2. エクソシスト
こけおどしの天才、フリードキンの面目躍如といったところでしょうか。30年たった今でも、そのテーマや内容、娯楽性は一向に色褪せることはない。実際、オカルト・ムービー数あれど、この作品を凌ぐ映画がどれほどあるだろうか。この映画で美術・撮影・特殊効果の果たした役割は大きいし、マイク・オールドフィールドの不安感と緊迫感を煽る音楽もよい。また演技派のフォン・シドウやバースティンをメインキャストに配置しているところも、監督のセンスのよさが伺える。だが何より、この映画の一番の功労者は、リーガンを演じたリンダ・ブレアではない。彼女にとり憑いたパズズの声を吹き替えた、マーセデス・マッケンブリッジその人である。オーソン・ウェルズをして「ラジオ最大の女優」と言わしめた、彼女の表現力なくして、この映画の成功は有り得ない。ブレアの声そのままなら、きっと爆笑ものだったに違いない。 8点(2003-02-02 17:11:30) |