1. 英国王のスピーチ
思いがけず王位を継いだジョージ6世。寒色の多い画、黒や茶の暗色の上に掛かる青い光が、内気なアルバートの内面を表しているかのようだった。上映時間中は男二人の会話劇がほとんどで、コリン・ファースとジェフリー・ラッシュが落ち着いた画面からこぼれることなくシーソーバランスを保つ。クライマックスがあの演説というのは確かに地味かもしれないけれど、あの震災を経て観たからなのか、言葉の持つ力とその響きに心を打たれた。でもベートーヴェンがもたらした相乗効果は否めないなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-10 20:30:20)(良:1票) |
2. エアベンダー
今までその癖のある主張でいろいろ酷評されたシャマラン作品だけれど、どうしてどうしてこれは大変わかりやすくてスピード感あるエンターテイメント。映画としてこれはどうなのよ、というご意見もわからないでもないが、軽い気持ちで水戸黄門など楽しむ感覚で観ればOK。広く知られた原作があるのならば、この作り方もいいのではないだろうか。御伽噺のビジュアルは色も美しく、セットや衣装も豪華で見応えあり。今回己の主張は控えめにしたシャマランだけど、ちゃんとシャマランらしさも感じ取れたし、不意に落ちてくる黒い雪や鯉で描いたイン・ヤン等々忘れられない画もあった。私は続編きっと観に行くぞ。 [映画館(字幕)] 8点(2010-08-15 20:55:51) |
3. X-メン
《ネタバレ》 人間が人間がって、結局ミュータント同士で戦争してんじゃんよ。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-13 12:49:17) |
4. エニグマ
《ネタバレ》 第二次大戦がテーマでも派手なドンパチはほぼ無いし、ヒロインたるケイト・ウィンスレットは体もメガネも丸々としているし、観る前の期待を裏切る地味さは否めません。しかし、劇中モールス傍受の女性兵士が言った「これって重要ですよね。」がテーマの底にあると思います。こんな地味な面も戦争の一部に違いない。暗号解読のプロセスなどは私のニブい頭では追いつけませんでしたが、サスペンスとして興味深い作品になっていると思います。終盤、主人公が急に勇敢かつ雄弁になったり、女スパイに翻弄されるヤローどもはちょっと情けないんですけど…。戦争がテーマなのにイギリスの美しい田園風景がたっぷり見られるなんて、珍しい映画ではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-21 16:43:56)(良:1票) |
5. H.G.ウェルズのS.F.月世界探険
《ネタバレ》 ややや、隠れた名作では???オープニングがやたらにスタイリッシュで驚きましたが、その後はレトロで楽しい夢物語でした。やっぱり何をおいてもカボール博士の酔狂ぶりですね。出色の表情群です。月世界人への博士とアーノルドの主観の違いや、悲しげに戦争を説明する博士の姿、一抹の寂しさを感じるラストにも感じ入るものがありました。古い作品だからなのかどことなく可愛らしく、「ホームメイドSF」といった感じの良作です。ちなみにハリーハウゼンの活躍はほんのご愛敬程度でした。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-04 22:34:06) |
6. エボリューション
《ネタバレ》 あわわわ。まあまあ面白いんだけど、コロン、ステンと細かいギャグで滑りまくり。オーランドだけが目ン玉剥いて頑張ってましたけど、あとはやる気がないカンジ…(元々そんなルックスか?!)もっとギャグ寄りにすれば、シリアス寄りにすれば、CG全開にすればといくらか考えてみたけれど、そんなアイディアはとうの昔に出尽くしているため、最終的にこんなどっちつかずのゆるっぽい映画になってしまったのだろうか。 [DVD(字幕)] 6点(2005-07-13 00:25:00) |
7. エトワール(2000)
「夢」の世界を作り上げるバレエダンサー達の「現実」を映し出しているドキュメントです。体、精神、時間全てをなげうってバレエに掛け、怪我や能力ある同僚の追い上げに怯える。自分の代わりはいくらでもいる、だから負けられない、バレエしかないから止まれない…非常に厳しい生き方です。ダンサー達の美しさの裏側にある、強靱な力や戸惑う心をめいっぱい堪能できます。芸術家、表現者はいつの時代も自己を削って作品という花を咲かせるんですね。私はもう見とれるというか、じっと凝視するしかないというか、そんな感じでこの映画を観ました。ラストの、真っ白なチュチュを着たダンサー達が舞台を降りた直後、自分の荷物を持って楽屋に引き上げていく姿に圧巻。「夢」と「現実」のラインがくっきりと見えました。 8点(2004-08-28 19:26:48)(良:1票) |
8. 永遠のマリア・カラス
《ネタバレ》 この映画を見てから、カラスの人生経歴、そしてこの映画について少し調べてみた。そして観賞後の感想はいっそう強くなった。ありえない。親しかった、大好きな友人のために監督が作ったフィクションだという事はわかった。でも、これだけストイックな芸術家が本当に口パクの映画企画に頷くだろうか?高名な人ほど日々の積み重ねを大切に思い、だからこそプライドが高いのではないだろうか。彼女を担ぎ上げた人々も、彼女の内面までよくよく考えてこの話に賛成したとは思えない。演出も多少大げさに感じた。これだけ熟練の俳優が揃っていたからくどく感じただけだろうか?“カルメン”のシーンは華やかで良かったが、華のある優雅な女優ファニー・アルダンの“カルメン”であって、“マリア・カラス”というフィルターを忘れてしまう。今回私はどうしてもフィクションの中に入りきれなかった。本物のカラスをもっと知りたいな、という良い機会にはなったと思うが…。ただ途中、カラスが新人の俳優とキスをし我に返るシーンがあり、あの瞬間だけは彼女から悲しみが溢れてくる感じがよくわかって切ない気持ちになった。彼女の人生を深く細かくたどった映画ではないので、内面まで悟ることはできなかったが。 4点(2004-06-20 17:01:34) |
9. SF サムライ・フィクション
長い長いプロモーションビデオを見ているような感じでした。ところどころ綺麗なシーンとかあります。でも、映画で延々とイメージビデオと同じ事をやられてもなあ、と途中で飽きてしまいました。風間杜夫、谷啓、夏木マリの三人がきちんとしたお芝居で画面を引き締めていたので、かろうじて助かっていたような記憶があります。 3点(2004-02-19 18:09:18) |
10. Emma/エマ(1996)
《ネタバレ》 衣装がとても素敵で、グウィネスのあっさりした顔にぴったりです。それに、たびたび出てくる古き良き英国の風景も美しかったです。目に優しい映画。しかし、内容はというと・・・。終始おっとりとした、上流階級の皆さんの日常あれやこれや、といったところでしょうか。さほどの盛り上がりも無く、最後の結婚式シーンでは衣装とセットの美しさに目を奪われていたら終わっちゃった、という感じでした。 5点(2004-02-01 18:47:37) |
11. えびボクサー
すんごいお馬鹿B級映画だと思い、前々から期待していたのですが・・・。バカやるならもっと突き抜けてバカやってほしかった。シニカルな笑いさえも私からは湧き出なかった。「ビルはエビを愛している。」ってアンタ・・・。何を狙って作ったんだ?この映画。 2点(2004-01-11 19:25:19) |