1. パリの恋人
正直オードリーとアステアが出ていなかったら観るに耐えない代物だったかも…、なんてことを考えること自体野暮ってものなのでしょうね。しかし事実、パリの優雅な雰囲気だけで押し切るにはちょっと無理があるし、ストーリーも些か退屈。ただファッションデザインはさすが大御所イーディス・ヘッドというだけあって美しい。赤一色に染まった現像室や如何わしいカフェでのダンスシーンなど、一風変わったサイケデリック感も際立っています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-09-24 20:23:00) |
2. 裸で御免なさい
「ブリジット・バルドーは悪い子だなぁ」というイメージの一本。しかし悪い子で何が悪い!と意味不明な開き直りをしたくなるほど愉快な映画です。こういう軽妙なフレンチ・コメディは観た後に元気が湧いてきますね。後半は目の保養にもなるし、もはや何語か分からないハチャメチャな日本語にも寛容な気分になれます。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-07-20 16:06:19)(良:1票) |
3. 花咲ける騎士道(1952)
《ネタバレ》 "ファンファン・ラ・チューリップ"で最後の締めが「Fin」ですか、洒落てますな。冒頭の皮肉たっぷりのナレーションから随分と期待させたのですが、一見華麗そうな割に立ち回りがギクシャクしていてぎこちなくただ軽妙なリズムだけが空回りしているという印象さえ受けたのですが、それも観ていく内に次第に快感にすら思えてくるから不思議です。特に後半の戦闘シーンは何をやっているのかよく分からないけどとにかく見応えがあった。それにしてもジェラール・フィリップはアホですね~(褒め言葉として)、彼の演技スタイルが遺憾なく発揮されたというか、もはや行き着く所まで行き着いちゃったという感じです。チャップリン流に言えば「昔の戦争は核も毒ガスもなくて良かったね」というところでしょうか。このアホらしさは一級品、素晴らしい! 7点(2005-01-10 18:11:54) |
4. ハーヴェイ
《ネタバレ》 巨大なウサギを架空の友達として暮らす中年男性のエルウッド。「全てにおいて恵まれていたのに、ハーヴェイによって何もかも失った」という家族の言葉を聞いて、初めはちょっぴり気の毒な人なんだなと思っていたのですがそんな考えはすぐに吹っ飛びました。あまりにも幸せそうなエルウッドの姿を見て、本人が良いなら別にそれでも良いじゃないか、と。見た目からすぐに変人だと決め付けないで、周りの人たちもそれぐらいの寛容を持って接してあげることが必要なのですね。まぁ振り回される方の身にもなれ~!って話ですけどね(^^;。ハーヴェイが現れたのは決してエルウッドが現実に対して心を閉ざしてしまったからではなく、もともとそういう妖精だったというのが実にイイ感じです。それにしてもこの映画には尽く予想を裏切られます。最後にエルウッドに注射して現実的な終わりを迎えるのかと思えばそうではなく、その後さらにエルウッドがハーヴェイと別れるのかと思うとやはりそうではない。あくまでファンタジーを貫いてくれる物語の姿勢が素敵です。そして終了後のスタッフクレジットにもちゃんと"HARVEY=Himself"と表記してくれるところにこの映画の良質さを感じます。 8点(2004-09-08 16:22:08)(良:1票) |
5. パットとマイク
名女優キャサリン・ヘプバーンが、あらゆる競技に挑戦する(と言ってもゴルフとテニスだけだけど)スポーツ物。実はキャサリン・ヘプバーンとスペンサー・トレイシーが共演した映画を観たのは、67年の「招かれざる客」を除いて初めて。こういうコメディ物もいっぱい撮っているんですよねぇ、もっと観たくなりました。聞いたところによるとこの映画での彼女のプレーはほとんどスタンドイン無しなんだとかで・・・、素人目で見てても上手いな~と思います。 7点(2004-06-08 23:13:08) |
6. 波止場(1954)
まずオープニングからこの映画が自信に満ち溢れた傑作だということが分かります。物語の雰囲気を盛り上げる音楽がカッコ良い!「十二人の怒れる男」同様、リー・J・コッブは流石の迫力。ヒロインのエヴァ・マリー・セイントはちょっと小うるさいけど、男ばかりの面子の中に華やかさを加えています。以前に観た時の記憶はハト小屋と、最後のボロボロになりながらも歩いて行くマーロン・ブランドの姿だけだったけど、今回改めて見直してみてまさかこんな話だとは知らなかった(忘れていた)ので驚きました。エリア・カザンという人の人間性は別にして、映画自体は確実に良い作品だと思うので惜しみなく8点を献上します。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2003-09-09 23:15:22) |