1. ハリウッド的殺人事件
サスペンスにコメディを持ち込むのは余程でないと成功しない。本筋がぼやけるし、緊迫感が薄れテンポが間延びするからである。この作品は刑事ものであるが、やはり見事に失敗している。ハリソン君が出ていなければ誰も見ないという人がいたが、まさにその通りである。彼の出た映画は大体は面白いのに、ブラピと共演した「デビル」以来ともいえる失望作である。 5点(2004-08-09 06:58:36) |
2. ハンナとその姉妹
ウディ・アレンの映画は面白くないのにアカデミー賞を取るし、嫌いでほとんど見ないが、この作品だけは気に入っていて、今回久し振りにまた見た。物語は題名の通り、ハンナとその姉妹、両親、夫、元夫どもが繰り広げる人生模様を、感謝祭から感謝祭までの一年間の中に綴ったものである。恋愛、不倫、死、宗教、・・・、色んなテーマがさりげなく、深刻なのに何故かユーモラスに語られて行き、バックに流れる音楽、ジャズ、クラシック、ロックの数々がとても楽しい気分にさせてくれる・・・。まあ、大人の、都会の抒情詩といった雰囲気の作品である。 7点(2004-06-18 08:36:00) |
3. 800万の死にざま
前に一度見た、久し振りのハードボイルドで、若いガルシアの悪役振りも秀逸。ヒロインがもう一つ好みでないのがマイナスであるが、能天気のアクションよりずっと良い。ハードボイルドが嫌いな人には堪らなく退屈かも知れないが。 7点(2004-04-09 16:37:34) |
4. ハイ・シエラ
伝説の宝石強盗に二人の女を絡めた犯罪映画で、久し振りに観るボギー作品。今はバイオレンスとセックスの描写そのものを主眼とした殺伐としたものが多いが、往時はこの作品のように、犯罪映画の形を借りて人間のロマンを追及したヒューマンな名作が多くあった。ややセンチメンタルな所もあるが、名シーン、名セリフが随所にちりばめられた中々の秀作である。 8点(2004-03-30 14:16:55)(良:1票) |
5. 晩春
NHKBSで解説していた塚本晋也によると、小津ファン、原節子ファンに麦秋派と晩春派といるらしいが、俺は文句なしに麦秋派。原節子のファザコンなど何の魅力もないし、彼女は屈託なく笑っているのが一番可愛いのである。懇々と諭す笠智衆の説教臭い姿も嫌いである。 大体、俺自身、ファザコンの娘など気持悪いし、さっさと嫁に行って精神的にも金銭的にも早く扶養義務から100%解放して自由にして欲しいと思うのみである。嫁さんは「冷たい」と言うが、娘は娘、俺は俺、全く別の人生だと思う。ただ、娘の話によると、友達の親など、娘にべたべたな父親が結構多いらしい。 7点(2004-03-20 10:41:59) |
6. バウンティフルへの旅
息子の嫁とうまく行かない老女の故郷への旅を描く。ファースト・シーン(タイトル・バック)の非常に美しい映画である。若い人には退屈かも知れないが、最近同窓会づいている私のような年代には、老女の何気ない思い出話にもジーンと来るものがあったりして、とても共感が持てる。また、「ゆりかごを揺らす手」で怖いイメージのあったデモーネイがこんなにやさしく美しいとは。 8点(2004-03-06 09:52:07)(良:1票) |