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1.  二十四の瞳(1954) 《ネタバレ》 
木下恵介監督の代名詞的な映画で、日本映画としても名作の一本として数えられている本作。11年前に田中裕子主演のリメイク版を見た時に「いい話だけどなんか古臭くてイマイチだなあ。」と思ったこともあって、なかなか手が出なかったが、今回やっと見た。なんだろうなあ、リメイク版では特になんとも思わなかった小豆島の風景やそこに暮らしている人々の営みがとても叙情豊かに綴られ、もうそこで引き込まれてしまった。そして、高峰秀子演じる大石先生が自転車に乗って颯爽と登場するシーンも最初から何やら暗い表情だった田中裕子の大石先生とは違って明るくはきはきとしている。この冒頭部分でもはやリメイク版との差がはっきりとしている。リメイク版と比べるとゆったりとした流れではあるが、その分、大石先生と十二人の子供たちとの絆がより強調されていて、だからこそ後半の戦争に駆り出されていく男子五人を見送り、病気で臥せっているコトエを見舞う大石先生の姿に感情移入することが出来るし、後半の大石先生はことあるごとに泣いているが、こちらも思わず「何もしてあげられないけど、一緒に泣いてあげる。」と劇中の大石先生の言葉をそのまま大石先生に返したくなるほど泣けた。劇中音楽を唱歌で統一したこともこの物語の感動をより深くしており、「仰げば尊し」や「浜辺の歌」など聴いているだけで涙が出てくる。一年生の時に浜辺で撮った写真も出てくるたびに切なくなり、ラストの同窓会のシーンで戦争で失明したソンキ(岡田磯吉=田村高廣)が写真を指で追いながら誰がどこに写っているかを挙げていくシーンでもうこの写真の中の二十四の瞳はもう全員揃わないんだと思うと泣けて泣けて仕方ない。戦争さえなければ、時代が違えば、この同窓会にはもちろん全員が出席でき、大石先生も夫や娘を亡くすことはなかったろうにと思うと凄く切ない。木下監督はここに戦争の儚さ、虚しさといったメッセージを込めているのがひしひしと伝わってきて、これが反戦映画と言われている理由もよく分かる。そしてまさにこの映画は普遍的なメッセージ性を持ったいつまでも語り継がれていくべき不朽の名作と呼ぶに相応しい映画だと思う。最後にもうちょっとだけ言わせてもらえれば、これを見てしまうと田中裕子版がいかにもつまらない映画のように思えてしまう。(好きな方、ごめんなさい。)大石先生は高峰秀子、高峰秀子、高峰秀子、誰がなんと言おうと高峰秀子以外に考えられない。
[DVD(邦画)] 10点(2010-05-06 15:05:41)(良:1票)
2.  人間の條件 第四部 戦雲篇 《ネタバレ》 
第四部。今回の見どころはなんといってもクライマックスとなる終盤の戦闘シーンだろう。戦争映画の大規模な戦闘シーンの場合、バックに壮大な音楽を流してシーンを盛り上げる演出が多いと思うが、そうせずに淡々と描く小林正樹監督の演出と梶を演じる仲代達矢ら俳優陣の迫真の演技のおかげで逆にリアルで緊迫感のある戦闘シーンとなっていて見ごたえじゅうぶんだった。この戦闘シーンを含めて上等兵になった梶の苦悩や、少尉として梶と再会した影山の運命など今回も重い展開。とくに発狂した小野寺兵長を梶が殺すというラストは偶然そうなったとはいえ、かなり衝撃的だった。このことで第二部のラストで楊春蘭が言っていたように本当に「鬼」になってしまった梶。(劇中、自分自身で言ってる。)あとの2本がこの先、どうなっていくのか見るのがちょっと怖い気もする。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-18 23:18:53)(良:1票)
3.  人間の條件 第三部 望郷篇 《ネタバレ》 
老虎嶺から軍隊内へと舞台が変わった第三部。第二部までと比べてかなり重く、軍隊内でのリンチなど前作までの捕虜虐待以上に壮絶だった。今回は劣等兵である小原二等兵が自殺に到るまでの経緯がとても悲痛に描かれ、見ていて痛々しいのだが、そんな小原に思わず感情移入してしまい、この小原のエピソードはとても印象に残った。小原を演じる若い田中邦衛も後の「若大将シリーズ」で見せるコミカルな青大将・石山とは全く違う内向的なキャラクターを見事に演じていて素晴らしかった。そして、梶に会うためにはるばる訪ねてきた美千子が梶との一夜を過ごす場面も切なくて悲しい。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-12 14:48:31)
4.  人間の條件 第二部 激怒篇
第1部では重い内容の中でも梶が妻といるシーンだけは雰囲気が和んでいたが、この第2部ではその二人のシーンすらも重くなり、梶が人間として苦悩する姿など第1部に比べて見ていてかなり辛い。高をはじめとした脱走を企てたとされる捕虜たちが処刑されるシーンは直接的な残酷な描写がないにも関わらずショッキングに感じた。それでもほとんどが重々しいシーンばかりの辛い内容なのについ引き込まれてしまうのは第1部に続いて完成度の高い作品という証拠だろう。この第2部では梶の妻・美千子の悲しみがよく描かれており、また演じる新珠三千代もその悲しみをうまく表現する名演を見せており、素晴らしい。以前、小林正樹監督が男性的な作風の監督であると何かで読んだことがあるが、この作品の美千子を見ていると、やっぱり脚本担当の松山善三共々木下組出身ゆえか女性の描き方もうまいと感じる。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-04 20:34:47)
5.  人間の條件 第一部 純愛篇
小林正樹監督が五味川純平の戦争文学を映画化した6部作、上映時間の合計が9時間半という超大作の第1部。本当にこれは日本映画なのかと思うくらいに日本人による中国人捕虜に対する迫害がリアルに描かれていてビックリ。捕虜たちに対し非道な扱いをする現場監督 岡崎役の小沢栄太郎や所長役の三島雅夫の演技も憎々しく、「シンドラーのリスト」ほどではないが、それに近いものを感じてとても重苦しく辛かった。でも、普通、日本の戦争映画ではまず取り上げないような日本人の負の歴史を目を背けずに真正面から堂々と描いているところは感心させられる。下にも書いておられる方がいらっしゃるが、この第1部だけでもじゅうぶんに見ごたえがあるし、傑作だと思う。あと5作、たぶん回が進むにつれて重苦しさが増して来るんだと思うけどぜひ最後の第6部まで見てみよう。
[DVD(邦画)] 8点(2008-05-27 14:29:23)(良:1票)
6.  日本橋(1956) 《ネタバレ》 
市川崑監督の初のカラー映画となる泉鏡花原作の文芸映画。主人公の芸者 お考(淡島千景)の恋愛模様や、ライバルの芸者 清葉(山本富士子)とのバトルなどが描かれていて一見すると王道を行く女性映画なのだが、市川監督らしい変化球演出もある作品になっている。しかしそういった市川監督の演出と作品自体の世界観がうまくマッチしなかった印象が強く、映画としては正直イマイチ。冒頭に幽霊を出してホラー風味を加えるのはいいとしても、熊の毛皮を来た赤熊(柳永二郎)のウジをアップで撮っている意図がよく分からない。赤熊の異様さを表現したかったのかもしれないが、こういう表現をすると単なる変質者のストーカーにしか見えず逆効果だと思う。それに葛木だけでなく赤熊も柳永二郎のようなおじさんではなくもっと若々しい俳優のほうがよかったのではと思えてしまい、この時点で既に失敗しているような気がして、巡査役の船越英二と役柄が逆のほうが良かったと本当に思う。それからしっとりとした前半に対して後半がちょっと急展開すぎるのもバランスが悪い。本来市川監督はこういうジャンルは不得手という印象はないだけに本作はどこか空回りしているのが残念。ただ、お考と葛木が出会う夜の橋のシーンは良かった。ところで、本作は市川監督にとって「処刑の部屋」の次の作品で、主演だった川口浩がチョイ役で出演しているが、子供たちと一緒に若尾文子にちょっかいを出すガキ大将の役というのはギャグにしか思えない。
[DVD(邦画)] 5点(2014-06-12 18:05:27)
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