21. オペレーション・チェックメイト
《ネタバレ》 地味にかなり面白い作品。脚本が単純ながらよく練ってあって見応えがあります。 安っぽい演出が最初のうちは気になるかもしれませんが、見ているうちに気にならなくなります。 メインキャストの二人、モンハウプトとダヴィッド・アスマンを演じる二人の役者さんがかっこよいのも◎。 美術商でありチェスの名手でありプロの泥棒のモンハウプトと、それを追うダヴィッド・アスマンは、どちらも知能指数が高そうで、相手の裏をかきまくります。その心理戦、頭脳戦がなかなかスタイリッシュでアツイ。 また、アスマンの弟や、やられキャラの女警部など、脇を固めるメンツも個性があって良いですね。特にアスマンの弟は良心の塊のような存在で、心があったまります。 軽妙なセリフまわしもおしゃれで好きです。 派手さはありませんが、手堅い作りの隠れ良作の部類に入るでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-28 14:04:22) |
22. オーロラの彼方へ
《ネタバレ》 タイトルから純粋なヒューマンドラマを勝手にイメージしていのですが、実際はサスペンス色の強い娯楽ムービーでした。 後半に進むにつれて、サスペンス色はどんどん強くなり、『交信』はもはや犯人を出し抜く裏技を使うためのギミックと化してしまいます。ただそれによってエンターテイメント性の高い作品へと昇華されたのはまぎれもない事実。どちらかといえば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に近い、B級エンタテイメントのノリかもしれません。 こういうアイデアは『パラレルワールド』になるという考え方が一般的になってしまっているので、過去の行動が変わることによって現在に突然影響が出始める演出は、気にしないようにしてても、どーしても違和感を禁じえません。 『父親が死ぬ』⇒『母親が仕事を休んでかけつける』⇒『医療ミスにより殺人鬼死亡』という本来の道筋が、『父親が生きている』⇒『母親は通常通り出勤』⇒『医療ミスを防ぐ』⇒『殺人鬼が殺人を継続』⇒『母親死亡』という道筋に、未来が書き換えられてしまうという、わかりやすく面白いプロット。つまり決してつまらない作品ではないのですが、題材が自分には合わなかったみたいです。 『記憶の設定』に一貫性がないところも気になって仕方がない。本作では『記憶』に関する部分が、本来最もデリケートで難しいはずなのに、そこんとこのルール設定が非常にあいまいなのは辛いところ。 万人受けするのもわかりますし、見ていて飽きないのですが、気になる点が多すぎて物語に集中しきれませんでした。 ってゆーか邦題により変な先入観持たされたのが一番まずかったかもしれませんね。 ついでに言うなら、父親が助かった代わりに、死ぬはずではない運命だったナイチンゲールが一人だけ殺されたままです。もしその人の子供や家族が30年後の未来にいたとすれば、その人たちの存在や未来は大きく塗り替えられてしまったわけです。 そういった事実があるかもしれない一方で、自分達だけハッピーエンドっていうのはいかがなものでしょうかね。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-18 05:11:40)(良:1票) |
23. オー・ブラザー!
《ネタバレ》 地に足がついていないふわふわしたストーリー。寄り道が多すぎる作品は苦手。本筋から離れすぎないでほしい。変にファンタジーな雰囲気やテイストを挿入しすぎるのも好きじゃないです。いろんなエピソードが伏線なしで唐突にやってくるのも苦手です。まるで、『思いつきで出てきたエピソードを、適当に切り貼りしてみました。その結果、こんな作品になりました。』って感じに見えるのです。実際はそうでないと思いますが、『鑑賞者側がそう見える』ってのが問題なんです。 したがって、個人的にはこの作品、とても面白いとは思えません。映画としての醍醐味も感じられません。コメディとしては笑うところがない。サクセスストーリーとしてはカタルシスが足りない。ドラマとしてはストーリー構成が散漫すぎて話にならない。ロードムービーとしては、同じような風景ばかりのうえ、警察の人間がすぐ追いついてきちゃうので、全然遠くまで逃げてきたって感じがしない。 更に言うなら、時間の流れが不明瞭なのも、集中力を削がれる原因の一つです。 全体的にしまりが無さすぎでゆるすぎます。 ストーリー、脚本重視の方、ドラマに整合性を求める方にはとてもオススメできない作品です。ほんとに、何を楽しむ作品として作られたのか教えてほしいです。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2015-04-13 02:55:03) |
24. オゾンクライシス
《ネタバレ》 パニックものとして定石を踏んでいて、なかなか面白いです。 冒頭の飛行機のシーンから既に深刻な状況が伝わってきます。結構怖い状況がいきなりきます。 今作はとにかくスピーディーな展開が良いですね。波打ち際に打ち上げられるザトウクジラに始まり、鳩の暴走、湧き出る虫、病院に担ぎ込まれる人々など、パニックものの醍醐味を味わうことができます。 また、登場人物の役割もはっきりしていて、それぞれのスペシャリストがそれぞれの分野で真剣に異変と向き合おうとする様子が大変良いです。気象学者しかり、パイロットしかり、病院関係者しかり。で、こういう作品では必ず足を引っ張るやつもいるわけで、不自然なくらいに足を引っ張ってくれます。 マイナーな作品の割りには、きっちり見たいものを見せてくれる映画です。それに、本作を見た後で、今現在オゾンホールってどうなっているのか気になるくらいですから、自分にとってはそれなりに影響力のある作品となりました。 今作は、映像面、ストーリー構成において、造りが粗い部分が確かにあります。つっこみどころはもちろんあるでしょう。ですが、個人的には十分許容範囲内で、あまり深く考えずに最期まで見ました。 個人的にはオススメできるレベルの、暇つぶしエンタメ作品に仕上がっています。 [DVD(字幕)] 7点(2015-01-23 13:56:17) |
25. オフィスキラー
《ネタバレ》 なかなかシニカルなホラーで興味深く拝見させていただきました。 切断した指をつきさした時計の針や、おもちゃのように扱う手首などゴア描写も結構なものです。死体で作り上げていく地下のマイルームは狂気の最先端をいっていますね。 本作ではまっさきに犠牲になりそうなキムが、あまりに会社に適応できていないがために逆に助かるというストーリーがなんとも皮肉が効いていて面白いです。 被害者たちは共通して、ドリーンに選ばれるだけの資質を備えていることが重要です。それでいて、ドリーンに対してパワハラやったり、陰で悪いことやったりしていることも大事なポイントになります。つまり、ドリーンにとって殺すに値する人物である一方で、殺した跡にマイオフィスを彩るのに相応しい人物でもあるということが大事なんです。 つまりキムは殺すにも値しない人物。一回邪魔になって殺されそうにはなりましたが、結局殺されず不採用。お母さんは勝手に死んじゃいましたが、オフィスにはいらないので不採用。パパの存在がうやむやにされてしまった感はありますが、回想シーンだけで考えるならば、きっと性的虐待でも受けていたんでしょう。それがドリーンという究極のアンバランス人間を生み出しちゃったっぽいですね。 きっと低予算な作品だと思うんですが、安上がりのB級ホラーとして格付けしてしまうには、捨てがたい何かがあります。ただし、その面白さはまごうことなきB級レベル。人に勧められるほど面白くはないってのが悲しい。 音楽も個人的には好みじゃないです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-01-01 08:15:36) |
26. 大いなる遺産(1998)
《ネタバレ》 前半が良かった。良すぎたといってもいい。 だから踊りながら大人になった二人を見たときのがっかり感が半端なかったです。 念を押しますが、グウィネスとイーサンが悪いとかミスキャストとか言うわけではなく、10歳のフィンとエステラが完成されすぎていたのです。 どうしても前半と比較してしまうと、後半の二人は有名な役者さんということもあり、子供時代にあった神秘性が影を潜めてしまったのが残念です。 後半はストーリーにも問題があります。作成者側の自己満足で終わるような自己陶酔型のストーリー展開や演出は好きではありません。 子供時代から高校生、漁師、NY、パリ、帰郷と壮大なスケールで描くラブロマンス。この壮大なスケールで描くドラマタイプの作品では、個人的に説得力のある動機付けがないと物語にうまく入り込めません。『ジョーとの絆を断ち切らなければ成功できない。』『エステラがウォルターの求婚を受け入れた。』『アーサー・ラスティグが全財産を投資して援助していた。』物語の核心部分の、各主要人物の行動の必然性が全然伝わってこないんです。 はっきり言って、冒頭からラストまで、ひたすら雰囲気押し一本で説得力に欠けます。 NYの自室でエステラを描く時の音楽と映像の一体感。手をはうてんとう虫。水飲み場のシーン。はっと目をひくシーンも多い作品なだけに、それが本作の作風なのかもしれませんが、ストーリーに魅力がないのが残念です。 [DVD(字幕)] 5点(2014-07-21 06:07:42) |
27. 踊れトスカーナ!
《ネタバレ》 これって、万人に愛されそうな雰囲気とイメージの作品ですが、あきらかに通好みの映画だと思います。私は残念ながら自他ともに認めるミーハー代表ですので、このストーリーがありそうで、実はそんなもんないってゆー映画が超苦手なんです。眠くなっちゃうし。 それに、出てくる人達が変な人達ばっかりで、どうもついていけません。妹のキャラとヴィジュアルが最初生理的に受け付けなかったんですが、後半はなんかもの凄くまともな人に見えたのが不思議。そんで、かなり苦手だったのが、主人公に熱烈ラブコール送る脱税女。特にレストランのシーンはもう勘弁でした。フィクションのキャラに空気読んでって思うとは思いもしませんでした。ハンターの男も気持ち悪い。テーブルたたくのも気にいらない。 なんか、見ていてつまらない、退屈だって思ってしまうと、普段だったらスルーするようなところも気になってイライラしちゃうのかもしれません。 悪いことばっかり書いちゃいましたが、面白いシーンもありましたよ。「癇癪持ち」のTシャツとか、彼女に怒鳴られた瞬間イスをたたんで出て行くシーンとか。でもなんか面白いシーンが単独でちょいちょい出てくるだけなんです。一つの映画作品としては、決して面白いものではなかったです。 [DVD(字幕)] 3点(2014-04-19 04:22:39) |
28. オーメン4<TVM>
《ネタバレ》 1作目と2作目は観賞済みです。 3作品の中では、これが一番好きかもしれません。 少し軽めのタッチになっていますので、誰が見ても楽しめる初心者向けホラーサスペンスになっています。 だからといって決して退屈な内容ではありません。 今回割りと犠牲者が多く、テンポが速いです。 また、人によって好みが分かれるかもしれませんが、「超能力カフェ」での一連の出来事や、「毒蛇事件」では、演出が上手なのでそれなりに恐怖感をあおられます。 全体的にミステリー要素が加わっているのも良い感じです。よく考えればわかることなのですが、意外な人物がディーリアの協力者だったりします。 ラストのオチはあれがベストだと思いますね! 使命感では母性に勝てないってことですよね。 まあそれであの結論に達するのは早計すぎて説得力に欠ける気もしますが、そこは深く追求しません。素直に後味の悪さを楽しみます。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-30 15:12:05) |
29. 狼たちの絆
面白い。面白い。おーもーしーろーいー。 最高です。最高です。さっっっっっいこうです。 ストーリーに10点!アクションに10点!コメディに10点!テンポの良さに10点!小ネタの多さに10点!サプライズに10点!キャラの個性に10点!ノリに10点!すごく友だちに見せたくなったので10点!DVD欲しくなったので10点! 合計100点です!!! え?10点までしかないの? じゃあ限りなく100点に近い10点です! [DVD(字幕)] 10点(2012-05-30 02:54:37) |
30. 狼の血族
どう観るのが正解だったのか全然わからない [DVD(字幕)] 0点(2012-04-01 18:01:08) |
31. 狼男アメリカン
《ネタバレ》 前半のゴシックホラー調の雰囲気と、ラスト20分は楽しめますが、中盤は余計なシーンに時間を割きすぎていて、眠くなります。 「アイドルハンズ」を先に見ていなければ、ジャックの再登場は結構新鮮だったかもしれません。 地下鉄で襲われるシーンはかなり好きです。襲われそうにない現代文明の公共施設内で襲われてしまうところが最高です。 [DVD(字幕)] 4点(2012-03-26 12:32:25) |
32. オーメン2/ダミアン
《ネタバレ》 インパクトに欠ける。 丁寧なつくりですし、結構な頻度で人も死にますし、音楽も良い。工夫もされていると思います。でも、なんかつまんなかった。 一言で言うと「物足りない」映画です。 とりあえず、超能力みたいなもんで殺しちゃうのが台無し。 [DVD(字幕)] 3点(2012-03-07 10:25:48) |
33. オーメン(1976)
《ネタバレ》 とうとうあの有名な「オーメン」を見ることができました。「ファイナルディスティネーション」に似ているなーと思いました。少なからずこの作品から影響を受けている気がします。 個人的には「ファイナルディスティネーション」のほうが日常的で好きです。 映画として完成度は高く、見応えがあります。ですが、「ホラー」ではなく「オカルト」というジャンルであれば、やはり洋画より邦画のほうが面白いかな。 家政婦が首をつるシーンは最高に良かった。 個人的に一番怖かったのは、墓を掘り返すシーンです。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-04 16:21:54) |
34. オール・オブ・ミー/突然半身が女に!
《ネタバレ》 気楽に楽しめる優良コメディです。 スティーブ・マーティンは苦手なのですが、この映画では見事に役とマッチしていて楽しめました。 最初は自分勝手で、横柄なエドウィナにイライラしますが、いつの間にか彼女を応援しているので不思議です。今となってはよくあるパターンの映画かもしれませんが、それをふまえても面白い。特にコメディの中にも、ちょっとした人間ドラマや、プチサプライズ、プチサスペンスも用意してあって話が二転三転するので最後まで飽きずに見られます。バランスが良く、時間も短めなので、隠れた良作でした。 ここのレビューを見ていなかったらこの映画の存在すら知らなかったと思います。見ることができて良かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-07 11:11:47) |
35. 女と男の名誉
《ネタバレ》 最初の30分くらいは、人物関係がよく分からないうえに、退屈で眠くなります。ただ、30分過ぎたあたりから、事件・トラブル次々発生。主要人物たちのかけひきも始まって、急に物語が展開し始めます。この辺りから、ずいぶん映画にはまり込んでいきます。 主人公のチャーリーがドンの相談役のパルテナの息子という絶妙なポジションなのが面白い。また、ファミリーの利益をや損失、リスクをめぐっての駆け引きに、私怨がちょいちょい混じってくるのも面白い。 最後は切ない締め方ですね。チャーリーはシャワー浴びながら泣いていたのでしょうか。メイローズに電話していましたが、「それでいいの?」と思ってしまいます。 ・・・いつの間にか感情移入しています。こんな中年マフィアのラブサスペンスに感情移入できる日がくるとは。苦手なジャンルの映画なのに、楽しみました。 ただ、タイトルはださい。核心をついているようで、ちょっとはずれているし。 [DVD(字幕)] 8点(2011-11-13 04:07:53) |
36. オールウェイズ
《ネタバレ》 ピートの死語、アルがドリンダを連れて行こうとした時のジョン・グッドマンとホリー・ハンターの演技が最高に泣けます。ジョン・グッドマンの「俺が唯一好きになった男だ。」のセリフに、涙をこらえながら、せきをきったように涙があふれだすホリー・ハンターの演技が重なります。たまりません。 肝心のピートは死後ひたすら孤独です。 死後、生きている人のために霊感になり、かけた言葉がその人の心の奥底に届くような発想は斬新で面白いと思ったのですが、よく考えるとひたすら孤独です。最後まで救われることがないことがわかっているストーリーは見ていてひたすらせつないです。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-24 13:42:41) |
37. 追いつめられて(1987)
《ネタバレ》 最近見たサスペンスの中では一番緊張感がありました。 ラストのオチは確かに強引ですね。読めなかったというより、そのオチはつじつまが合っているのでしょうか。スーザンの事故は想定外のはずなのに、まるで作戦の一部みたいに見えてしまいました。 ただ、一見無駄に長すぎるような前半40分は、あって良かったと思います。この40分で、かなりトム・ファレルとスーザンとデビッド・ブライスに感情移入できました。このタイプのサスペンスは、一人称で見ることができるか、三人称で見てしまうかで、面白さの質は全然違ってくると思います。僕は前半40分の下ごしらえがしっかりできていたので、すっかりトムファレルの視点で映画を見ることになりました。おかげさまで超ハラハラしました。ボート貸しだけでなく、ボーイまでたたみかけて出てきてくれたおかげで、緊張しっぱなしでした。本当に面白かった。 [DVD(字幕)] 9点(2011-09-17 23:31:09) |
38. 乙女の祈り
「乙女の祈り」というタイトルは秀逸だと思います。クリスマスにメラニー・リンスキーが日記帳をもらうシーンが2度ありますが、1度目に日記帳をもらうときの精神状態と、2度目にもらうときの精神状態の落差が凄い。最初は家族にも愛情を向けていた心理が、少しずつケイトウィンスレットに偏り始める。そして、2度目に日記帳をもらうシーンで、完全に精神が破綻していることをわかりやすく印象付けています。実話に基づいているだけに、この映画にはある種の予防線というか警告のようなメッセージ性も感じます。「さまざまな形で思春期の心理状態の変化を見つけることができます。親御さんは気をつけましょう。」 [DVD(字幕)] 8点(2011-07-08 13:01:49) |
39. おじさんに気をつけろ!
電子レンジで洗濯物を感想させているシーンは最高に良かった。少し「妹の恋人」のジョニー・デップを連想してしまいました。はちゃめちゃなように見えて、実はしっかり者のおじさんですね。 [DVD(字幕)] 8点(2011-07-07 14:15:53) |