のような傑作を世に送り出していますが、今回、彼が善と悪の対決を具体的に映像化したものの、第一作目とはスタンスが異なったことにより、あまりにも印象が違いすぎて不評を買ってしまったようです。で、この作品、神を否定したという意味ではキリスト教信者にとって、これほどコワイ作品はないんじゃないかと思います。悪魔と対決するのは結局のところ個人でしかないというところでしょうか?クライマックスの“例の部屋”での天地が裂けるイメージは強烈な印象として残っています。 7点(2000-09-29 11:42:28) |