2. ブレイブストーリー
原作を読んでそれを説明してみました、という感じ。まず、「間」がない。何かのアクションとそれに対するリアクションとのあいだには「間」というものがあるが、この映画では「間」に対する配慮というものを感じることができなかった。「間」がなかったせいでものすごく平べったい感じに仕上がってしまった。また、ワタルの外側の世界に対する反応の乏しさに違和感を感じた。例えば、不思議なものを初めて見たときには驚きなり戸惑いなりの反応を示すものだと思うのだが、ワタルはそういった反応に乏しく何でもかんでも当たり前のもののような反応しかしないし、すごく淡白だ。人物がどういったものに対してどういった反応をするのかというのは、その人物がどのような人物なのかを理解するのにとても重要な部分である。この映画のワタルにはこういった反応に乏しくいったいどういうやつなのかがよく分からない。だから、感情移入もできない。ワタルの心の成長を描いているのに、どう変わったのかがセリフをきくまで解らないし、そのせいでせっかくのセリフが説明的なものとどうしても捉えてしまう。原作はいいし、アニメーション技術は素晴らしいと思うし、声優陣も悪くなかった。それだけに非常にもったいなく感じた。 [DVD(邦画)] 3点(2006-11-28 00:36:41) |