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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2594
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ナポレオン・ダイナマイト
推しの“アイドル”が、自身がボーカル&ベースを務めるバンド名に「PEDRO」と名付けた理由が、今作に登場する主人公の唯一の友人の名からとったと知り、鑑賞。 ああ、なるほど、彼女がその名を付けた意味がよくわかった気がする。  さえない容姿、さえない友人、さえない家族、さえない生活、人生は往々にして“クソったれ”だけれど、それでも人生は、何かささやかなきっかけで、いくらでも光り輝く。 その輝き方は人それぞれで、他人の“眩しさ”と比べてみたって意味はない。  決して劇的な存在でなくとも、自分にとってはかけがえのないモノは必ず存在する。 それは、気になる同級生かもしれないし、転入してきた友人かもしれないし、下手くそなマンガかもしれないし、荒削りな音楽かもしれない。  そう、人生に必要なのは、ささやかだけれど何にも代え難い心の“拠り所”なのだ。  この青春コメディ映画は、国籍や年齢、性別にとらわれない普遍的な人間の馬鹿馬鹿しさと、それに伴う愛らしさをオフビートなユーモアの連続の中で、ワリとストレートに伝えてくる。  スクールカーストの底辺で、日々フラストレーションを溜めつつも、自分の“在り方”をブラさない主人公は、決して格好良くはないけれど、不思議な魅力を備えていた。 そして、前述の友人“ペドロ”をはじめ、主人公の周囲を取り巻くキャラクターたちも皆独特でクセが強い。 彼らが織りなすおかしな人間模様は、アメリカの片田舎の開放感と閉塞感が入り混じったような何とも言えない空気感も手伝って、どこか哀愁めいたものも感じる特異な喜劇を構築していた。  久しぶりにこの手のアメリカンコメディを観て、何だかフレッシュな気持ちにもなり、満足度は高い。 明らかにお金がかかっていないチープな映画だけれど、ランチの皿で表現したオープニングクレジットの愛らしさからも伝わってくるように、愛着を持たずにはいられない作品だった。  「VOTE FOR PEDRO」のTシャツ欲しい。アレを着て、「PEDRO」のLIVEに行きたい。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-02-25 22:31:53)
2.  ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記
ニコラス・ケイジ扮する歴史学者兼冒険家の主人公が、米国史に隠された陰謀と宝を追い求めるシリーズ第2作。 “当たり屋”覚悟で暇つぶしに観た一作目が意外に面白かったので、立て続けに鑑賞に至った。 もうこうなると、主人公をはじめとする主要キャラクター達に愛着が生まれてしまっていると言ってもいいかもしれない。  一作目では、ニコラス・ケイジ自体が主人公のキャラクターを探っている節が中盤まで見受けられたが、二作目になり“ベン・ゲイツ”というキャラクターをノリノリで演じていることが見受けられる。善し悪しは別にして……(ゴールデンラズベリー賞ノミネート)。 冒頭、バッキンガム宮殿で、ヒロインと罵り合うシーン等では、ニコラス・ケイジらしい過剰な演技プランが個人的にはウケた。  ストーリーは、リンカーン大統領暗殺事件に祖先が関わっていたという汚名を着せられた主人公(一家)が、先住民族の隠された黄金を探し、一族の汚名を晴らそう!というちょっとよく分からない展開が繰り広げられる。 現職大統領にもちょっかいを出しつつ、例によって謎が謎を呼び、主人公チームがことごとくそれを解いていくというくだりの連続。 王道というよりはベタな展開の連続なのだが、そこそこのアクション性と軽妙な台詞回しによって、飽きないつくりにはなっていると思う。  リンカーン暗殺者の日記の切れ端だとか、歴代の大統領に受け継がれた秘密の本だとか、よくありそうな題材ではあるけれど、やっぱり男心がくすぐられてしまう。  続編において主人公の「母親」登場!なんてくだりもベタの範疇だろうけど、必然的に大物女優の登場を期待して、「ヘレン・ミレン キター!」となると、映画ファンのテンションは上がってしまうもの。 前作に引き続き出演のジョン・ヴォイトとヘレン・ミレンによる“老夫婦アドベンチャー”にも、本筋ではない味わい深さがあった。  突っ込みどころはそりゃ満載だが、そんなこと気にしていたら“ニコラス・ケイジ映画”は楽しめないよということをある意味雄弁に語る娯楽大作と言える。
[インターネット(字幕)] 6点(2013-06-27 22:39:16)(良:1票)
3.  ナショナル・トレジャー
「インディ・ジョーンズ」と「ダヴィンチ・コード」をごちゃごちゃと混ぜ合わせて、“ニコラス・ケイジ印”でベタンと押し潰したような感じの映画だった。 と言うと卑下しているようにも聞こえるが、個人的には充分楽しめた。 二番煎じ、三番煎じだろうと、「お宝探し」という題材は、いつの時代も娯楽の本流であり、いくつになっても男心はくすぐられるものなのだと思った。  ビジュアル的にも、キャラクター的にも今ひとつ頼りになるのかならないのかよく分からないニコラス・ケイジ扮する主人公だが、なんだかんだとピンチを迎えいつもの“困り顔”を終始携えつつも、次第にキャラが立ってくる。 常に綱渡り状態でありながらも、極めてスムーズに、そして「独立宣言書を盗み出す!」など意外な程にアグレッシブに「謎」を解いていく様が、馬鹿馬鹿しくて良かったと思う。  ニコラス・ケイジが主演で、ジェリー・ブラッカイマーが製作の映画なのだから、そこに「ダヴィンチ・コード」のような下手な神妙さなどは不要であり、大仰に馬鹿馬鹿しく突っ走ったことは正解だ。  必要以上に穿った見方をしなければ、謎が謎を呼びアメリカ建国の歴史をも巻き込んだ巨大な陰謀に繋がっていくメインストーリーも充分に楽しいものだったと思う。 主人公にインディアナ・ジョーンズのようなスター性はないけれど、ある意味現代的なキャラクターだったと思うし、彼の脇に付くキャラクターらによるチーム感が、スター性の不足を補い小気味良かった。  ジョン・ヴォイト、クリストファー・プラマー、ハーヴェイ・カイテルと意外に豪華なベテラン俳優の顔ぶれも娯楽性を助長している  「観る価値なし」と完全にスルーしていたけれど、観てしまえば、すぐに続編が観たくなったのだから侮れない。
[インターネット(字幕)] 7点(2013-05-07 15:40:59)
4.  南極料理人 《ネタバレ》 
終始、南極越冬隊の生活感をゆるーいテンションで淡々と描いた映画で、その表面を覆ううすぼんやりとした感じが、中盤に退屈感を呼び起こしてしまったことは否めなかった。  しかし、そのうすぼんやり感は、あくまでこの映画の表面的なものに過ぎず、よくよくと思い返せば、そこには各人物の人生における葛藤や、極地生活で小さいながらも確実に生じる心の闇、そして張りつめた精神がふいに崩れる様などもきっちりと描かれている。  そうして任務を終え、日常生活に戻っていくラスト。このラストについても、あくまで淡々としており、やたらに盛り上げない感じが絶妙だった。 南極での任務期間中、意外に潤沢な食材をフルに生かして、生活環境の厳しさを少しでも忘れさそうとするかの如く、主人公は時に豪華で時に魅力的な食事を日々作っていく。 しかし、映画の中の南極での食事シーンでは、主人公が「ウマい」と発するシーンは一つもない。 それなのに、ラストシーンで家族で訪れた遊園地の明らかに不味そうなハンバーガーを口にするや否や思わず「ウマッ!」を発する。 「食事」という行為の本当の意味の醍醐味を如実に表した、この映画に相応しいラストシーンだったと思う。  冒頭に述べたように、映画として若干間延びをしてしまっている印象はある。南極観測基地という極端に閉鎖的な環境を生かして、もっとタイトにまとめて欲しかったとも思う。 芸達者な舞台出身俳優が揃っているので、このまま舞台化したなら、かなりの名舞台作品になる予感を持たずにいられない。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-05 23:44:33)(良:1票)
5.  9-ナイン(2007)
レンタルショップで何気なく陳列されていたパッケージを手に取り、何気なくレンタルしてみた。 意外な“掘り出し物”だったと思う。日本では劇場未公開だったようだが、個人的には断然好きな映画だと言える。  「SFサスペンス」とジャンル分けされていたが、果たしてこの映画が「SF」であるかどうかは懐疑的だ。確かに捉えようによってはそう言えなくもないが、やはりそれよりはもっと超越したものを対象とした話だったと思う。 サスペンスであることは間違いないので、ストーリーの詳細は避けなければならないが、そういうジャンル分けが難しい部分が、観る人によっては面白味にもなるし、逆に陳腐に捉えられてしまうかもしれない。 おそらく、そういったハリウッド映画には珍しい“不確かさ”が、日本で劇場公開に至らなかった要因かもしれないなと思う。  決して完璧に完成している映画ではない。説明不足な点も非常に多いし、整合性に欠ける部分もある。 しかし、それこそがこの映画の中で終止描かれる「9」の概念であるように思える。つまりは、ほぼ完璧ではあるが、「10」に対して絶対的に完全ではないという存在性。 サスペンスフルな展開の中で徐々にあらわになっていくその哲学に近いSF性にぐいぐいと引き込まれていった。   先日観た「SUPER8/スーパーエイト」から個人的に俄然注目株となったエル・ファニングが出演しており、姉ダコタ・ファニングに劣らないその子役ぶりは圧巻だった。  また、劇中で偶然を演出する誕生日の設定が僕の誕生日と同じだったりして、何となく“運命”を感じる作品だった。  端的に表現するならば、「藤子・F・不二夫のSF短編と、バーチャルリアリティを売りにしたオンラインゲームと、モンスターエンジンの“神々”コントをごちゃまぜに足して割った感じの映画」といったところか…………分かりにくいな。  全編に散りばめられたピースを一つ一つはめ込んでいきながら、たどり着いた「真相」に対して自分が構築した完成図がマッチしているかどうか、あれやこれやとイメージを繰り広げて楽しむべき映画だと思う。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-12 15:12:47)
6.  9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~ 《ネタバレ》 
タイトル通りに、“奇妙な人形”の「奇妙」な映画だった。ただし、その「奇妙」さが、決して映画としての“深み”に直結しているというわけではなく、想像以上に「淡白」な映画と言わざるを得ない。  ふと目覚めたつぎはぎの奇妙な人形、背中には意味深な「9」と文字。「荒涼」と化した世界に降り立ち、謎に溢れた冒険が始まる。 オリジナリティに溢れたクオリティーの高い映像は冒頭から圧巻で、印象的なイントロダクションに期待感は益々深まる。  しかし、そこから繰り広げられるストーリー展開は、王道的というよりもチープ。 破滅した世界に残された9体の人形と、世界を破滅させたマシンとの攻防は、アクション性が想像以上に高い反面、プロットに工夫が無い。  映画としては成立しないだろうが、台詞やモノローグ一切無しで、クオリティーの高い映像をひたすらに流しっぱなしにした方が、よっぽど「面白い」と思わさせるような、中身の無い勿体ない映画だったと思う。
[DVD(字幕)] 4点(2011-02-26 10:35:27)(良:1票)
7.  ナイロビの蜂 《ネタバレ》 
アフリカという広大な大地で繰り広げられる陰謀に対する追求と、妻の死によってさらに深まる夫婦愛の探求。  リアルな世界情勢に裏づけされた重く重要な社会的なテーマと、ロマンティックな夫婦愛を絡ませ、サスペンスフルに描いた構図は巧みだと思う。 現地の空気感をそのままに描き出した美しい映像世界も、観客を引き込むには申し分なくそれだけで価値がある。  ただどうしても合点がいかないのは、主人公の最終的な行動。もちろんその態度は潔く、ある意味における力強さには溢れているが、果たしてそれは最愛の妻が望むことだろうか。「運命」として悟るにはいささか早すぎやしないか。  「美学」と言えば聞こえはいいが、描かれるテーマが現実的であるが故に映画としてのリアリティが無いように思う。  なんだか、結局夫婦としてどれだけのことをこの二人は分かり合えたのだろう?と、核心である二人の関係性にまで疑問が生まれてくる。  それは生前の妻の行動にしてもそうで、いくら夫のことを思うが故にということでも、あれだけ惑わせる要素たっぷりな言動を見せられては、夫とすればそりゃ疑ってしまうというもの。 もう少し夫婦としての関係性について深く描く必要があったのではないか。  まあだけれども、この映画の監督が何よりも訴えたかっであろう世界におけるアフリカの“リアリティ”というものはひしひしと伝わってくる。 ぎらつような美しい映画世界の残酷な現実は、そのままこの窓の外につながっている。そのことを認識したとき、また新たな感情が生まれる。 
[DVD(字幕)] 5点(2010-07-25 10:32:25)
8.  NINE(2009)
劇中、ジュディ・デンチが言う。「映画には歌がなければ」と。そして、御年75歳の大女優が惜しげもなく歌って、踊る。このシーンがこの映画のハイライトというわけではないけれど、その様には映画というエンターテイメントが持つ本質的なエネルギーに溢れていて、彼女が言ったことは正しいと思える。  「シカゴ」のロブ・マーシャル監督が、アカデミー賞受賞俳優たちを豪華に揃えて描き出した渾身のミュージカル映画。それは、ミュージカル映画好きとしては、たまらなく魅力的なイントロデュースだった。  仕事を終えた週末、公開されたばかりの今作をレイトショーで観に行った。  名優ダニエル・デイ=ルイスが演じる主人公の映画監督が苦悩する様を取り囲むように、7人の女たちが入れ替わり立ち替わり現れては、彼の妄想の中で歌い踊り消えていく。 新作映画の制作を目前に控えて、アイデアが枯渇した映画監督の脆く弱々しい優柔不断な様を延々と描いていると言えばそれまでだが、繊細な男の悲哀と葛藤を、ミュージカルという形できちんと描き出していると思う。  主演のデイ=ルイスをはじめ、主要キャストが織りなすミュージカルシーンは、とても丹念に作られ魅力的だ。 ただし、残念だったのは、それらのシーンがあくまで「舞台」上でのミュージカルを撮影という手段で切り取ったという範疇を出なかったことだ。 今作は、ブロードウェイミュージカルの名作を映画化した作品であり、それならば映画化する必要はあまりなく、ブロードウェイのライブの迫力に勝ることは到底不可能だ。  映画化するのであれば、映像世界だからこそ出来るミュージカルの表現を追求してほしかった。  豪華女優陣の“競演”も、それぞれが単独で挑んだミュージカルシーンを付け合わせただけという印象にとどまり、映画としての一体感が無かったように思える。  ただそれでも、冒頭でも記している通り、豪華で実力者揃いのスターたちが歌って、踊る様には、圧倒的な力強さがあり、それだけで充分すぎるエンターテイメントであることは間違いない。
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-22 13:19:08)
9.  NOTHING ナッシング 《ネタバレ》 
社会に爪弾きされた二人の男が、突如「何も無い(nothing)世界」に放り込まれる。 その世界では、自分たちの「意識」によって“すべて”を消し去ることができる……。  「CUBE」「カンパニーマン」の鬼才ヴィンチェンゾ・ナタリ監督が、またもや相当に作り込まれた“異質”な映画世界を生み出した! と、かなり期待が大きかっただけに、少々肩透かしの感は否めない。  この世界は何なのか……?すべてを消し去った後にたどり着くものは……? 特異な世界観に包まれるままに、映画の「意図」を待ち望んだのだけれど、明確な答えは得られることが出来なかった。 奇抜なアイデアから端を発する、綿密なストーリー展開を予想していたのだけれど、監督の狙いはそういうことではなかったようだ。  とにかく“アイデア”ありきで、二人の男の「予想不可能」な可笑しな生活を楽しむための映画だったようだ。 それならそれで悪くはない映画だと言えるが、やはり多くの観客はそういうわけにはいかないだろう。 この監督に期待するのは、そういうものではないからだ。  ただただ真っ白な何も無い世界で、ひたすらに二人芝居を繰り広げるには、ストーリーの踏み込み方が甘すぎだと思う。
[DVD(字幕)] 4点(2009-06-24 15:25:51)
10.  長い長い殺人
WOWOWのスペシャルドラマ企画なので、必然的に“テレビ映画”的な雰囲気は色濃いが、直木賞作家の原作の映像化だけに、ストーリー的なインパクト以上に深みはある作品だったと思う。  多額の保険金が絡む連続殺人を、刑事、容疑者、真犯人……様々な側面から捉えていく構図には、観る者を少しずつ「真相」へ引き込んでいく巧さがあった。 全く別の立場の人間たちの心理描写までしっかりと踏み込んでいくので、単なる謎解きに留まらないドラマ性があったと思う。  ただ、この作品では各登場人物たちの「財布」からの視点というものが共通して描かれるわけだが、映像化の上では果たしてその“試み”に効果があったかどうか疑問が残る。  原作小説を読んでいないので、想像の域を出ないけど、おそらく文体では「財布」からの描写というものが、物語を構築する上で「核」としてもっと効果的に存在するのだろう。  こういう群像ミステリーは、嫌いではない。
[DVD(邦画)] 6点(2009-06-20 21:09:08)
11.  茄子 スーツケースの渡り鳥<OVA>
自転車競技における人間ドラマを見事なアニメ表現で描いた良作「茄子 アンダルシアの夏」の続編……ってこれはなんで劇場公開されなかったのだろう。 前作に負けずよくできた作品だと思う。  自転車に人生を捧げるアスリートたちの精神世界での葛藤と苦悩を、シンプルに、実に巧みに描ききっている。 日本ではなじみの薄い自転車レースの競技としての”熱さ”とそこで繰り広げられる人間模様の“熱さ”が、レベルの高いアニメーションでもってしっかりと伝わってくる。  大泉洋が前作に引き続き主人公の声をユーモアと人間性を溢れた表現で好演している。  劇場公開でないこともだが、もう少し長い尺で作り込んでも充分に魅力的な映画になると思うのだが……。
[DVD(邦画)] 6点(2009-06-20 21:05:52)
12.  ナンバー23
ジム・キャリーが本格的なダークサスペンスに挑む。これはとても期待が大きかった。 ジム・キャリーといえば絶対的なパフォーマンス能力に優れたコメディ俳優であるが、独特の風貌と、存在から発散される特異な雰囲気は、ダークサイドでも輝くと思っていた。 事実、「23」という数字に惹かれ、支配され、崩壊していく主人公を実に妖しく演じきってみせたと思う。  映画自体の雰囲気も非常に妖しく、美的かつ悪魔的な映像世界を創り上げている。 「23」という数字そのものに人間が支配されていくという発想はユニークで、シンプルだからこそ破滅的なストーリー性を持っていると思う。  ただ、そこまで主人公らがひとつの数字にこだわり、呪われていくそもそもの理由が今ひとつ明確ではないため、リアリティという面では事欠いた部分がある。 が、当たり前であるが、これは映画であり、根本的に創りものである。 描き出された世界に一貫したテーマ性と、空気感があれば、それで問題はない。 
[映画館(字幕)] 6点(2009-06-20 21:05:27)
13.  NARC ナーク
期待していたよりも、ストーリーとキャラクターの設定がありきたりだったという感は否めない。あまりにもストーレートな展開には、“隠された真相”を探る秀逸なサスペンスを期待していた者としては少々物足りなかったというのが正直なところ。しかし骨太な刑事ドラマを最初から想定していたのなら、その圧倒的な重量感には満足できたであろう。レイ・リオッタの好演者ぶりは予想できたが、驚かされたのはジェイソン・パトリックである。全米で最もセクシーな俳優として(ほんの一瞬だけ☆)騒がれ、あわよくばスターダムにのし上がろうとした瞬間に見事にその階段を踏み外し、転落していったこの俳優のこれほどまでの豹変ぶりを誰が予想しただろうか。もしかしたら、彼の俳優としての怒涛の反撃をこれから先、幾度となくあびることになるのかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-20 20:34:44)
14.  7つの贈り物 《ネタバレ》 
主人公のベンは、見ず知らずの他人7人に対し、“ある計画”の上で各人の運命を変える“贈り物”を与えていく。 主人公を演じるウィル・スミスの瞳の中に在る決して消えることのない“愁い”が、とても印象的な映画だった。  主人公の「行為」が本質的な意味で正しいかどうか、それを判断することはとても難しい。 別の方法を選択すべきだったとも思うし、本人にとってはそれ以外無かったという決断も理解できる。  自らの中で膨張する思いに耐えきれず、断固たる意志のもとに下した"決意”は、その正当性を度外視して、心が揺さぶられる。 そして、その一連の行動の中で、残酷にも恋に落ち、愛の元で最後のプロセスを実行する様に、涙が溢れた。  この映画は、観客それぞれの価値観において、大いに是非が分かれると思う。 ただ僕は、一人の男がひたすらに苦悩し、不器用で愚かな決断をする姿に、人間の人間らしい部分を感じずにはいられなかった。 物語の美徳的な部分ではなく、そういう人間の不完全さを目の前にし、感動した。
[映画館(字幕)] 7点(2009-05-22 23:48:35)(良:1票)
15.  茄子 アンダルシアの夏
風のように過ぎていく自転車レースに、主人公の過ぎ去った記憶、過ぎ去った時間、そして今尚つづく葛藤が重なり、駆け巡る。短編の中に、自転車レースに身を捧げる一人の男を取り巻く、あらゆる人間のあらゆる感情を、疾走感と共にみせる構成力が素晴らしい。そして、その珠玉の短編漫画を、目立った脚色をせずに短編アニメ映画として完成させた製作側の志にも頭が下がる。そう、この物語に必要不可欠なのは、リアルタイムで展開される男の“勝負”と“感情”なのだ。そこに余計な説明はいらない。故郷の夏がすべてを解放してくれる。
8点(2004-11-12 21:47:53)
16.  ナイン・ソウルズ
冒頭の不潔感漂う刑務所シーンから、ラストの爽快感まで映画としてのバランスは多岐に富んでいて良かった。9人の囚人たちのそれぞれの人間模様を描いていくという構図は面白かったけど、この尺内で描ききるには少々キャラクターの人数が多かったかもしれない。でもそれぞれが乱雑に交し合うセリフの数々には印象深いものが多く、特に板尾創路の演技かギャグなのか分からないような絶妙な一言一言がイイ感じだった。
6点(2004-04-22 12:50:51)
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