1. 幕末太陽傳
息つく暇もなく展開されるいかにもな昭和的なドタバタコメディーに序盤萎えかけたが、フランキー堺演ずる左平次の痛快さにどんどんひき込まれていった。人を信じる事なく、自分の才覚一つで世の中を渡り歩く様は痛怏としか言えない。裕二郎紛する高杉晋作と船の上で対峙するシーンがとても印象的。侍なんて農民町人からまきあげた金で攘夷だ近皇だと騒ぎ回ってるに過ぎない。町人の命なんて二の次に考えられてきた歴史の流れの中で、待を出し抜いて飄々としている様子は痛快としか言えず(←痛快言いすぎ)、しかも相手が裕二郎というのが尚面白い。女郎宿という舞台にあリながら、陰湿な部分をー切排除し、明るく活気に満ちた町人の温かさが心地良かった。ただ、いろんなストーリーが平行していた割にストーリーどうしが絡み合う事が少ない分、余裕がなくてせわしないように感じたのと、フリ無しでその場その場の笑いを置きにくるのは見てられんやったけど、芯のしっかりした作品。 [DVD(邦画)] 7点(2006-07-19 21:17:49) |