81. ビバリーヒルズ・バム
ジャン・ルノワールの『素晴らしき放浪者』が下敷きになっているわけですが、ニック・ノルティの吹っ切れ演技を始め、下品さの面ではパワーアップしてます。それでいて、元映画の「川」を「プール」に置き換えてちゃんと水へのコダワリを見せるところが、まあ、良心的なのかシラジラしいのかよくわからんところですが。正直言って、コメディとしてはキレが悪いのですが、何とも妙な雰囲気が横溢した映画になっております。 6点(2003-12-28 11:41:24) |
82. ピンク・パンサー5/クルーゾーは二度死ぬ
セラーズ亡き後の作品ですので、失踪したクルーゾー警部をドジな若手刑事が探すストーリーになってます。別にギャグのレベルが下がった訳ではないんですが(というか元々レベルが高かった訳ではないんですが)、どうにも物足りない。そう、結局、「クルーゾーを演じるセラーズ」を観たかった、というだけなんですよね。しかし映画に進むにつれ、彼がボケる度につい「ガンバレ」と応援する気持ちも徐々に芽生えてきます。ところで、この映画の最大のギャグは、キャスティングにすでに表れています。ささ、この映画未見の方で、まだこのオチを知らない人は、キャスティングを見ずにこのままどうか御退場を! 4点(2003-12-14 16:52:38) |
83. ピンク・パンサー4
無敵のクルーゾー。無理矢理、命を狙われる設定にして、やはり無理矢理助かってしまう。前作で行くとこまで行ってしまったので、どうやって続編作るのかと思いきや、この白々しさ。まるでムーンレイカーの後でユアアイズオンリーを何事も無かったかのうように作ってしまった某シリーズのよう。前作であれだけ悪事を働いたドレフュスもちゃんと登場してくれて一安心。前作のぶっ飛び度合いにはかなわないまでも、ちゃんとバカやってくれてます。今回は、ちょっと趣向を変えて、香港を舞台にカーチェイスっぽい事も。で面白いのかというと、すでにクルーゾーが観たいというただその一点の理由から観てるので、もう面白いのやら何やらようワカリマセン。でも観てて何となくシアワセ。クルーゾー万歳。事実上、最後の勇姿です。 7点(2003-11-22 01:19:08) |
84. ピンク・パンサー3
久しぶりに作られた前作では、一応ちゃんと宝石泥棒のお話になってたのに、それからあまり間を置かずに作られた本作では、いきなりドレフュスが世界征服(?)と、もうハチャメチャなことになってます。クルーゾー対ドレフュスの全面対決。世界中大騒ぎのハズなのに、ドレフュスのアジトの城に淡々と乗り込もうとするクルーゾーの姿が、何だか頼もしく見えてきて---いや見えないか。まあクダラナイんですけど、クルーゾーの魅力にはまったら最後、こんな映画でもたまらなく面白く思えてくるのです。 7点(2003-11-22 01:02:14) |
85. ピンク・パンサー2(1975)
世間的にはもしかしたら前2作(ピンクの豹、暗闇でドッキリ)の方が、マトモ、ということになっているのかも知れませんが、私は、この作品以降が断然好きです、まあ要するにクルーゾー警部が好きなだけなんですが。バカ指数がこのあたりから急上昇していきます。とは言え、まだここでは一応、怪盗ファントムが出てきたりしてカッタルイのですが(←??)、ピーター・セラーズの至高の芸が存分に堪能できますね。クルーゾー万歳。 7点(2003-11-22 00:46:33)(良:1票) |
86. ピンクの豹
この映画、なんだかクルーゾー警部が可哀相すぎて、ちょっと笑うに笑えない・・・完全に間男されてる上に、奥さんの浮気相手はよりによって警部の宿敵の大泥棒。後半、せっかくドタバタが盛り上がってくるも、あまりにもあんまりなラスト、これには笑いよりもタメイキが。結局、この映画ではクルーゾー警部って狂言回しにすぎないんですよね。ダメだ、クルーゾーに肩入れしすぎているせいで、あまり楽しめない。ところで、このヘンリー・マンシーニの音楽、一体どうしたらこんなメロディが思い付くんでしょうね。正直言うと私は映画よりクラシック音楽に入れ込んでおりまして、映画音楽等への思い入れもクラシック音楽へのそれに比べると数歩譲ってしまうのですが、それでも、ヘンリー・マンシーニのメロディ・メイカーとしての才覚ばかりはもう、もしかして音楽史上でも指折りかもしれんな、と畏敬の念を払っております。 6点(2003-11-21 23:25:34)(良:1票) |
87. HERO(2002)
本作に近い映画とは?グリーン・デスティニー?マトリックス?いやいや『ガントレット』でしょう。雨アラレと降り注ぐ矢の描写には圧倒されてグウの音も出ませんでした(『スウォーム』に近いという話も?)。チャン・イーモウ監督の『赤いコーリャン』では民話的世界が色彩的に描かれ、やや毒々しく感じて辟易したのですが、本作は、ほとんど神話的世界で、CGやワイヤーアクションと共にさらに遠慮なく色彩をぶちまけてくれてます。ストーリー構成に関しては、これじゃオイオイとツッコミを入れたくなるのが人情です。しかししかし、やはり娯楽映画としてのテンションが全編に充分行き渡っているので、こういった諸々の非現実的コケオドシもまた、結構心地よく感じられたのでした。荒野や湖上でのワイヤーアクション、どうやって撮影したのかと驚きます。ところで、音楽は現代を代表する作曲家タン・ドゥンであります。『グリーン・デスティニー』では、オスカーに輝いたにも関わらず一部で「音楽:ヨーヨー・マ」等と宣伝されておりました。その図式で行くと本作の音楽はイツァーク・パールマンという事になっちゃうけど(クラシック好きなら知らぬ者はない名ヴァイオリニスト。知らない方は『ミュージック・オブ・ハート』を御覧あれ)。 9点(2003-10-04 20:30:51) |
88. ビッグ・リボウスキ
どうでもいいようなヒトたちのどうでもいいようなグダグダな事件の成りゆきを、むりやり楽しそうに見せた映画。いつもながら、この手があったか、と、変に感心させられます。ボーリング玉の気分まで味わえますしね。個人的にはもうちょい悪ノリして盛り上げて欲しかった気もしますけど。 7点(2003-08-11 19:57:16) |
89. ピースメーカー
ストーリー構成はちょっと残念に思います。クライマックスが分散されてしまった感じです。でも、全体的に面白いと感じたのは確か。それに、真のクライマックスといいますか、狙撃のシーンは、ホントに怖いです。最後に至ってこういうシーンに出会えるとは予想外で、これはインパクトありました。 8点(2003-07-26 21:32:15) |
90. 光る眼
何なんでしょうか、あのクライマックスの、子供たちとの訳のわからんノイローゼみたいな闘争は。ジョン・ウィンダムの原作『呪われた村』にはそんな描写は無いわけで、この余計なひとヒネリが、映画の印象を奈落の底に落としています。もっといいオチを用意できてたら、結構面白い映画になったと思うのにねえ。 4点(2003-07-20 21:27:06) |
91. ピラミッドの彼方に -ホワイト・ライオン伝説-
最近はどうか知らないのですが、以前は劇場窓口で前売り券を買うと何かしらオマケがもらえることがありました。この映画では、「幸運を呼ぶ<ピラミッドパワー>ペンダント」なるものをもらいました。どうしたらよいのかわからないので、未だに開封してません。さて、アデランスが製作したという本作、アメリカの少女とアフリカの少年が、幻のホワイトライオンを求めてアフリカの大地を旅するお話で、あまり大きな波瀾はない割にはやや強引な設定が目につきます。が、大自然を堪能できるので、コレはコレでよいのではないかと。 6点(2003-05-18 13:43:52) |
92. ヒンデンブルグ
飛行船爆発事故を描いている以上、観てる側としては、結末を知りながら観てるわけですが、アカデミー視覚効果賞(当時は独立した賞ではなかったかもしれませんが)に輝く特撮と、ストーリー展開で、ぐっと引き付けられます。でもでも、やっぱり肝心なところで実写フィルムを使うのは、どうもねえ。映画を観る側も、映画を一種の「約束ごと」として、自分なりに想像力でもって補いながら観てるわけでしょ。実際にはありえなさそうなシチュエーション(例えば特撮に違和感があったりとか、その他色々)があっても、それはそれで映画として受け入れて観てるわけで、別にリアリティがそがれるとか何とか、ことさらに騒ぎ立てないわけです。実写フィルムで表現してしまうのは、大袈裟に言えば裏切り行為のような気がするなあ。 7点(2003-05-17 12:00:18) |