1. バービー(2023)
《ネタバレ》 米公式Twitter(現X)のやらかしで違う意味で有名になってしまった作品ですが普通に面白かったです。グレタ・ガーウィグの作品が好きというのもあるでしょうが。 バービーランドの非現実的な描写はあまり気にならずに「現実世界」とのうまい描き分けがなされていたし、序盤にケンが感じていることやバービーランドでの男の扱いも「でもこれって現実世界での女性も同じだよね」という感じで嫌味などなく自然な感じでした。 社会での女性の地位と女性進出というテーマですが「結局男って女の子にチヤホヤされたくて格好つけてバカな生き物なんよねw」という点を見事についてる点や「仕切るのって全然楽しくない(でも見栄っ張りだからしないといけない)」っていう男の8割方にグサグサ刺さるセリフがあって「それなーw」という感じでした。 でもちゃんと非現実の世界でも「変化」を許容できるようになる展開や自分らしさとか関係なくて自分は自分ということを言っていてフェミニズム云々とか抜きにちゃんとそうした点を描いていて良かったですし、何より散々いいこと言っておいてラストよっぽど前を向いた感動の話を用意してるんだろうなーと思わせておいて「婦人科に来ました!」で、「そう来るかw」と思い、最後まで皮肉が利いてるぜ!と思わずにはいられませんでした。 [映画館(吹替)] 7点(2023-08-13 21:40:08) |
2. #マンホール
《ネタバレ》 人生の絶頂にある主人公がバチュラーパーティ後に酔ってマンホールに落ちてしまい、そこから何とか這い上がろうとするが、というシチュエーションスリラー。 初めから警察呼べばいいんじゃないか、とか思うのですが、後半というか終盤のネタばらしを見るに、あまり警察などにかかわるとボロが出る可能性があるので踏ん切りがつかなかったのではないか、思いました。 ところどころ「そうはならんやろw」とはなるのですが、SNSを使ったやり取りや、ラストに至る展開などだれてきたなーと思った頃に展開していくので、最後まで楽しめました。 [映画館(邦画)] 7点(2023-03-10 22:24:26) |
3. パッション(1982年/ジャン=リュック・ゴダール監督)
《ネタバレ》 バカなんでよくわかりませんでしたパート2。 ドラクロワやレンブラントの求めた「光」を映画的に再現しようとする撮影隊とそれにかかわるあれやこれやが並行して描かれる作品。 ストーリーをまじめに考えてしまうと余計訳が分からなくなってしまうのですが、とにかく映画的に再現された絵画世界がとても印象的な作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-04 20:05:20) |
4. はなればなれに
《ネタバレ》 パリ郊外に住む叔母の家からたっぷりの原生を強奪するために男女三人が三角関係気味になりながらあれやこれやするって、ストーリーだけ見ると全然つまらないんですが、物語と全然関係ない部分が非常に楽しいのでついつい見入ってしまいます。 「ストッキングに穴が!」と言って下向かせた間に自分の飲み物を相手のグラスにブッ込むとか、一分間の沈黙、と言って本当に画面から音が消えたり、ルーブル館内を全力疾走したり、非常にテンポが良くって、エンタメとして楽し作りをしていました。 それでいて、お決まりの男女の車のシーンからのラストのくだりの演出とかなかなかニクいなあぁと思いました。 ゴダールは正直あまり得意ではありませんし、序盤は結構退屈で「これつまんないなー」とか思っていましたが、全然そんなことない作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-01 04:33:33) |
5. 春のソナタ
《ネタバレ》 エリック・ロメールですので劇的な展開も急速な盛り上がりも派手なスコアももちろんないです。 出てくるのは大体拗らせてる人ばかり、会話の内容もアカデミックというよりペダンチックで、お国柄なのかと。 しかし、なぜかその会話の応報というか流れが心地よく、不思議と退屈しないで観られてしまうんのもロメールマジック。実に不思議な作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-13 12:09:01) |
6. バズ・ライトイヤー
《ネタバレ》 トイストーリーの1作目おをはるか昔に観たような記憶が…?程度の前提知識で観ているので、果たしてスピンオフとしてどうなの?とかは言えませんが、一つの作品として自分はとても面白かったです。 基本的に主人公側はみんなドタバタして、単純な任務ですらまっとうにこなせないようなありさまで終始それが続いてフラストレーションがたまるのは確かですが、「自身のコンプレックスから新人が嫌い」なバズが、そんな仲間と一緒に過ごすことで、自分のプライドや過去の贖罪を吹っ切って前を向こうとするという成長を描くのにいい設定だと思いましたし、「それって結局何に使うん?」みたいな小ネタや「5分稼いだよ」の伏線もちゃんと回収していたし、何よりもよく画が動いており、観ているだけで楽しかったです。 あんだけ予告で流れたスターマン流れないんかい!という感じですが、まあァ歌詞の内容的に流れないだろうなーと思っていたので、ある意味予想通りでした(笑) [映画館(吹替)] 7点(2022-07-31 00:53:18) |
7. バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版
《ネタバレ》 ドラマ版は未見、原作小説は10年くらい前に読んだきり、という状況でしたが別にドラマ版を観ていなくても原作読んでなくても十分楽しめる作品でした。 舞台は日本で登場人物もホームズ、と言うわけではないけど、うまい具合にローカライズされていてよかったです。 あえて言えば、ネタばらしの回想ちょっと長くね?とは思いましたが、十分面白い作品でした。 [映画館(邦画)] 7点(2022-06-29 02:10:22) |
8. パペット・マスター3/ナチス大決闘
《ネタバレ》 細かいところで整合性なくね?とは思えど、冒頭映画違うんじゃねーかと思えるしたい蘇生実験のグロテスクさやナチスを絡めたことで当社比1.3倍くらい物語に面白みが出た点はいいと思います。 なんだかんだ今回も楽しめました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2022-03-23 20:19:00) |
9. パペット・マスター2
《ネタバレ》 前作で助かったのに結局バッドエンドかよ!とかそういうツッコミはあれど、それはホラー映画にはつきもの。前作以上に個性的な人形やグロテスク度も上がって面白かったですが。前作はかりそめの主人、そして今回は創造主本人から「お前らいらんわw」認定された人形は不憫でしょうがありません(笑) まあトゥーロンのキャラ変わってるじゃん!と言うのはありますけど。 [ビデオ(字幕)] 6点(2022-03-23 20:16:47) |
10. パペット・マスター(1989)
《ネタバレ》 この度レストアされて円盤が発売されたので十数年越しに観ることが叶いました。 まあ正直いに言うと、冒頭のトゥーロンの自殺のくだり長くね?とか、説明がふわっとしすぎてよくわかんなくね?と言うのはあれど、個性的な人形たちは愛嬌ありますし、終盤に一気に加速してグロテスクなシーンをぶっ込んできたりとなんだかんだとても面白い作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2022-03-23 20:14:10) |
11. ハロウィン II(2009)
《ネタバレ》 オリジナル版というか本家よりもゴア度アップ、精神世界入り乱れての描写やモンスター然としたマイケルはこれはこれであり、というかスラッシャー映画的には好きですが、ハロウィンという作品で考えると、「これはマイケルではないよね?」というのが個人的な意見です。 もちろん今回の残虐に殺しまくるマイケルというかシリアルキラーは好きですが、オリジナル版のマイケルというかブギーマンって、知らない間に後ろにヌッと現れて殺していくというサイレントキリングが恐怖だったのにこれじゃあただのジェイソンもどきだよなーと(とか言いながらこれとは違う〜KILLSもかなり豪快に殺してるので一概には言えませんが)。 あとはロブ・ゾンビの演出というか映像の好みの問題。ホラー好きなのはわかるんですがMVのような演出など含めてホラー映画における彼の映画はやはり個人的には「合わない」と思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2022-02-26 04:53:38) |
12. バトル・ヒート
《ネタバレ》 設定は96時間のような感じ、しかしあちらのように「娘を奪還したらハッピーエンド」というようなものではなく、復讐のまた復讐、そしてどこかで生きているであろう娘を探して最後は旅に出る、というある種の地獄めぐりのような感じなので清々しさはあまりありませんが、今なお世界中で行われている人身売買について考えさせられるような内容でした。 アクションですが、中盤のトニー・ジャーとマイケル・ジェイ・ホワイトとの対戦はなかなか見もの、ドルフ・ラングレンとの対戦は、年齢のせいかカット割が激しくてちょっと残念ではありましたが、それでもなかなか見応えあるものでした。 新旧アクションスター共演、という割にはそれほど能天気に楽しめる作品ではありませんでしたが、それでもなかなか面白かったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-02 17:46:54) |
13. パルムの僧院
《ネタバレ》 スタンダールの小説が元ということですが未読。クリスチャン・ジャックに作品はこれの他に「花咲ける騎士道」を観ましたが、あちらが軽快な剣戟アクションなのに対しこちらはとにかく重厚感たっぷり。 パルム公国を舞台に、政治的策略や革命の動き、ドロドロの恋愛模様がうまく溶け合って、、、いるかどうかは怪しい設定。序盤に一気に出てくる人がどーんと出てくるので誰が中心人物か、メインヒロインかを把握するのが大変でした。 結構ストーリーの方も、ほとんどが三角関係というかドロドロの人間関係と策略の応報でややこしさ極まりなく、「貴族」という身分が家名を守っていかなければならないので仕方ないんですが、主人公ファブリスを含め大公や警視総監はじめほとんどの連中が私利私欲のために動いているろくでもない連中ばかりなので、なかなか感情移入さうることは難しかったです。 ただ、なんだかんだ言って、冒頭の1枚の金貨がしっかり後半の伏線になったり、少ないながらも剣戟アクションや脱獄のシーン、終盤の革命シーンやカメラワークがなかなか凝っているシーンもあったので、3時間近くの長さもそれほど感じませんでした。 [DVD(字幕)] 7点(2021-12-29 16:27:39) |
14. パリ、テキサス
《ネタバレ》 ストーリー運びはスローテンポ。加えて美しい画とスライドギターの名手、ライ・クーダーの劇半がとても心地よい作品。 物語に共感できるか、と言われると、自分勝手な男女に振り回された弟夫婦などがとにかく不憫で、そこの決着はつけないのか?という感じですが、そもそも話の主体がそこではないので、これでよかったと思います。 親子の溝を道の両脇で表した演出や、ミラー越しに映る自分の影と彼女の顔を合わせて「決して交われない存在」を表した演出なども素晴らしかったですし、ラストも、拗らせ男の彼なりのケジメ、ととらえられたので、よかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2021-12-19 14:51:36) |
15. ハロウィン KILLS
《ネタバレ》 こっちに方向転換するかーという感じではありますが、途中でキルカウントを放棄するくらい面白いくらい人が死にます。 殺しのレパートリーも多くそうした意味でも観ていて面白かったです。 3部作(いつの間に?)の第2作目ということで終わりが非常に中途半端なので、これだけだと評価しづらい部分もありますが、怖いシーンやゴアシーンなど見応えはあったと思うのでこの点数で。 [映画館(字幕)] 6点(2021-11-13 21:20:21) |
16. パブリック 図書館の奇跡
《ネタバレ》 大前提として日本とメリケンの公共図書館の在り方が違うのでそこをしっかり理解していないと「なんでホームレスに解放しなけりゃならないの?」が終始よぎってしまうでしょう。そしてお国柄というか「圧倒的格差&差別大国」という知識があれば「ホームレスなんてやってないで働けばいいじゃん」という考えではなく「まず職がない」「そもそも雇ってもらえない」という本質的な問題が理解しやすいと思います。 そこらへんの「社会の様子」や「公共施設としての在り方」を描いたフレデリック・ワイズマンの「ニューヨーク公共図書館/エクス・リブリス」というドキュメンタリーを見れば、本作で言及さえれているような図書館の在り方や内包する問題などが理解できるのではないでしょうか。 そうでなくとも、夜は氷点下にまで下がる気温、派手ではないけど昨日までの利用者(路上生活者)が凍死体となって運ばれる場面などで「とにかく冬での生活はやべえ!」という感じが伝わってきますし、ホームレスという存在に誰しも好きでなったわけではない、社会のあり方の根本にも欠陥がある、というエピソードも非常に印象深いものだと思います。 映画的には比較的淡々と進むので、華のない作品のような印書も受けますが、冒頭の図書館の役割、在り方をサラッと流すあたりなどは非常によく、ラストの誰もいない図書館内でのシーンも静かな余韻があるので、なかなか見応えのある作品だと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-24 23:46:50) |
17. ハード・ターゲット
《ネタバレ》 人間狩を楽しんでる組織がターゲットに選んだのがヴァン・ダムだった!という感じですが、まあ設定やストーリーは結構甘いなーと思うところもありますが、ヴァン・ダムのアクションはなかなか激しく、華麗な足技も多くてよかったです。 銃撃戦も、実践的というより、2丁拳銃、装弾数無視の銃撃戦でひたすら派手なので、リアリティを求めている人には不向きですが、映画的な派手さがありとても楽しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-09 15:55:57) |
18. パーフェクト・トラップ
《ネタバレ》 ワナオトコ(未見)の続編ですが前作を見ていなくてもすんなり入り込めるのに好感が持てます。 冒頭のパリピ・ジェノサイドの激しさはすごいを通り越してもはや笑うレベル。芝刈り機でゾンビ刈っていたブレインデッドのような勢いがありました。 全体的なゴア度はそれほど、ですが、短い時間の中、アトラクション的な散策やギミックなどとても楽しかったです。 罠の種類は、まあそんなに多いわけでもなし、そしてやたら近接戦闘も強いので実は中身ランボーなんじゃね?という感じですが。 というか一介の昆虫学者が罠の作成は分かりますけどやたらポテンシャル高すぎじゃね?とか野暮なツッコミをしながらも楽しめる作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2021-09-26 13:43:01) |
19. バンビ、ゴジラに会う
《ネタバレ》 本当なぜこれが登録されているのやら(笑) 果たして映画といっていいものか、という短さ。そして踏みつける足もゴジラということになっているけどゴジラ?っていう感じです。もうなんでもいい感じです。 ほぼ出オチです。だけどこんな本作にも続編が(約30年後に)できることの方が驚きです。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-08-06 01:07:14) |
20. 花咲ける騎士道(1952)
《ネタバレ》 冒頭のナレーション「戦争なんて後の教科書に載れば理由なんでどうでもいいのだ」というのが非常に言い得て妙。そしてこの作品の雰囲気を物語っていました。 戦争だとか歴史だとかそんな固いこと言わずに純粋に楽しめる剣戟コメディ。だけどアメリカやイギリスのコメディと違いナンセンスや下品さといったものがあまりないのもフランス映画の特徴。そのギリギリのラインが非常に心地よかったです。 主人公ファンファンも、女たらしで大胆で強引、普通なら嫌味なヤツ、という印象ですが自然とそれがない。演じるジェラールが爽やかな美男子なだけあってか自然と惹きつけられる魅力があります。 そして剣戟、アクションにしても今の作品と比べても褐色のない迫力。その中で随所に挿入される笑いの要素。絞首刑の時の「枝がボキ!」だったり、恋敵?との決闘でも決着がなんとも情けないものだったりと、さらりと挿入してきているので作品のテンポを崩さずよかったですし、敵の陣地占領の場面でも、そんないい加減でいいの?(笑)と思いながらも、ファンファンの強運さを強調していてとてもよかったです。 ラストも、そうきたか!という感じ。なんで急に養女になってんの?とか思いましたが、娘にだったらビンタされても面目は潰れない、という判断だったのかな、と解釈しています。 なかなか強引な終わらせ方ですが、そんなのも笑って許せる痛快な作品でした。 それにしても、「1万人の死者はどうした!?」「それはまた次の機会に、、、」が最高に戦争を皮肉っていてよかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-07-11 13:55:16)(良:1票) |