1. パルムの僧院
《ネタバレ》 長尺でしたが長さを感じる事無く完走。色男ファブリスのヘタレ身勝手ぶりもジェラール・フィリップが演ずると「仕方ないか・・」と思うのが自分でも不思議。そんな彼を一途に愛した二人の女性に惹き込まれ、とりわけ、公爵夫人を演じたマリア・カザレスの芯の通った存在感が素晴らしい。ヘタレを助ける為にゲスに身を捧げるシーンが圧巻。添え物にしか見えなかった民衆の反乱は無くても良かった一大恋愛絵巻を堪能しました。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-05 03:28:56) |
2. 犯罪王ディリンジャー(1945)
《ネタバレ》 実話ベース。社会の敵№1と言われたジョン・ディリンジャーの銀行強盗人生が描かれています。尺が短過ぎる事もあって冒頭ニュース映画そのままの、出来事がサラ~ッとなぞられているだけの奥行き無い展開で感慨湧かず。ただ、チンピラにやりたい放題されている当局の信じられない無脳っぷりに腸が煮えくり返る。 人の命がかかっているのに!しっかり仕事せんかい! 腐れ裏切り者のアシストを得なければ面目を保てない恥の上塗り模様に、結末の爽快感がカケラもないところであります。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-19 12:43:53) |
3. パームビーチ・ストーリー
観終わってからでもオープニングが意味不明。列車内ドタバタ劇はゲス共の下劣さにゲンナリでクスリとも出来ず。エンディングにも白けるばかり。お目当てジョエル・マクリーはこんな役どころは向かないとガックリ。ヘンな味わいがあったハッケンサッカー3世に点数の全てを [DVD(字幕)] 4点(2022-07-04 16:17:54) |
4. 廃墟の群盗
練り上げられた起承転結どこをとっても見応えたっぷり、魅入ってしまった画の美しさも特筆もの。リチャード・ウィドマークはデビュー2年目にしてあの「フェフェフェ」笑いを炸裂させる狡猾キャラが抜群の存在感。グレゴリー・ペックありきな脚本と割り切れば白ける一歩手前で超オトコマエな小悪党を堪能出来ます。グーパンチ一閃でペックをダウンさせたアン・バクスターのキラキラした美しさも印象深い。「約束とは」を見せてくれた名匠ウィリアム・A・ウェルマンの快作。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-05-04 20:49:45) |
5. 白痴(1946)
1951年版と比較して ジェラール・フィリップ ≦ 森雅之 エドウィジュ・フィエール = 原節子 リュシアン・コエデル < 三船敏郎 日本版の圧倒される迫力には欠けるものの、洗練された作りで分かりやすく飽きる事無く楽しめました。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-12-14 14:39:44) |
6. パラダイン夫人の恋
ラトゥール登場シーン以外にヒッチコックらしさが微塵も感じられないのに驚いています。巨匠監督で超豪華な俳優&一流スタッフを揃えても脚本が素人が書いた糞粗末な代物だとこんなにも酷い作品になる事が記憶に残りそうです。脂肪がつき過ぎてギョッとするお姿ですが、艶のあるお声での語り口が余人には出せない味わいのチャールズ・ロートンに点数の全てを。彼が終始醸し出す気だるく投げやりな雰囲気は演技なのか素なのか気になるところです。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-02-09 12:06:05) |
7. 春の珍事
珍妙な題名通りの珍作。野暮なツッコミは封印して観れましたので、楽しいひと時を過ごさせてもらえました。何より全編を通してのギスギスしていない大らかさが心地よい良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 19:29:33) |
8. 晴れて今宵は(1942)
《ネタバレ》 アステアの歌とダンスは通常運転で流石の一言。リタ・ヘイワース24歳、美し過ぎる容姿に目が釘付け。デュエットシーンでの二人の笑顔に、肉体的にきついはずだろうに、必死な顔を一瞬たりとも見せないのに感じ入りました。この二人以上に圧倒的な存在感であったアドルフ・マンジューの憎めない傍若無人ぶりが印象的。八方丸く収まるエンディングの心地良さに+1点。 [DVD(字幕)] 8点(2020-10-28 01:59:13) |
9. 白昼の決闘
バカップルに始終イライラし、決闘模様に止めを刺される。「何じゃこの脚本!」余りにもお粗末な脚本にリリアン・ギッシュ、ライオネル・バリモア、ウォルター・ヒューストンを起用した超絶罰当たり行為腹が立ってしようがない。 [DVD(字幕)] 3点(2019-07-29 01:05:16) |
10. 犯人は21番に住む
犯人デュランは誰なのか? ミモザ館の住人全員胡散臭く最後まで分からなくて分かった瞬間のアッと驚く見事な演出に唸らされる。コメディとサスペンスの塩梅が絶妙な傑作で、監督初期作品にしてこの出来栄えは巨匠ならではで感心しきり。 [DVD(字幕)] 9点(2019-06-17 01:30:12) |
11. ハイ・シエラ
《ネタバレ》 ハンフリー・ボガートがハイシエラに立て籠もるシーンに「死の谷」が浮かびました。鑑賞後、本作をラオール・ウォルシュ監督がセルフリメイクしたのが「死の谷」なのを知る事に。出世作となったボガートの魅力は感じたものの、起承転結は元旦早々から涙したリメイク作には遠く及ばない。崖から転げ落ちる最期のスタントマンの仕事ぶり(あれで生きてられるのが凄い!)に+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-06-12 01:30:21) |
12. 犯罪河岸
「恐怖の報酬」の監督&ルイ・ジューヴェ出演という事で映画館のはしごをして鑑賞。ジェニィの華のあるパフォーマンスに見惚れ、モーリスのどことなしの屈折感に見入る。お待ちかねのルイ・ジューヴェ演ずる警部は、先に観たマクラウド刑事のような、コロンボ警部のような強烈なキャラクターで存在感ありまくり。追い詰められた3人の運命や如何に! 手に汗握った身にとって、「ヘッ?」椅子からずり落ちそうな結末に、これでいいのかよくないのか考えさせられました。 [映画館(字幕)] 7点(2019-01-13 23:15:50) |
13. 灰色の男
《ネタバレ》 ジェームズ・メイソン初期作品は現代にも通じる見応え満点の傑作ドラマで彼の魅力も満載。 俳優キャリアに於いて屈折した貴族役の元祖とも言える「灰色の男」とロンドン社交界で忌み嫌われているロハン公爵。身に纏う衣装が実にノーブルで溜息が出まくり。 お家の体面第一で妻を子孫繁栄の道具にしか見ていない単に情の無い男であって変質狂には当てはまらず肩すかし感が強かった(-1点)のですが、最後の最後で残忍な気質を爆発させる「真っ黒な男」に恐怖で顔を覆った指の隙間から見る羽目に。また、初めて見るど突き合いファイト(お相手は宿敵?スチュワート・グレンジャー)はかなりの迫力で、恒例の replay time でウットリと。 男性二人が物語に深みを加えていましたが、主役はマーガレット・ロックウッドとフィリス・カルバートの女性二人であり、魔女と天使の出会いからそれぞれの最期まで名演も相俟って共に哀れを誘います。粋で余韻を残すラストがこれまたお見事。 [DVD(字幕)] 9点(2018-08-14 21:18:03) |
14. バグダッドの盗賊(1940)
1940年製作のイギリス映画での映像美は、映画の旧称が活動写真と言われたのを思い起こさせる動く写真の魔力をまざまざと見せつけられるもので心底惚れ惚れしました。孫が小学生になったら是非とも一緒に観たい、それまで自分が元気でいなければ、その為にすべき事をし、してはならない事をしないようにしなければと痛感させられた作品。 [DVD(字幕)] 9点(2018-06-17 20:40:09)(良:1票) |
15. ハムレット(1948)
今作のローレンス・オリビエにかけた期待がハズレでガックリ。表情から喜怒哀楽が滲み出ておらず、立て板に水の如く放つ台詞に何の重みも感じられない。というか監督・脚本・主演としてのナルシスト臭が鼻についてしまって、まさかメル・ギブソンに劣るとは思わなかった。オズリックがピーター・カッシングに似てるなぁと思ったのがその通りだったのが唯一の収穫。 [DVD(字幕)] 4点(2018-05-27 20:49:01) |
16. 白熱(1949)
従来の手のつけられない凶暴さにマザコンと病気持ちの要素が加わりギャグニーのオーラが全開。彼をも凌ぐ性悪な母親と嫁の存在が作品を引き立たせています。対する司直も潜入捜査官を始めとする理詰めな面々で、追い詰めてゆくまでのテンポと切れの良い展開には惹き込まれました。なので、そこからクライマックスまでの攻防で、足掻くギャグニーと嫁、捜査官との絡みでもうひと捻りが足りない点が何とも惜しいところです。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-12 14:16:40) |