21. 男はつらいよ 寅次郎夢枕
ヴィヴァルディの「四季」をはじめ、クラシック音楽がいくつか登場する。どうもいつもと違う。変だと思っていたら大学の助教授まで登場。 さらに変なのは、いつもはふられてばかりの寅さんが逆にふってしまう。お千代さんがかわいそう、寅さんのことをあれだけ理解してたのに・・・。 シリーズのこの映画を異色作と思うかどうかは分かれるところ。最初見たときは何とも思わなかったが、シリーズを通してDVDで改めて見ると、「チャンスは大事にせろよ」と言いたくなる。 前半で田中絹代が出るが、これだけ? もったいない。 [映画館(邦画)] 6点(2011-09-06 05:59:39) |
22. 男はつらいよ 柴又慕情
寅さんシリーズで最初に見た映画。「男はつらいよ」は人気映画としてシリーズ化されていったが、渥美清さん演じる寅次郎には何となく抵抗があり、見るのをずっとためらっていた。この映画は、まさに吉永小百合さん目当てで見た映画である。 吉永小百合さんは歌手として女優として人気絶頂にあり、多くの男性が熱を入れていたと思うし、私もその端くれだった。 映画を見ているうちに、寅さんに対する偏見は見事に吹き飛んでしまった。吉永さんの魅力もあったのだろうが、寅さんの周辺にいる人たちが何と言っても良い。妹役の倍賞さんについては、「家族」「故郷」「霧の旗」の山田洋次映画でそのすばらしさを知っていたので文句なかった。 この映画の翌年、吉永さんは15歳年上の男性と結婚した。そのとき、「泣け、サユリスト」と見出しが付いていたのを今でも覚えている。 [映画館(邦画)] 7点(2011-07-16 12:17:41) |
23. 男はつらいよ 寅次郎恋歌
何かいつもの寅さんらしくなかった。池内淳子さんは良い女優さんだけど初めから寅さんに合わない気もする。 前半のお葬式シーンは妙にシリアス、諏訪家を中心にした別のドラマができそう、それにしても志村喬さんの存在は凄い。 [DVD(邦画)] 5点(2011-07-15 23:07:23) |
24. おかしなおかしな大追跡
《ネタバレ》 この早口で喋りまくり、スピーディに展開するコメディ、いわゆるスクリューボール・コメディというものだが、その代表作と言えば「赤ちゃん教育」ハワード・ホークスである。そのハワード・ホークスに敬意を表して作られたのがこの映画だ。 この映画は若い頃映画館で見たものだが、そのときは深いことは知らずただおもしろかったという印象しか残っていなかった。 何十年か後、「赤ちゃん教育」などのスクリューボール・コメディを見た後、DVDでこの映画を再鑑賞した。DVDには主役のストライサンドや監督のボグダノヴィッチの解説があり、映画の進行とともに語られているので、実にその様がわかる。 バーブラのコメディはお手のもであり、ライアン・オニールは初めてのコメディだったそうである。特にライアンは「ある愛の詩」を撮ったばかりであり、その変容ぶりには監督自身が驚いたそうである。私ももちろん・・・。 ところでサンフランシスコはさすが坂の街ですね。これまた改めて感心。 [映画館(字幕)] 7点(2011-07-03 22:10:28) |
25. 男はつらいよ 奮闘篇
《ネタバレ》 寅さんも第3作以降渡世人ぽくっていまいちと思っていたが、ここで久しぶりのヒット(だと思う。)いつもの馬鹿さ加減もほどよくセーブされ、世話好きで人情味のある寅さんになっている。 映画2作目の出演となる榊原るみが、津軽から出てきた少女(一番若いマドンナ)を好演している。寅さんも女性の方から結婚を持ち出されたのは初めてであり、訳ありとは言えいじらしかった。 その他久々登場の実母お菊さんや妹さくらさんの、寅さんを心配する心もひとしお、この映画には心打たれてしまった。 「緑は異なるもの、味なるものよ」は私もさくらさん同様わからなかったが、博さんはさすがだった。 [DVD(邦画)] 8点(2011-06-30 21:28:09)(良:1票) |
26. 男はつらいよ 純情篇
シリーズの中では地味だけど、落ち着きがあって味のある映画だと思います。その雰囲気を醸し出しているのが若尾文子さん、どこか他のマドンナとは違う、さすが大映を背負った名女優だと感じさせてくれます。 それと何と言っても、ラストのさくらとの別れのシーン、「故郷とは・・・」と言いつつ、列車のドアが閉まる、名シーンだと思う。 また宮本信子さん、森繁久彌さんもこれだけで終わってしまうのがもったいないくらい。 [DVD(邦画)] 6点(2011-06-08 07:36:39) |
27. 男はつらいよ 望郷篇
前半部のヤクザっぽさが強いのは好きではないが、汗と油にまみれて地道に働きたいという寅さんの決意は今度こそ本物ではと思わせる。事実豆腐屋で働き始めたときは順調だったし、マドンナの長山藍子に対する気持ちも、今回は勘違いだけではすまされない。むしろ長山さんの方に対して鈍感さを感じるくらいだ。 さて、前半部の見所は蒸気機関車デコイチ、SLファンには見逃せないだろう。 [DVD(邦画)] 6点(2011-06-07 21:12:25) |
28. おもいでの夏
《ネタバレ》 映画はさほど有名でないかもしれないが、音楽は秀逸である。おそらく一度聴いたら耳から離れないのではあるまいか。ミシェル・ルグランの音楽が否が応でも、情感を盛り上げ、いかにも「おもいでの夏」というイメージを作り上げている。 さて映画はまさに青春まっただ中、はち切れんばかりの性に関する興味、好奇心。それを下品にならないように気をつけながらも、実直に描き出している。それがもっとも顕著に出ているところが、コンドームを買いに行くシーンであり、映画館での出来事だろう。そして後半は、主人公の少年と若い未亡人の「ひと夏の美しい想い出」に・・・。 この映画を見たときは、私はすでに少年時代を卒業し、人妻ジェニファー・オニールと同じ年齢であったが、それでも心にしみる映画であった。早速レコードを買い求め、すり切れるほど聴いたのは言うまでもない。 蛇足ながら、映画館で少年たちが見ている映画は、1942年の映画、ベティ・ディビスとポール・ヘンリードの共演による「情熱の航路」という映画である。 [映画館(字幕)] 7点(2011-05-30 18:09:01) |
29. オリエント急行殺人事件(1974)
子ども時代にこの小説は読んでいて、映画が公開されたときも、それほど期待して見た映画ではなかった。しかしながら豪華なキャストと巧みな人物描写はさすが映画である。ほぼ原作通りに進行し、結末がわかっていながらも、なお引きつけられる魅力があった。この映画を結末を知らずに見たら、どんなに素晴らしかっただろうかとも・・・。 ただ、列車の中にいてラチェットの過去までを暴き出すというのは、いかにポアロといえどありえるのかなと思った。もちろん小説がそうなっているのだが・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2011-05-25 14:57:36) |
30. 男はつらいよ フーテンの寅
《ネタバレ》 監督が山田洋次でなくても、脚本は山田洋次、やっぱり寅さんである。シリーズをすべて見たわけではないが、これほど人情に厚く浪花節っぽく、それでいて馬鹿さ加減が目立つ寅さんがあっただろうか。それだけにあきれ果てる場面も多く、いやがられる面も多々あると思う、無理もない。 しかし照れくささに店のすぐそばから電話をかけたり、余興の「花笠道中」で「お志津」と叫んだり、マドンナだけでなく春川ますみや香山美子にも良いところを見せたりするなど、見所はたくさんあると思う。 新珠三千代さんは気品があり、寅さんと一番年齢が近いマドンナだった。蛇足ながらこの新珠三千代さんの恋人になるまったくのちょい役吉井さんは、テレビの水戸黄門シリーズで歴代2位の出演を誇る高野真二さんである。 [ビデオ(邦画)] 6点(2011-04-29 10:19:51) |