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1.  EMMA/エマ(1988)
上流階級と下層階級のふれあい。いささか図式的なところもあるが、童話と思えばいいでしょ。いいとこのお嬢さんが狂言誘拐を企む話。ブルジョワのお母さんの描き方が、ちょっとつまんない。下層階級のほうでもスエーデン人に対するイジメがある。バケツを天井にモップで押し支えさせられてるの。全体淡泊で、もう少し脇役が事件をかき回しても良かった。身代金を地下水道から取るあたりが面白い。小生意気だったブルジョワ娘が、ラストでしおらしくなってるところがミソ。メルテが来ても目を上げないで下を向いたままテーブルを回って抱きつくの。『トトロ』でメイが姉ちゃんに学校に会いに来たとこみたいな感じ。心優しい人を、安易に変わり者としてちょっと足りない感じで描くのも芸がない。町の広さがよく分からなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2014-03-09 09:30:01)
2.  英国式庭園殺人事件
いつも「イギリス」を背負ってる監督の長編第1作。典雅と暴力。典雅なものが典雅であり続けるために必要とされる策謀や暴力。上品なものが上品であり続けるための残酷。そういったものへの関心がずっとあるよう。夫はいつも殺される。趣向を大事にする人で、今回は12枚の絵。実物と絵を見比べる楽しみ。絵のなかで探す楽しみ。移動はあまりなかった。食事のテーブルを横に動いたり、あと屋外で少々。庭が奥から晴れていくところなんか、よく撮りました。あの彫像男分からなかったんだけど、実際ああいう人間を雇ってたことが歴史上あったとか。下層階級の視点だったのかもしれない。趣向が先走りしてる気もしたが、この人はその後もずっと趣向を先走らせる姿勢を貫くのだった。
[映画館(字幕)] 6点(2013-08-12 09:27:15)
3.  エレンディラ
ヒロインは海に憧れ続け、ラストでやっと海のそばにテントを立てるが、また砂漠のほうに逃げていく。この青空が印象的で、海の青より空の青を選んだ、という感じ(青と言えば、初めて体売られたときカーテンを青い魚が過ぎていく。「百年の孤独」に、ずっと雨が降り続いて湿度が上がった室内を、魚が泳ぎ過ぎていくってイメージがあって、好きだった)。マルケスの小説って凄く映像的だと思ってたんだけど、やはりあれ文学なんだな。この映画で一番美しいイメージは祖母の夢語りなんだ。エイが空を飛んでいくような。その瑞々しさに比べると、ガラスの変色など、実際の映像で示されるとかえってイメージがしぼんでしまう。そこだけが特異点として浮き上がってしまう、日常の中の非日常として。全体が溶け合ったものになってくれない。さらに言えば、あの仕掛けはどうなってんのか、などとあらぬことを考えてしまう。これ映像の不利な点ですね。修道院から帰ってくるところがミソか。幸福と懐かしさで、彼女は懐かしさのほうを選んだってこと。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-30 09:57:34)
4.  XYZマーダーズ
これがサム・ライミとの出会いだった。『クリープショー』との二本立てだった。そういうのが至って好きだった。尼僧が車にギュウギュウ詰めになって死刑執行場へ駆けつけるファーストシーンからして、何かしら期待を抱かせるものがある。主人公に迫る危機と、彼の語りが繰り返されて話の設定をまず作るわけ。以後、私のノートにはギャグが細かく記されているが省略。とにかくテンポのいい映画であった。36ドルなくて、とカメラがパンすると「ダンス競技会・賞金は36ドル」となって、いかにもダサく踊ってるところがあって、すぐ続けて陽気に主人公が皿洗いしてるとこになる。そういったテンポ。エレベーターとドアを使った出入りの妙。欄干での対決、落っこちたと思ってバンパーにつかまってたり、川の中から立ち上がったり、のくどいネバり。死刑場に駆け込む知事の「ああ間に合った、○○○○」のギャグ。駆け出しの監督でもコロッとこういうのが作れちゃうのは、スラプスティックの長い伝統があるからなんだろう。日本では「傑作」は作れても、こういう「快作」ってのがなかなか生まれない。
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-19 10:08:47)
5.  映画女優(1987)
冒頭の『不如帰』の、頭が上がってくるところは美しかった。ゾクゾクさせられた。過去のフィルムの骨董的美しさというよりも、モダンな現代美術として蘇ったような効果。しかし本筋に入ると、もひとつ乗り切れないところがある。いつもながら室内の暗さは美しいし、カットごとに人に移っていくそのリズムの心地よさは申し分ない。一番ドキドキしたのは、溝口の読み合わせのシーンでしたか、なんだなんだという絹代の戸惑い、消されていく黒板のセリフ、ステージ以外の周囲に広がる暗がり、「田中さん、…です」の繰り返し、こういう畳み込んでいく感じは素晴らしい。ただ吉永小百合、短いカットだと映えるんだけど、ちょいと太いとこを見せる場面になると、無理が目立っちゃう。うまいヘタの問題というより、質の問題なんだろう。そこらへんでどうも乗り切れない。この監督はポカーンとしたとこ撮るといいんだよね、セリフのあるドラマ部分よりも。よそ見をしながらビールを飲んでるとことか。上原謙はコントラストの強い場面で、ほんのちょっと出るだけ。清水宏役の渡辺徹は、体格で選ばれたキャスティングでしょう。
[映画館(邦画)] 6点(2010-08-15 09:42:21)
6.  エイリアン2 《ネタバレ》 
エイリアンを先住民インディアンなり共産主義者なりに見立てると、ハナモチならないアメリカ映画の伝統につながるんだけど、己れの悪夢を克服するために再び現実と戦う勇気の物語と見ると、アメリカ映画の最良の伝統を受け継いでいることになる。だからいいのはヒロイン像。重火器の構えがいい。今までだと武器を持つ人物は、もっぱら前屈みになったもんだけど、重さで後ろに身を反らす感じになる。前屈みのほうが戦闘的な気分は出るが、身を反らすと堂々として頼もしい。それが女性ってことで、新しい味わいが出た(2012年再見。ここらへん記憶の中でリプリーと海兵隊のオネエチャンとが混ざってたな。あのオネエチャンの構えが本作で一番印象に残っている)。活劇としては、天井からエイリアンが近づいてくるあたりドキドキさせたが、考えてみればちょっと対策が不備すぎる気もする。エレベーターで追いかけてくるってのも、なんだかなあ。細かいところはけっこう気をつかってるんだよね、冬眠から覚めたあとの床の冷たさとか。
[映画館(字幕)] 7点(2010-06-20 12:12:59)
7.  永遠の1/2
ところどころに会話の妙はある。生活臭が感じられないってのは、この作品の場合悪口にはならないんだろう。暮らしてはいるが、生活はしてないんだから。おそらく映画として一番面白く出来そうなのは、自分そっくりのヤツがいろいろ面倒を起こしてる、ってとこだろうけど、それがずいぶん遠慮がちな描き方で、いづみちゃんがウロウロ身の回りをうろついてるあたりはいいんだけど、もひとつ盛り上がらなかったなあ。まあそこで大竹しのぶの「もっとこんがらがっちゃえばいいのよ」が生きてくるのかも知れないけど。でもこの主人公そう人間関係の鬱陶しさに悩まされてるって感じでもなく(婚約者にはウンザリしてたけど)、つまり状況のほうがこんがらがってくれないと、人間関係が動いてくれない、ってところに当時の「現代青年」像があったのか。部屋の奥で二人並んで神妙にモーツァルト聴いてるところなんかは、おかしかった。あと超ロングの右端で竹中直人が荒れてるとこかな。
[映画館(邦画)] 6点(2010-04-11 11:57:44)
8.  遠雷(1981)
農協の場で現われかける問題、農政批判を、「土着の力強さ」というようなことでねじ伏せてしまった感がなくもないのだが、主人公のタイプの新鮮さに希望を託しているのだろう。フワフワしているような、しっかりしているような、その柔軟性。今までの映画の類型だと、「フワフワ」は完全にグレちゃってチンピラになってしまい、「しっかり」のほうは“なんとか青年団”的にコチコチになってしまう。その二つのタイプを止揚してるというか、とにかく一人格のなかに同居させている。そこに希望の可能性を信じようとしている。昔も今も、農が基本だとか何とか言いながら、映画はもっぱら都会を中心に描いてきて、農業を描くとなると社会派的な主張があるものだけに限られてきた感がある。そういった流れの中で、本作はなんらかの主張より前に存在するナマの「農家の青年」というものを見せてくれた。後半が面白かった。選挙及び選挙違反などに、こんなもんだろうなあ、というリアリティがあったし、ビンで鯉を獲る工夫や、七尾伶子と原泉の愚痴の言い合いも楽しい。ただ時々若き永島君が、陰にこもったヤラシー目つきするのはいただけなかった。もっとあっけらかんとしてほしいところ。
[映画館(邦画)] 7点(2009-12-25 12:02:21)(良:1票)
9.  駅 STATION
日本映画における“情緒の過剰”って問題があって、焦点をあえて絞らず、なにか雰囲気を味わうって感じになる。ストーリーはあるんだけど、その周りの雰囲気を描きたがる。これが日本文化の“もののあわれ”なのだ、って言われれば、はいそうですか、と答えるしかなく、味わいとしてカット尻に情緒がゆらめいたりするぐらいなら私も嫌いではないが、堂々とのさばられると、やはりたまらない。いしだあゆみや倍賞千恵子はいい演技をしてたと思うが、それは“情緒”を醸していたからではなく、彼女らはその場の設定にふさわしい明確な演技をしていた。かえって高倉健のムッとした顔が“情緒”の演技であって、空疎に見えた。いしだあゆみのカットバックは多すぎたが。ついでに言うと「舟歌」も2回はくどく、情緒の氾濫である。
[映画館(邦画)] 6点(2009-10-25 11:58:59)
10.  エル・スール 《ネタバレ》 
最初は客席の後ろのドアがちゃんと閉まってないのかと思ってた。画面右上隅のあいまいな光が徐々に自己主張してきて、窓らしいと分かる。と中央に何やらモヤーッとした物体が浮かんできてベッドになっていく。犬の吠え声。たまらない導入です。そして光と影のドラマが展開する、というより光が差し込むことと陰っていくことのドラマ。これを見たころはスペイン内戦に無知で(いや今だってよくは知らないけど)、そのためにかえって父と娘の孤独が感応し合う話として、純粋に人間のドラマとして感動できた。この変わり者の父、南に父親や愛人を残してきたというより、そういった憎しみとか恋愛とかのわずらわしい感情を捨ててきたんだ。でもその分、娘への愛情が過剰に深まってしまった。これを愛情というか、同志愛というか、微妙なものだけど。娘の初聖体拝受式の日に、まるで彼女の成長を認めたくないかのように猟銃を撃ちまくる(カトリックへの鬱憤もあったのかも知れない)。そして娘を一個の他者として認めざるを得なくなったときに、猟銃は自分に向けられる。式の時は「父が私のために来てくれた」と喜ぶ娘、ラストでは「フランス語の授業はさぼれんかね」とまで言う父を残して娘は去る(娘にすがるような父のこの言葉に私は泣きそうになった、喫茶室のシークエンスが本作の白眉)。式の時は一緒に踊るけど、ラストで踊っているのは別の新婚カップル。娘は行方不明になったときベッドの下ではらばいになっていたけど、父は行方不明になったあと川岸で冷たく横たわっている。二人は相似形を作ったり対称形を作ったりしながら孤独を呼応しあう。だからどうしたほうがいい、と説教しているわけではなく、映画はただ見つめている。なのにこの父は強烈に印象に残る。80年代初めに紹介された映画でオメロ・アントヌッティぐらい名作率の高かった俳優はなく、喫茶室の場はあの石くれのような彼だからこそ泣けてくるのだろう。
[映画館(字幕)] 9点(2009-08-29 11:09:34)(良:1票)
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