1. ブライダル・ウォーズ
《ネタバレ》 ハチャメチャウェディング・コメディでございます。お互い相手に仕掛ける嫌がらせがアホみたいというか、まあまあ笑えるものだったのはよかったです。アン・ハサウェイのダンスも楽しい。しかし、自分の式の準備で忙しいだろうに、そんなことやっている暇があるのか、とも思ってしまいますが。終盤の展開は相当な力業で、エマが別れるのはともかく、リヴの兄と結婚するというのはあまり伏線もなく、唐突に感じました。全般的に、主人公2人の心の描写が薄味で、もう少し時間をかけてそのあたりを描いたら、最後も説得力が出たかもしれません。なんにせよ、結婚を間近に控えた人にはお勧めでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-02-07 10:24:12)(良:1票) |
2. プール(2009)
《ネタバレ》 朝ドラ『あさが来た』が大人気の大森美香さんが脚本・監督を担当。この方、以前の『風のハルカ』もなかなかよかったと記憶しております。しかしこの映画は、それらとはかなり違ったテイストの話。正直、大森さんのいいところが発揮されたのかどうか、疑問が残ります。どうも製作側に求められるようなものを作ったのではと思われます。結果、あまりできのよくないものが生まれたのではなかろうか。 「そうしたかったから」では、なんの解決にもならない。それなら人を殺すのもテロを起こすのも「そうしたかったから」、「そうするのが正しいと思ったから」で理由が成立してしまいます。そうした不条理というか無責任を、狙ったのかどうか。結局よくわかりませんわ。しかしいずれにせよ、こんな映画でまったりなんかできません。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-01-09 22:18:43)(良:1票) |
3. フラガール
《ネタバレ》 久しぶりに、心から「すばらしい!」と思える映画に出会えました。人と人との絆の美しさ、大切さを十二分に描ききった作品。「ひとつの目標に向かっていく」人たちの物語なので、特に心を動かされます。 作劇上でよかった点は、ムダな説明がないところ。懸命に練習を重ねていけば、仲間同士のチームワークが生まれ、先生との絆も深まるというもの。それは当然すぎるほど当然なのであまり細かく描かず、早苗の一連のエピソードで“結果”だけを示す。しかしそれでも、十分説得力があります。これがいちいち仲良くなるプロセスを描いていては、そのあとの展開を考えればくどくなりすぎます。やたら説明ばかりして残念な結果になる作品が少なくない中、本作の「思い切った省略」は、ある種快感ですらあります。 個人的には、この早苗のエピソードがもっとも印象的・感動的で、まどか先生が風呂屋に殴り込みに行く場面など、ギャグでありながら感激してしまいますし、まどか先生の性格描写にもなっています。さらにあの展開があるから、実際の別れの場面も盛り上がるのでした。こうした段取りのつけ方が非常にうまいです。 もう一つ印象的だったのは、お母さんが紀美子のダンスを見る場面。それまでのお母さんは、頭から紀美子の行為を否定して聞く耳を持ちませんでした。それが、あの時初めて娘と正面から向き合った。それこそがこの親子にとって、もっとも必要だったことでしょう。そして初めて娘のことを理解できたような気がした。その説得が言葉ではなく、ダンスによるものだったというのも、この映画らしい。やはりムダな説明をしない、名場面です。 題材としては炭坑の問題なども出てくるわけですが、私にとっては、それはあくまでサイドストーリー。助け合い協力し合う人間のすばらしさこそこの映画の命であり、だからこそ時代や場所を越えて、感動を呼ぶ物語になったと思います。この映画を作った方々に感謝。この映画と出会えたことに、心から感謝します。 [CS・衛星(邦画)] 10点(2013-03-11 22:02:50) |
4. 譜めくりの女
《ネタバレ》 登場人物それぞれの思いが交錯する、文字通りの心理サスペンスでした。緊張感をはらんだ静かな進行は、なかなか見ごたえがあります。話の展開も意表をつくもので、なおかつ現代的です。難点は、物語が都合よく進みすぎることでしょうか。しかし、アリアーヌが精神的に不安定になった事故も、実はメラニーが一枚かんでいるのではないかと思わせるところがあり(親にさかんに電話しているし)、詳しく説明しないだけにこちらの想像力を刺激して、効果的だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-26 19:22:13) |
5. プライド(2008)
《ネタバレ》 オペラ歌手を目指す女性のお話ということで見てみたら、オペラは最初だけでアテが外れました。原作が漫画であるためか、劇的な関係の人たちが織りなす劇的すぎる物語が展開して、辟易しました。いわば芸能界の裏側を描いた話で、ワイドショーが大好きな人なら喜びそうですが、そうでない私にはひたすら退屈でした。この映画を鑑賞する資質に欠けているようです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-05-22 19:08:23) |
6. ブーリン家の姉妹
イギリスの歴史物は好きなのでそういう点では楽しめたのですが、結局それだけ。「こんなことがありました」、「それでこうなりました」という事象だけが延々と続き、人物の心理は上っ面だけ。それとも、役者の演技がつたないのか? 本来愛憎劇となるはずですが、愛も憎も葛藤もありゃしない。どの程度史実に忠実なのか知りませんが(そもそもその時代に生きていたわけではないので、それが事実かどうか確かめようもないわけですが)、まあ歴史のお勉強として見ればそれなりに価値はあるでしょう。それにしても、この映画のヘンリー8世はマヌケすぎ。たしかにスケベだったようですが、あそこまでマヌケでいいんでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-11 19:40:58) |
7. プライドと偏見
《ネタバレ》 BBCのドラマは見たし、当然原作も読んだ者としては、やはりあまりいい点はつけられません。主役2人の心情の変化が、うまく表現されていない。ダーシーがエリザベスのどこを気に入ったのか不明確ですし、エリザベスもあれでは「金を出してもらったから結婚する」ととられかねません。2人が愛し合うようになるのは、それぞれが人間的に成長した結果なのですが、それがちゃんと描けていないのです。一方、ミセス・ベネットやミスター・コリンズは、もっと滑稽でよかったかも。どうもこの映画では、人間の描き方が淡泊なようです。 その一方で、映像と音楽はたいへん美しい。イギリスの風景やお屋敷を鑑賞するのには、うってつけの映画なんじゃないでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-10 20:41:10) |