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Сакурай Тосиоさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  母の聖戦
ダルデンヌ兄弟やクリスティアン・ムンジウが共同製作者に名を連ねているのはなぜなんだろうと気になったんですが、監督はベルギーを拠点に活動しているルーマニア生まれの方らしいですね。手持ちカメラのリアリティのある映像スタイルはダルデンヌ兄弟らしく、社会の中で孤立した女性が主人公である点はクリスティアン・ムンジウ監督の代表作4ヶ月、3週と2日を思わせるところがあります。もっと言えば前述の監督たちと似たような作風でしかなく、この監督個人のオリジナルの部分は希薄に感じます。さらに不満点を上げるとダルデンヌ兄弟やクリスティアン・ムンジウが不法移民や中絶を試みようとする女性のようなその社会で倫理的・道徳的に攻撃されるような立場の人間を主人公にすることで我々の属する社会の方が間違っているのではないかという揺さぶりをかけてくるのに対し、この映画の主人公は特に社会的に非難されるところのない平凡な一般市民でしかありません。確かに劇中の登場人物たちは主人公に追及をやめろと迫ることもありますがそれは麻薬カルテルの報復を恐れてでしかなく、主人公に同情的で協力もしてくれるので主人公はあくまでこの社会では善の側であるという立場から動きません。せめて人権を無視した軍の拷問に対する葛藤がもうちょっとあれば良いのですが義憤にかられてそれに協力すらしてしまいます。麻薬カルテルが悪であるということに異を唱える人間はいないでしょうし、いかにも社会派らしいルックを備えていてもこれではただの勧善懲悪的エンターテインメントに近い内容でしかないと思います。逆に言えば単純に麻薬カルテルを追及する活劇として楽しむこともできる内容であり、そこはまたダルデンヌ兄弟やクリスティアン・ムンジウに似ているところがあるとも言えます。しかし宗教的要素が希薄なこの映画に聖戦という邦題を付けるのはいかがなものでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2023-09-09 20:47:41)
2.  83歳のやさしいスパイ
スマホもまともに使えないおじいちゃんが虐待の告発のために老人ホームに潜入する、こう書くと重苦しい社会派映画のようですが作品から受ける印象は真逆で朗らかで優しくかわいらしい感じの映画です。お年寄りって子供みたいなところがありますよね。妙にずれたことを言ったり、またある時は素直だったり、そこがおかしみを生んだり時にはもの悲しさを感じさせたりもします。この映画はチリが舞台ですが日本でもどこの国でもあり得ることでしょう。ドキュメンタリーとは思えないほど絵作りや色づかいは凝っており、ストーリーの構成も明確です。悪く言えばやらせっぽくもあり、そこが気になる方もいるかもしれません。しかしもし劇映画ならば役者の自然な演技が上手すぎますのでやっぱりこれはドキュメンタリーなのでしょう。カメラマンやマイクが映り込むのも演出のうちで、見ているこっちまで本来の目的を忘れそうになるとちゃんと劇中でもツッコミが入ります(笑)。聖フランシスコ特養ホームという名前を見ても舞台はカトリックが運営している老人ホームらしく、あちこちにキリストの十字架や像が置かれており、それが意図的にカメラに収められています。これは宗教的押し付けがましさというよりも、この映画が人間を愛することについての物語だということを象徴しているのだと思います。やさしいスパイという邦題は内容を的確に表現できています。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-28 23:36:28)
3.  パラレル・マザーズ
冒頭からスペイン内戦に関する説明的な台詞が続き不安になりますが、まあすぐにいつものペドロ・アルモドバルの映画になります。レインボーな色彩と女性同士の連帯、そして母となる女性への賛美。うーんしかしこうも同じことを繰り返されると正直マンネリズムです。それに物語の根幹である子どもの取り違えとスペイン内戦に何の関係があるのかよくわかりません。新生児取り違えなんて今時目新しいアイデアでもないですし、赤ん坊がおじいちゃんに似たのかもしれないという旨の台詞がありましたがスペイン内戦を絡めるならむしろそこを掘り下げるべきではなかったでしょうか。ラストの遺骨の発掘場面ではリアリズム優先のためかビビッドな色彩の強調が抑えられておりそれは死者への誠実さの現れなのでしょうが、平凡なテレビ番組のワンシーンのような印象も受けてしまいこの監督が撮る意義を感じさせません。今までのように愛の多様性や人生を肯定する結末で終わるのが難しい題材である以上、自分のスタイルに固執するよりも題材に適したスタイルへの大胆な飛躍が必要だったのではないでしょうか。たとえばピカソだってスペイン内戦を描いたゲルニカでは色彩を捨てたモノクロの画面を選択しました。今回は新境地というよりもむしろこの監督の限界を感じてしまいました。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-06-02 23:42:56)
4.  バビロン(2022)
監督デミアン・チャゼルは1985年生まれ、バック・トゥ・ザ・フューチャーが公開された年である。当然この映画で描かれた時代を実際に経験したわけではない。ファースト・マンのような映画ではあくまで客観的に史実の再現に注力していたから良かったものの、この映画はまるで死んだ人間の意見を勝手に代弁しているかのようである。そしてその意見すらもはや時代錯誤でしかない。劇中ブラッド・ピットの語る演劇に対する対抗心など果して今の映画関係者にどれだけ残っているのやら。映画はもう今では学も金もない人間の娯楽じゃない、既に芸術として認められており権威を振りかざす立場ですらある。もしそうでなければデミアン・チャゼル自身がこんな映画を作ることが許されたわけがない。それで出来上がったのは若者の年寄りごっこ、金持ちの貧乏人ごっこ、インテリの不良ごっこ。あるいは白人の黒人・メキシコ人ごっこ、男の女ごっこを加えてもいい。経験に裏打ちされていない捏造された思い出に何の価値があるというのだろう。愛国心はならず者の最後の砦というが、これでは映画愛も似たようなものである。
[映画館(字幕)] 0点(2023-03-04 22:19:40)(良:2票)
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