1. お熱いのがお好き
《ネタバレ》 時代が変わり、笑いのツボが変わり、若い頃に観て大笑いした人が中年になり、年をとって何度見直してもやっぱり楽しいコメディの大傑作だと思います。観る度にこの作品が大好きでたまらない人と10人くらいで集まってお酒でも飲みながらこの映画の楽しさを語り合いたくなりますね。「ジャックとトニーの掛け合いがやっぱ最高でしょ!」「僕はダフネが求婚されて浮かれて踊ってるシーンが一番笑ったなあ!」「ワタシは夜汽車のパーティーが楽しかったなあ!」「俺はマリリンが可愛くて最高だった!」「あの二組のデートの夜も楽しかったんじゃない?」「そうそう!」「分かる、分かる!」なんてね。一晩中でも盛り上がれそうじゃないですか!これはそんな映画だと思います。ダフネさん、ジャック・レモン・ファンの僕にとってはいくら女装して裏声で話してもその笑い方で一発でレモンさんだと見破りますよ!そして永遠のセックスシンボルなんて称されるマリリンですが、僕にとっては本作でもみせてくれるようにやっぱり可愛くてチャーミングなマリリンなのです。あの見事なまでにあっけなく素晴らしいラストまで最高のテンポの良さで楽しませてくれるワイルダーの見事な脚本と語り口。10点満点です。 [DVD(字幕)] 10点(2009-06-04 00:09:41)(良:1票) |
2. 大いなる西部
《ネタバレ》 原題”the big country”、邦題「大いなる西部」そのままに、アメリカも、世界も今よりずっと広かった頃の西部のダイナミックな、どこまでも続く大地と空が印象に残る作品です。 東部からやってきた知性と強さを兼ね備えたマッケイを演じたグレゴリー・ペックがカッコよすぎです。誰にも見られない場所と時間に荒馬を乗りこなしたり、スティーブとの決着を付ける。男は黙って・・・の世界。 決闘や抗争に勝った者が水を得るのではなく、皆で貴重な資源を共有するという彼がもたらす新たな考え方。マッケイの婚約者のその後が忘れられてしまっているのは残念ではありますが、見る者も、本作の西部の開拓地の一部の人間も次第に垣間見える彼の男気、勇気に惹かれていく。 テリル家とヘネシー家は共に一家の大黒柱を失った。虚しさも感じますが、この土地は次第にマッケイの考え方、彼がもたらす新しい価値観が浸透し発展していくのかもしれない。それは次第に西部の開拓地の至る所でも。こうしたこともアメリカの歴史の一部なのでしょう。3時間近い長尺がそれ程気にならない西部開拓の地の人間ドラマでした。 [映画館(字幕)] 7点(2011-10-16 14:20:51) |
3. 女はそれを我慢できない
マリリン・モンローと並び50年代を代表するセックスシンボル、ジェーン・マンスフィールドに目が釘付け!のゴキゲンな当時のヒットナンバーに乗せておくるとても楽しいラブコメです。 共にブロンド美女でそのダイナマイトぶり、甘ったる~い話し方、それでいて可愛らしさがある。そして2人とも若くしてこの世を去っています。マリリンとジェーン、共通項の多い2人ですが、(ゴージャスさではジェーンが凌駕していますよ!)マリリンの方が数年早く世に出てきたんですよね。 マリリンと比較するとジェーンは語られる事も少なく忘れられたスターのような存在ですが、もしジェーンの方が数年早く世に出ていれば、ジェーンがマリリンのポジションにいたのかもしれませんね。 お話は至って無邪気なラブコメ。マリリンの50年代の「百万長者」「紳士は金髪がお好き」などもそうですが、この頃のコメディの持つ雰囲気に彼女達のキャラクターが見事にはまります。 本作ではジェーンが町を歩けば男達は仕事の手も止まりみんな彼女に釘付けになる。彼女がそばを通れば氷屋の氷が溶け出して、アパートのオッサンは彼女を見た衝撃で眼鏡にひびが入る。また、音痴のジェーンが歌えば衝撃で電球が割れる。この頃のコメディのこんないい意味での無邪気さは今に見ると、とても楽しく微笑ましく感じられるのです。 [DVD(字幕)] 7点(2011-04-10 15:40:32)(良:2票) |
4. 王子と踊子
チャーミングなアメリカン・コメディエンヌ、マリリンとシェイクスピア俳優の英国紳士、オリヴィエ。 本作で2人が演じる役は自由奔放な踊り子と欧州某国の大公殿下。 この2人のスターの持ち味や醸し出す空気も、演じる役の2人が住む世界もあまりにも違うのですが、だからこそのコメディとなっています。 基本的にはドタバタ劇なので監督も兼任したオリヴィエには分が悪くなってしまった感じがしますが、 衣装も素敵だし歌も歌ってくれるし、マリリンのチャーミングな魅力は全開。 ただ、本作の舞台裏を描いた「マリリン 7日間の恋」を見た後に本作を見ると何とも言えない気分になる作品でもあります。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-11 21:39:42) |
5. 俺たちは天使じゃない(1955)
《ネタバレ》 デ・ニーロとショーン・ペンが脱獄犯を演じたリメイクは昔見ていまして、このオリジナルは初めての鑑賞です。脱獄犯を主人公としたユル~いコメディということ以外、ここまで全く別物のストーリーとは思いませんでした。この時代のコメディにある無邪気な空気は好きだし、3人組と善良な雑貨屋一家のクリスマス映画らしいほんわかした空気も良かったです。のんびりした前半と比べると後半は話が大きく動きます。クリスマスものとしては、その中に死が絡む展開が残念なのですが、リメイクのデ・ニーロと同じく、ボギーが肩の力を抜いてとても楽しそうに演じていたのが印象的でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-09 21:21:15) |