1. 晩春
小津の最高傑作。シナリオ、キャスティング、演出のバランスが良く、 特にシナリオの完成度と構成の巧みさには、ただただ溜め息をつくばかり。 難を挙げれば、原節子の演技を含めた娘のシーンが多少オーバーぎみに感じることだが、 父親の真情を中心に描いた内容なので、それほど気にはならない。コメディーパートでは、 叔母役の杉村春子が素晴らしいバイプレイヤーぶりを発揮、大いに笑わせてくれた。 余計なセリフを排したラストのカットは秀逸で、心にグッと染み入る余韻とともに、 製作者側の非凡なセンスを感ぜずにはいられない。お薦めの名画。 [DVD(邦画)] 10点(2012-03-18 05:11:18)(良:1票) |