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1.  ビッグ・フィッシュ 《ネタバレ》 
 映画なんて結局はただのつくりものなんです。それは観てる人も、創ってる人も、配給してる人も、映写してる人も、宣伝してる人もみーんなわかってる最低限の了解事項なんです。だからこそ僕らは、二時間ばかりの間、楽しい思いやら、切ない感じやら、純粋な怒りやら、底知れない悲しみやら、感電するほどの喜びやらの感情に身を任せて、暗闇にぼんやり浮かび上がるスクリーンに安心して身を委ねていられるんです。その安心感。映画が終わって灯りがついたら、僕らは、僕らが人生、とか、生活、って言ってる、一見単調でつまらないモノに戻って行きます。でも、その暗闇で僕らが感じた、ある確かな想い、みたいなものはつくりものなんでしょうか?いや、その確かな(けどあやふやな)想い、みたいなものこそが、頼りないかもしれないけれど、僕らの生きて行くことの本当のど真ん中に在り続けているんだと、思うんです。物語。映画。遥か古代から、たき火の前で語られて伝えられてきた物語。残り続けた物語はやがて神話って呼ばれることになるんでしょう。父親から息子へ。そうあれかし、と思うものが伝わって行く。確かにその想いを受け取ったことを最後に息子は物語ることで父親に証明します。そうして父親を永遠に生き続ける物語に送り出します。最後に、物語が実は確かな事実に基づいていたことを知らされます。こうして物語と現実は遂に幸せに一つのものになります。生きて行くことと物語を紡ぐことの幸せな融合を見せられる二時間のつくりもの。ティム・バートン万歳!お話の力!ホラ話のはばたき!最高なんです!
10点(2004-11-18 04:21:00)
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