1. ヒューゴの不思議な発明
出だしから、エイサ・バターフィールド君のヒューゴに魅了されてしまった私。 彼の瞳と、その声。 それだけで胸に響く。 映画の黎明期を紐解くこのストーリー。 メリエスも公安官も、哀しい過去を背負って少し意地悪になっているものの、基本的に嫌な人物が登場しない。 メリエスを「修理」することに自らの存在意義を見出し、父とのつながりを再確認しようとする少年。 ハッピーエンドでいいじゃないか。 映画への愛に溢れたこの映画、私は大好きだ。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2022-01-02 22:00:48) |
2. ヒトラー暗殺、13分の誤算
《ネタバレ》 見応えはある、ドイツらしい骨太な映画。 ヒトラーを暗殺しなければ、自由は奪われ、多くの無辜の民が命を落とすことになる。 狂熱に駆られて実行した暗殺だが、死んだのはヒトラーではなく、まさしく無関係の無辜の民。 ゲシュタポに捕まり、そのことを知らされたゲオルグの落胆と絶望は、想像してあまりある。 ヒトラー暗殺をたった一人で企て、綿密な準備の末に実行した男にしては、その行動は身勝手で整合性に欠けるように見えるが、それが逆にリアリティを生んでいる。完全無欠の義憤に駆られたヒーローなんて、不健康だし、信用できない。 ゲオルグの人間らしさは、かえってナチの血の通わない機械のような残酷さを際立たせる効果を生んでいる。 佳作。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-15 23:25:54) |
3. ビフォア・ミッドナイト
《ネタバレ》 この二人ならではの空気感は相変わらず心地いい。 もう演技って感じが全くしない。二人を目の前で観ているような錯覚すら覚える。 男を変えようとするなと息巻くジェシーと、従順な女性を理想にするなと憤慨するセリーヌ。 いつもの言い争いが、今回はかなり破滅的に進む。 息子の件も絡んで、二人の人生はかなり複雑でいろんな決断を迫られる結果になった。 まあ悪いのは、やっぱりすぐに悪ノリするジェシーと言い過ぎるジェシーと自分しか見えていないジェシーとその自分のこともよくわかっていないジェシーだから、観てて自己嫌悪が誘発される。 観てるのちょっとつらかったかな。夫婦ってそんなもんかもしれないけど。 今の私でも列車で口説くのかって質問するセリーヌだけで良かったんだけどなあ。 現実はそうじゃないのわかってるけど、映画にはそれを求めてしまう自分に減点。 [DVD(字幕)] 9点(2020-05-10 13:50:38) |
4. 陽だまりの彼女
原作があることも知らずの鑑賞。 ま、上野樹里が観たくて観たんだけど。 この映画を観る人の層を考えると、多分松本君か上野樹里目当てではないかと。 そう考えると、松本君はわかんないけど、上野樹里は最高にキュートだった。 子役?の葵さんも予想外のキュートさ。 なら、いっか。 しかし上野樹里は、こういうふんわりした役やらせたら天下無双だな。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-04-11 23:20:39) |
5. 否定と肯定
《ネタバレ》 2016年にこの映画を撮った意味とは何かを考えてみると、やはりラストシーンでのレイチェルのセリフに凝縮されているのかなと。 表現の自由は保障されるべきだが、それにはもちろん条件がある。 それがないがしろにされ、表現の自由だけが叫ばれるような世の中の風潮というか、世界の流れは、黙って見過ごせる状況ではもはやない、ということだろうか。 あなたたちは記憶される、というセリフのなんと美しいことか。 名優たちが脇を固めて、レイチェルの暴走を止める、という構図も素晴らしい。 扱いの難しいテーマを落とすべきところに落としているなという印象。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-03 01:19:53) |
6. ピクセル(2015)
《ネタバレ》 主人公よりも、服役中の元ゲーマーとか、童貞のゲーマーのキャラクターに救われた感じ。 ゲームの設定だけに、ピクセル化された人たちがちゃんと死なずに戻ってくるところは好感が持てる。 ミシェルがいつのまにかオタクの仲間入りしてるのはご愛嬌。 まあ娯楽作品。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-03-28 21:32:03) |
7. ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ
《ネタバレ》 クメイルの出番中にISISに帰れと言った若造に啖呵を切ったホリーハンターは、カッコよくて母親としてハマり役。父親のテリーもいい人だった。クメイルの両親も魅力的な人物で、この映画、やな感じの人が誰もいない。 あなたが勘当されることに耐えられないと、やり直すことを拒んだエミリーに、何で家族を捨てても君と一緒に居たいと言わないんだって思ったけど、クメイルは家族を捨てたいと思ってるわけじゃなくて、エミリーと一緒に居たいのはもちろんだけど、家族のことも大事に思ってるから言えなかったのかなと思い直した。クメイルは優しい。 それにしても、エミリーがキュートで参った。見たことない女優さんだけど、ミラ・ソルヴィーノとナオミ・ワッツを足した感じ。 そこも加点。 [DVD(字幕)] 8点(2018-12-16 02:10:08)(良:1票) |
8. ヒトラーの忘れもの
《ネタバレ》 自国の砂浜に埋設された地雷を除去させるのに、敵国の捕虜ほどうってつけの者はいない。だって彼等の国が埋めたんだから。 ドイツ兵に対する憎しみが軍曹からも、民家のおばさんからも伝わってくる。 理不尽さを感じながらも、無事に片付けて帰るしかない。 帰国してからの夢を語り合うシーンは見ていてつらかった。 自国の復興の前に、自分たちの国が埋設した地雷除去の方が先。 少年だろうが、兵士である以上仕方のない部分ではあるんだろうけど。 命の軽い地雷除去要員が、徐々に一人の人間として軍曹の中で重さを持ち始める描写は、およそ2000人と言われる地雷除去要員にも、一人一人名前や人生があったことをわからせてくれる。 現実にそんなことはなかっただろうけど、軍曹が少年たちとの約束を守ったことに救われた気がした。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-19 00:51:55) |