1. 思い出のマーニー
《ネタバレ》 杏奈が人形を抱いているシーンはひっかけだったらしい、マーニーは杏奈が小さい頃抱いていた人形かと思い込んで前半を見ていた。かと思えば、七夕祭りのトラブルで重要なヒントがバッチリ出されているとか、後から考えたらいろいろ仕組まれていたなあと苦笑。杏奈があまりにもかわいげのないキャラクターだったので、逆に悔しいほどぐいぐい物語に引き込まれてしまった。ただ、彼女が夜間出歩くという設定は、かなりマイナスポイント。魅力的な大岩夫婦が、預かった12歳の女の子の夜歩きを叱責しない、無責任な大人に見えてしまうからだ。暗くなるシーンが来るたび (何時に帰る気だ!?)とヒヤヒヤするわ、雷を恐れるあまりかマーニーの口から唐突に和彦の名が出たために、幻想のサイロ内でさらに二重の幻想が盛り込まれるわ、マーニーが杏奈と突然別れねばならないタイミングの必然性がよくわからないわと、つまりファンタジーの部分がもろもろ整理しきれていないので、観ているこちらも気持ちよく浮遊感 (現実を離れることの解放感) を味わえない。最大の混乱は、杏奈自身がマーニーは自分の空想の女の子と認識していること。なのに、サイロで置いてきぼりにされたと動揺したり、激怒してマーニーを責めたりするから、彼女がこの金髪の親友をどう信じているのか、わけがわからなくなり、「もちろんよ、許してあげる!」という熱弁を聞いてわけがわからないまま感動して涙を流す羽目に。煙に巻かれながら泣かされるこちらの身にもなってほしい・・・・・・。(でも、視聴してよかったと思える作品だった) [DVD(邦画)] 6点(2015-09-13 00:09:00)(良:2票) |
2. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 雪の子供時代の声をあてた大野百花ちゃん、うますぎる! 怒ったりすねたり吠えたり笑ったり、これ以上の喜怒哀楽をどうやって表現すればいいのかってくらいガンガンくる。また雪自身が青大将を腕にまきつけたり、小動物の骨を集めたり、面白すぎて最高。一方、巣立ちのときを迎えた雨の方は、人間界を選んだ姉と違い、10歳ではや成獣となる。遠吠えをするおおかみ姿のりりしいこと! 2人の子供たちをいつまでもずっと見ていたかった。また花は、うかつにもおおかみおとこと同棲して、子供も産んで、子供の正体を隠す子育てを選んだため、批判されても仕方ないかもしれないが、彼女がいなければ、おおかみおとこは永遠に、誰とも触れ合えなかったかもしれない。社会的にハンディを負っている人々にとっては、彼女のように苦労を恐れず人生を受け入れてくれる人は、何ほどにも代えがたい存在に違いない。それに、子供たちの正体をさらすということは、世間の差別と戦うこと。シングルマザーの子育てに、そんな余裕など絶対ないと断言できる。成長後の子供たち自身がカミングアウトの選択を持つ方がいい。私は、人や獣を問わず惜しみなく愛を与える花が好きだ。雨も、雪も、命を散らしたおおかみおとこも、この家族が本当にいとおしい。 [DVD(邦画)] 9点(2015-07-12 22:50:18)(良:1票) |
3. 女はみんな生きている
途中からリスベット・サランデル(『ドラゴン・タトゥーの女』)がゲスト出演してきたかと思った・・・・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2014-02-24 10:56:44) |
4. おとうと(2009)
《ネタバレ》 姉はきっぱり否定したが、再婚を考えるほど好きな人がいたに違いない。それに気づいていた弟も、実は人一倍傷つきやすいタイプだったのではないか。姉は母のような母性愛で弟を愛し、弟は姉を母のように大好きだった・・・・・・これがこの作品の要だと思う。 [DVD(邦画)] 7点(2012-07-07 22:30:59) |
5. オープン・ウォーター2
《ネタバレ》 溺れる心配の無い室内で視聴していれば、つっこみどころは満載、彼らのおバカぶりに呆れるほかないが、決して海に入らない女性が船上にいるとわかっているから、4人のうち少なくとも夫は安心して梯子の有無など確認しなかったのだし、前作と違って全員素泳ぎ。体の冷えはすぐにくる。携帯の奪い合いも、彼らがスーツやボンベを背負って浮きやすい状態でいたなら、あんな愚かなパニックは起こさなかったろう。立ち泳ぎで体力の尽きる不安、冷え、船内に乳児、怪我人続出など、経過時間に脅かされれば、視野や思考回路も狭くなる。落ち着いて考えれば安易に見出せる救出法や、体力維持の方法も、助かりたい一心で闇雲にもがけば何も見えなくなってしまう適例だと思う。これを海難事故と限らず、人ごとと思わずに、自分が生死を問われるような立場におかれたとき、どれほど落ち着いて行動できるか、ふだんから考えておくべきだ。 しかしこの海難事故の最大の原因は、「海は危険だ」という認識を持って、航海を終えるまで気を抜かず常に緊張感を保っているべき人間が、ヒロイン以外誰もいなかったことだ。たとえ梯子を下ろしていても、万一にそなえ全員が海に入るべきではない。船上に唯一上がれたのが彼女だったのも、感情的に納得できる。(しかし、乳飲み子を抱えた船上のレクリエーションなど、私なら絶対に避ける!) [DVD(字幕)] 7点(2008-12-08 09:49:34)(良:1票) |
6. オープン・ウォーター
《ネタバレ》 最初に出てきたクラゲでぞっとさせられたが、これが序章だったとは。波酔い。冷え。空腹。脱水症状。痙攣(こむら返し)。眠気。雷鳴とどろく夜間の恐怖。サメの被害に到達するまで、こんなに試練があったとは! 海に漂う恐怖を思い知らされる。地上(屋外)でひと晩過ごすにしても、これほど体力が消耗することはないだろう、つくづく人間とは陸上の生き物なのだ。ラスト近くで地上の映像が少し出たが、どれほどほっとしたことか。それに、天を覆う雲が気になって仕方がなく、時間の経過を示す数字と、次第に黒ずんでゆく空の陰りに、「こんな状況で夜になったらどうするんだ!」とずっとハラハラさせられた。 特に音楽もないし、技巧的なものを極力排して撮られているので、もの足らない人もいるだろうが、漫然とした時間の経過がいかにも本物の重み、凄みがあって、ドキュメントタッチの方が私には数段怖い。目前の他人の災難をどうすることもできず見ているしかないという疑似体験になった。船を返す前に、ボンベの数を確認しなかったインストラクターに心底腹が立つ! 実話ということだが、被害にあった人があまりにも気の毒で胸が痛い・・・・・・ [DVD(字幕)] 9点(2008-11-24 10:56:55) |