1. ペイ・フォワード/可能の王国
耳あたりの良い小咄を聞いたような印象です。つい、情けは人のためならずという有名すぎる言葉を思い出してしまいました。実際のところ、全体としてはそう悪い作品ではないと思います。まぁ、最後はあのようになってしまうわけですけども、あれさえも含めて、ペイ・フォワードなのかなと思えました。最後に集った方々は、息子さんをあんな風にされたお母さんや関係者が好ましくない連鎖を引き起こさないように、彼らに次を渡そうとしているように感じました。ということで、作品の根底にあるロマンティックな理想は、とてもイノセントな輝きを持っていたように思えます。その構造がたとえネズミ講だとしても。一方で小さな視点で見ると、悪意が拡がる仕組みの一つも、やはりネズミ講的構造だったりするわけですが。 6点(2003-07-23 12:57:57) |