1. ニュールンベルグ裁判
《ネタバレ》 これは何もかもが素晴らしいと言わざるを得ません。三時間という長さをものともさせない息詰まる展開。緊迫感溢れる一方で、主演のスペンサー・トレイシーの人柄の良さも感じさせる。バート・ランカスターの威厳に満ちた演技、リチャード・ウィドマークとマクシミリアン・シェルの対決、そして華のあるマレーネ・ディートリッヒ。その他証人役として登場するジュディ・ガーランドやモンゴメリー・クリフトも、出演シーンが僅かながら流石名優というだけあって強烈な存在感を放っています。また撮影のアーネスト・ラズロの緩急を巧みに利用したカメラワークが素晴らしく、特に法廷シーンでの迫力は相当なものです。映画は最後にナチスの悪行から話を乗り越え、世界の"正義と悪"の本質に迫る。非常に意義深い作品です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-26 19:03:56)(良:1票) |
2. 虹を掴む男(1947)
いや~昔から変な映画は存在したんですねぇ、これをリメイクしたくなる人々の気持ちも分かります。ただ問題はマザコンの上に妄想症という特異なキャラクターの主人公に、ダニー・ケイ以上のハマり役がいるのかということと、現代のハリウッドでここまで幻想的な世界観を再び創り上げることが出来るかということです。空想のシーンで度々出てくる「ポケタ、ポケタ…」には笑いました、これからどんな音を聞いてもこれ以外には聞こえなくなりそうです。シットコムなら常に周りから「ハッハッハッ」という笑い声が聞こえてきそうですな。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-24 18:02:55) |
3. 25年目のキス
《ネタバレ》 人気者のヒーローの存在はいつしか忘れられ、現在の栄光はやがて過去のものになる。そんなことをふと悟るプロムの一夜、切ない…。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-05-29 11:55:07) |
4. ニノチカ
ルビッチ版「イースト/ウエスト」。機械人間ガルボが徐々に人間性を取り戻していく様は必見!ソ連の社会主義体制をコケにしているとかそんなことはどうでも良く、自分もまだ見ぬパリに恋焦がれるだけです。 8点(2005-02-27 10:07:03) |
5. 日曜日が待ち遠しい!
これは観ていて凄く楽しい!トリュフォーが描くサスペンスって(そもそもこれがサスペンスなのかどうか定かではないけど)「ピアニストを撃て」なんかもそうですけど、フィルムノワールに成りきれないフィルムノワールという感じで茶目っ気があって、それもわざと狙ってやっているんだろうけど本作はまるでアメリカ映画のスクリューボールコメディのようでとても愛らしかったです。まず不動産探偵というシチュエーションからしてかなり可笑しい。ファニー・アルダンも「隣の女」を観た時はヤバそうな女にしか見えなかったけど、ここまでガラッとスタイルを変えられるものなんですね。早い段階で犯人の目星が付いてしまうのは残念だけど、何の気兼ねもなく素直に面白い!と思えた初めてのトリュフォー映画かもしれません。 8点(2005-01-25 14:32:41)(良:1票) |
6. 25時(2002)
心にズシッとした重みが乗っかかってくる。原作とは多少テイストの異なる映画になったが、そこはさすがスパイク・リーの骨太な演出を見せてくれる。刑務所収監を明日に迫られた主人公、最後の24時間がただ淡々と過ぎていく…。荒涼としたニューヨークの街並みがより一層刹那感を際立たせる。結局は主人公の自業自得でしかないが、これからも自分はモンティとは違い愛する人と一緒に夜を過ごすことが出来るという喜び、そして主人公の決して避けては通れない過酷な運命を痛感した。相変わらずエドワード・ノートンのカメレオン演技には脱帽、個人的にはまたもやフィリップ・シーモア・ホフマンが冴えない駄目男を熱演していたように思う。 9点(2004-09-14 21:25:45)(良:1票) |
7. 二十四の瞳(1954)
《ネタバレ》 次第に消えてゆく瞳の数に、凄まじい郷愁の念を感じる。そして最後には涙…(ホロリ)。 7点(2004-08-26 22:00:21) |
8. 偽牧師
《ネタバレ》 あくまでも中間を歩いていく、それがチャップリン! 8点(2004-08-08 19:09:51) |
9. 2ペンスの希望
《ネタバレ》 イタリア特有のせわしな~い映画。やっと働き口を見つけたかと思ったら恋人カルメラのせいでパーになったり、必死に働いて稼いだ日当を家族に奪われてしまうといった繰り返しはちょっと笑える。実際かなり深刻な話のはずなのに、コミカルな展開になっているためか安心して観られるんですね。このテンポの良さはハマります。それにしてもあんな些細なことまですぐ噂になってしまう村には住みたくないな~、主人公が移住したくなる気持ちも分かるような気がする(笑)。ラストも何の説得力もないのに、見ていて「人生は素晴らしい!」と思えてくる。前向きな映画ですね(^^) 7点(2004-07-27 21:55:20) |