1. HEAT 灼熱
コミックが原作だが、なかなか忠実に作られている。起用俳優が若干イメージと異なるものの大きく期待を裏切られることはない。若手俳優が主人公であり、その仲間も若いという点が従来のやくざ映画と比べて珍しい点でもある。原作を知っている方は御存知かと思うが、主人公の唐沢辰巳はアウトローな身分でありながらも非常にヒーロー然している。仲間を見捨てず、性根の腐った相手を容赦なくぶちのめし、キメ台詞を吐く。実はこの設定は昔から日本人に好まれてきた勧善懲悪スタイルであり、展開はまるでアウトローな水戸黄門。だからか暴力描写があっても安心して観ていられる。やくざ映画の入門編としては文句なし。映像がやや粗雑なのがマイナス要素ではあるが。 8点(2004-05-29 05:07:45) |
2. PiCNiC(1994)
映像美の中に痛いほど詰め込まれた儚さ。美意識と毒々しさをバランスよくお洒落に演出する岩井監督の才能には感心するばかりだ。配役も素晴らしく音楽も良い。好き嫌いが分かれる映画だとは思うが、非常に岩井氏らしい世界観が溢れている。世間から隔離された主人公たちのピュアさにどこまで入り込めるかが、今作を楽しむためのポイントであるように思う。 6点(2004-02-24 22:36:31) |
3. ひまわり(1970)
戦争+ラブストーリーという物語は多く作られてきたが、今作は悲恋を切なく描いた秀作の一つである。運命には逆らえないという悲しい摂理を、一面のひまわりが静かに感傷的に訴えてくるのだ。観賞後はどんよりした気分になってしまうのだが、それでもこの映画に惹かれるのは何故なのか。 8点(2004-01-27 16:41:04) |
4. ピンポン
かなり新鮮な印象である。原作が漫画だからとはいえ特撮が多く使われていても嫌味がない。脇役も含めた個々がそれぞれキャラクター性を存分に発揮していて楽しませてくれる。そして特筆すべき点は音楽である。緊迫感あふれる場面でテクノビートが流れる、その場面の重さと音楽の軽さのバランスが絶妙なのだ。観賞後の後味もすっきりしていて爽快である。 7点(2004-01-23 16:07:47) |