1. ハウルの動く城
《ネタバレ》 この作品について強く感じたのは、前作『千と千尋』から引き続いて「生きる力」が、描かれているという事でした・・・これは以前に書いたレビューの冒頭ですが、今回見返してみて、この感想をより自分の実感に即した、生き生きとしたものとして感じ取ることができました。 作中ではあまりにもさりげなく描かれていますが、冒頭のソフィーのどこかすっきりしない様子は、この作品の重要なモチーフとなっている「人の心」を表しているのではないかと思います。父親の店を自分が継がなければならないという義務感から自分を抑圧していたソフィーは、いつの間にか生き生きとした「自分だけの」心の動きをも、見失っていたのです。 そしてソフィーとハウルの二人を結ぶのも、この「心」というキーワードであるように見えました。ハウルは幼い頃に星を飲み込み、「自分の心」と引き換えに大きな力を手に入れますし、またハウルの心には「怪物」が潜んでいます(と言うより心の一部が怪物である、ということでしょうか)。そして自分の心の生き生きとした動きを取り戻したソフィーは、「あなたが怪物でも良い」と言い切って、ハウルを愛するのです。 この作品は、人の心がどれだけその生き生きとした動きを知らない間に失っているのか、そしてその動きを取り戻した時にどれだけ人が強くなれるのかという事が描かれていると感じました。親の店の引継ぎを振り切って、「心臓を取ってしまう」という恐ろしい噂がついてまわる男を愛し、徹底して自分自身の心に素直に行動するソフィーを形にした宮崎監督は、実は「人は心の動きを失いうる存在であり、一度それを取り戻すと世界の常識や決まりが無意味になってしまう」ということを浮き彫りにした、とても大胆な作品を作り出したのではないかと思います。 [映画館(字幕)] 10点(2004-11-30 18:22:46) |
2. パンダ・コパンダ
後年の宮崎アニメを知っている人間としては、確かにこの作品はちょっとゆるいです。ゆるいですが、「それでもいい」と思わせるくらい、本当に安心して見られる良心的なアニメ作品だと思います。それにしても杉山佳寿子さんは一体どこから声を出しているのでしょうか・・・見事に役にはまっていますね。 7点(2003-11-14 00:25:01) |
3. PERFECT BLUE
《ネタバレ》 これは面白かったです。そこら辺のB級サスペンスよりよほど良くできていて、恐いです。個人的には、アイスピックでの殺人シーン(某「@@@笑」の冒頭シーンよりも恐い・・・)など、多少正視に堪えないシーンがなくもなかったので、やや低めのこの点数ですが、それでも(既に指摘されている通り)アレハンドロ・アメナバール顔負けの二転三転する物語を満喫しました。 7点(2003-11-12 22:55:04) |
4. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
《ネタバレ》 CGの使い方も思ったほどくどいものではなく、最後までハラハラさせられました。ただ細かい点を見ていると、どう考えても劇中のあの危機が女主人公の不注意で起こったようにしか見えず、それだけにあの爽やかなラストに対して違和感を感じてしまいました。ただなかなか楽しめる映画であったことは確かです。 6点(2003-10-18 01:38:34) |
5. パニック・ルーム
<ネタバレあります>僕はこれで満足しました。母子が主人公と言う設定(と途中からのストーリー展開)から、バッドエンドにはならないと言うことはわかっていましたが、それでもそんな事を忘れる瞬間が結構ありました。 7点(2002-10-29 21:21:54) |
6. 裸の銃を持つ逃亡者
たまたまテレビで放送されていたのを見たのですが、本当におバカですねぇ~。結構スベリ気味のギャグはありましたが、全体的に僕のツボにはまりました。 7点(2002-06-20 22:23:04) |
7. パリ、テキサス
この映画は大好きです。トラヴィスは本当に共感できます。切ない映画だと思いました。 10点(2002-04-07 23:02:20) |
8. 橋の上の娘
<ネタバレあります>自殺未遂の娘の登場とかモノクロ・フィルムといった予備知識から勝手に映画の内容を予想してビデオ屋で借りてみたのですが、実際に見てみたらかなりテンポの良いポジティブな映画でした。ナイフ投げのシーンはいちいちドキドキしてしまいました。「待ってるだけじゃダメなんだ!」と言った内容のダニエル・オートゥィユのセリフが良いですね。「的」としての自信(?)を得たバネッサ・パラディが凄くなまめかしかったです。 7点(2002-03-31 14:35:04) |
9. バリー・リンドン
ヨーロッパの貴族社会の雰囲気は、実際にあんな感じなのだろうと思います。見ている途中で幾つかネタが読めたところはありましたが、それでもなかなか起伏があって楽しめたし、雰囲気も良かったから特に長さを感じず見ることができました。キューブリックの映画は何かとその「芸術性」で評価される事が多いようですが(そして実際に芸術性もあるのでしょうが)、キューブリックのすごいところはその芸術性を保持しつつ単純に楽しめる映画を作る手腕だと、個人的に思っています。この映画については、バリーに同情してしまいました。結びの言葉がすごく皮肉に聞こえました。 7点(2002-03-20 18:24:28) |
10. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
このシリーズ三作は舞台になっている時代の雰囲気が上手く出ているので大好きです(いや実際は上手く出ているのかどうかわからないのですが、僕はその雰囲気は大好きです)。やっぱり面白かった。 8点(2002-03-09 22:41:54) |
11. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2
Ⅰと打って変わってダークですね。別にそれがダメだと言うわけではなくて、面白いから良いんですが。 8点(2002-03-09 22:31:03) |
12. バック・トゥ・ザ・フューチャー
子どもの頃は、このシリーズと「スターウォーズ」シリーズを馬鹿みたいに繰り返し見ていました。本当に面白いです。少し前にテレビでやっていたので、今見たらどう感じるだろうと思って見てみたのですが、やっぱり面白かったのには本当に驚きました。 8点(2002-03-09 22:26:39) |
13. HANA-BI
<ネタバレあります>僕はこの映画の前半が大好きです。ビートたけし演じる西刑事など、味のある人物が出てきて良かったです。<ここからネタバレ>しかしラストは、受け入れて良いのか否定しなければならないのか今になっても迷っています。僕は西刑事を「不器用な男」と感じているのですが、その不器用な男であれば、ああするしかなかったのか。生きてはいけなかったのか。それ以上生きることがどうしてもできなかったのか。迷うところです。ただ、印象的な映画ではありました。 7点(2002-03-09 17:56:28) |
14. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
<ネタバレあります>キューブリックはこの映画で何から何まで皮肉ってるように見えて、とにかくおかしくて堪りませんでした。やっぱりストレンジラブ博士は強烈ですね(笑)。後半の会議室での議論では優勢思想も飛び出してきて、もう本当に博士にとっては「ハイル・ヒトラー!」って感じだったと思います(笑)。 9点(2002-02-24 22:27:02) |