1. ヘヴン
《ネタバレ》 クッシーの遺作脚本だそうです。 トム・ティクヴァは有望株とされてるらしいが…どうもモノマネに終わった感じだ。 だいたいクッシー作品の重要人物がネイティブの英語をしゃべってはダメでしょう。 今までケムにまいて高尚化してきたことが、英語ということでいっぺんにそこらの作品と同レベルにまで引きおろされてしまう。 究極の愛とは相似形になることなのか…というようなテーマが感じられますが、それなら、それならばー、ケイト・ブランシェットではやっぱりイカんではないか。 だいたい二人の名前まで同じにして強調しているわけだから、ここはフィリッポと同じダークな髪と瞳の女優を当てなければ意味が無いではないか。逆に、フィリッパに金髪の男優を持ってくると、ハリウッドぽくなってしまうのでダメなのです。ああキャストがイカんかったです。 フィリッポのフィリッパに対する感情は、「ドラマチックなシチュエーションにおいて発生したファン心理」なので、「ファン心理」ということで「相似形」になっていくわけです。 「ファン心理」とは「あなたになりたい」なので、普通の男女間では自分に無いものを求めたりしますがここではどんどん同じになっていきます。「とんでもない間違いをおかして自分を捨てたい女」と「あなたになりたい男」がドンピシャではまってしまったのです。そして、どちらかがどちらかになるのではなくて、二人ともボーズ頭の性別年齢不詳の人物になるのです。 フィリッポの父親が訪ねてきたとき、一度は「連れて帰ってください」と言ったフィリッパは、「愛しているのか」と聞かれると「愛している」と答えます。 このときの彼女の心情を想像すると、「私と彼はもう同じ人間なので区別がつかない。離れていたって、自分が死んだらどうせ彼も死ぬだろうから、ここで引き離されることにあんまり意味は無い」というようなものだったのでは。 このような話であるならば、それを演じる男優と女優の外見が全く似ていなかったというのは悔やまれますね。ラストの効果とかも全然違ったと思います。クッシーはどういう配役にしたかったのかなあ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-27 17:21:21) |
2. ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ
《ネタバレ》 不満が残る。それはたぶん主にクレイグ・シェーファーに対するものかも。 何に出てもイマイチパッとしない彼だが、大胆にも主役に据えたうえ出ずっぱりにして複雑なキャラクターの心理表現を求めてしまった。やっぱり演技うまくない。最後の方で彼単独の場面が続くと、かなり辛くなってくる。 あとは、ちょっとピンヘッド周辺の魔物を安易に出しすぎ。フリークスというのは、一瞬出してどのくらい怖がらせるかが勝負だと思う。安いものなら大量に存在しなければ効果が出ない、といった感じになる。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-12-10 18:10:15) |
3. 変態男
《ネタバレ》 これは、入っていないだろうとタカをくくって検索したら…すばらしい。さすがにここのレビューです。 この作品を登録されたレビュワーさんもおっしゃるとおり、邦題のセンスには、おどろきを通り越して、「マニアしか借りないように仕向けているつもり?」との作為すら感じます。まあ、フツーの客は、見ないよねえ。特に、女性の視聴率は果てしなく低そうだ。私のような、物好きぐらいに違いない。 しかし、これは、エグさを売りにしたスプラッター映画ではなかった。 フランスの若手新鋭アーティストが集まって、仲良く作った低予算映画、である。どうやら、主演のカルロなど、ノーギャラらしい。 ジョルジュという、むなしい中年男の崩壊した行動を追った作品。フランス映画らしくラストは辛口。(もうひとつのエンディングのほうが、納得がいくけどもなあ) 私としては、クリスティーヌがいつ反撃に出るのかと期待していたのだが…そういうことだったのね。 日頃から虐待慣れしていたM女であったため、トランクに飼われるという有り得ない生活に。 おまけに、ジョルジュは娘だけは可愛がっているのかと思いきや、ここでも予想に反し…。 予想を裏切り続ける、という点では、これは秀逸な脚本といっていいのでは。 ジョルジュが冒頭で突如として他車を襲撃した動機づけをはっきりさせないことといい、クリスティーヌがシモンを退治したことといい、不条理にしたいのだ。強引にすぎるが。「なぜ」でなくて「どうなるのか」を見る作品だ。 妻がすごいですね。倦怠期の妻というのは、ここまで夫を罵るものでしょうか。特に問題があるようにも見えないのに。フランスの女の人って、こわいですね。 あと、クリスティーヌ役の女優さんが、フランス人なのにあまりにも胸が無いことに驚く(テデスキさんとかを見慣れてしまったので)。 低予算のわりには、まともな作品です。あまりにもひどい邦題のせいで、見てくれる人が少なそうなのが、残念なくらいだ。次作にも期待したいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-12 21:07:03) |
4. ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン
《ネタバレ》 おもしろかった。久々にイケてるB級ホラーを見た。 低予算ということに驚くほど、よくできている。編集もいい。しかも主役の女優さんがどの角度から見てもすごく美人。脇の女の子も良く見るとモデル並み。やっぱ主役の女優さんはキレイでスタイルがよくないとダメ。 あと、アイディアも随所に見られて、のっけから苦労して死体のそばのモノを取るとか、地下鉄の車両が無法地帯になってるとか、壁がどんどん狭くなってくるとか、血が止まらなくても死なないとか(幻覚だけど)、目玉であるピンヘッドさんを出すことだけに頼らない工夫が様々感じられた。こういうのすごく好きなんだよねー。 この女優さんは、アシュレイ・ジャッドに似ているが、私はこっちの方が買い。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-03 22:11:35) |
5. ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア
《ネタバレ》 「ジェイコブズラダー」のリック・ボータ版といえよう。 しかし、そんなに悪くはない。べつにピンヘッドさんを出さなくても成立する話なんだけど、編集で無駄なところが思い切りよくカットされてるので作品としてはダメじゃない。でもシーツをめくる0.5秒前に分かってしまう。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-30 14:02:45) |
6. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
《ネタバレ》 こういうのって、怖いもの見たさ。鑑賞中は、「これ見終わったら、もとの世界にちゃんともどらなきゃ」と思いつつ。認めたくないのにヘドウィグがどうしても美しく見えてきて混乱する。アニメシーンは要らない。もうちょっと若い時に撮れたらよかったね。音楽よし。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-17 20:54:49) |