1. ヘヴン
《ネタバレ》 オープニングから痺れた。一分の狂いも無く着実に進行していく悲劇、スリリングで一気に物語に引き込まれました。憲兵隊に拘束され魂の抜けたような表情で尋問に応じるケイト・ブランシェットの演技、それを優しく守護天使のように見守るジョヴァンニ・リビシ演じる刑務官の青年。悲しい、悲しすぎる!でも温かい。さすがキェシロフスキーが生み出したキャラクターだけあって魅力的です。何故彼が彼女に惹かれたのかという具体的な理由は映画では明確に提示されていないのですが(弟が彼女の生徒だったということ以外)、それが却ってこの一種のファンタジーとも取れる物語に深みを持たせていると思います。(流石に“運命の出会い”と言ったら甘すぎでしょう)後半、二人が頭を丸めてからはもはや何の映画か分からず一時的にストーリーラインを見失いかけたけど、クイラマックスへの盛り上げ方がこれまた素晴らしく、後はただひたすら流れに身を任せてHEAVEN<天国>へと昇天していくだけでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-03-04 18:14:17) |
2. ベルヴィル・ランデブー
《ネタバレ》 これは凄い!まるでジャン=ピエール・ジュネの世界をアニメにしたような映像。途轍もなく巨大な貨物船、とことんディフォルメ化されたマフィアの用心棒、目も眩むような大都市"ベルヴィル"の俯瞰ショットと、アニメでしか表現し得ない世界を創り上げているところには好印象。また伏線やストーリー演出も冴えていて、「キリクと魔女」と言い最近のフランスアニメは本当に元気が良いということを実感させられる。日本のアニメもいい加減ヤバくなってきたんじゃないの?…それにしてもまさかフレッド・アステアをクサすとは思わなんだ、タチ伯父さんまでもが画面に登場した時は思わず感激しました。カエルのスープは流石にゲーだったけど、あれがベルヴィル三姉妹のバイタリティを保っている秘訣かもしれませんね(笑) [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-27 17:38:57) |
3. ペリカン文書
タイトルは有名だけど、まだ観ていなかった映画。原作がジョン・グリシャムなので、てっきり法廷ドラマかと思いきや、まさかこんな銃弾が飛び交う犯罪サスペンスだったとは…。如何にもアラン・J・パクラが好みそうな題材で、その硬派な作りから多少観客が飲み込めない部分があっても物語に引き込んでしまう勢いがあるのですが、さすがに二時間半の間緊張のしっ放しではこちらもストレスが溜まってしまいます。作品の性質上仕方無いのでしょうが、例えばヒッチコックの「北北西に進路を取れ」とかだったら同時間全く疲れることなく楽しむことが出来るのですが。ただ主演のジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンの好演、そして最後の静かな余韻は観ていて気持ち良かったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-01-27 17:19:21) |
4. ベスト・キッド4
《ネタバレ》 何故か空手を習った後では前よりも女の子らしくなっているヒラリー。そうか、ベスト・キッドって元々アクションじゃなくてヒューマン・ドラマだったのか!いや~、空手って凄いな…と冗談はこの辺にしておいて、結局何だかんだ言ってこれで一作目から第四作まで全部観てしまったのですが、相変わらずこのシリーズはミヤギさんからマイナスイオンでも放出しているのか、どこか憎めません。観終わった後の清涼感も堪らないし、流石に今回はミヤギさんもただのエロ親父という気がしなくもありませんが、「踊れない僧侶は信じられない」など爆弾発言も健在です。もうこれ以上続編が作られないのかと思うと残念(安心?)で仕方ありません。ノリユキ・パット・モリタよ、永遠に…。合掌(-人-) [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-01-19 16:11:03) |
5. ペイネ愛の世界旅行
ここまでベタベタだと逆に気持ち悪かったりするのですが、これはギリギリのところでセーフという感じです。元々「小さな恋のメロディ」とか苦手なタイプだしなぁ。物語は既に十分ラブラブな二人が更に真実の愛を求めて世界を旅するという安直なものですが、その中にもけっこう大々的に戦争批判のテーマなどが掲げられていて興味深かったです。イタリア、ロンドンと渡ってその次に出てくるのが何と我らが日本!例によって描写はちょっとアレですが、着物姿のバレンチナというのもまたなかなか乙なものでした。結局何だかんだ言ってこの二人の恋は応援せずにはいられません。度々出てくるキューピッドの姿が可愛らしく、恋人クラブの名簿にさり気なく「ロミオとジュリエット」などのカップルが登録されていたりなんかするところも素敵です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-22 18:14:06) |
6. ヘルシンキ・ナポリ オールナイトロング
ミカ・カウリスマキなら「GO!GO!L.A.」よりも断然こっち。しかしなかなか話が本題に入らないので、ウトウトしてきたところでようやく銃声で目が覚めるといった按配。その後のやけにのろのろしたカーチェイスも見応えがありますが、全体的にこれなら「ナイト・オン・ザ・プラネット」の方がよっぽどドラマチックなのでは?と思えるほど、良くも悪くものんびりとした映画でした。洒落た台詞にも切れが無く、コメディパートの間の取り方も弟(監督)アキの方が秀でていると思います。とは言え嫌いな作品ではないですよ、念の為。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-13 16:30:47) |
7. ヘルボーイ
《ネタバレ》 原作は読んでいないけどアイディアが良いよね。悪魔の子ヘルボーイを始め、普通なら悪役のような登場人物たちが正義の味方というところがユニーク。外見に似合わず猫やキャンディーが好きで嫉妬もするというレッドのキャラクターに魅力を感じますが、特にこれと言った必殺技などがないので(耐火仕様というところくらい?)、ただ赤い大きなお兄さんが暴れ回っているだけという気がしなくもなかったり…。それからセルマ・ブレアや仲間の半魚人は完全に脇役扱いだし、唯一キャラが立っていた敵の刃物使いもやはり死に方が呆気なかったです。最後に誰か一人忘れられていない?と思ったら、しっかりとオマケカットが用意されていたのは面白かったです。パート2が公開されたらまたDVDで楽しみたいと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2005-04-02 22:27:30) |
8. ベスト・フレンズ・ウェディング
《ネタバレ》 「フォー・ウェディング」にしろ「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」にしろ、どうしてこの手の恋愛映画は邦題で原題から大事な部分を省いてしまうのでしょうか…。普通に考えればジュリアンは既に過去にマイケルを振っているのだから今更どうこう言う資格はないのだけれど、マイケルの方もあながち未練が無くも無いような素振りを見せているところがミソ。何にせよ面白いシチュエーションですな。個人的にキャメロン・ディアスは「メリーに首ったけ」や「チャーリーズ・エンジェル」などの時期の方が好きなのでそれほどでもなかったのですが(男性的に問題有りでしょうか?笑)、ひたむきなジュリア・ロバーツの姿がとにかく美しくも可愛い!最近になってようやくこの人の魅力が分かってきました(汗)。女性のパワーというか、最後はちょっとストーカー染みていたけどそういうものを感じさせました。それにしてもジョージのキャラクターは良いですねぇ、あんな友達がいたらさぞ楽しかろうに。 8点(2005-01-02 11:52:38) |
9. ベニスに死す
ダーク・ボガードのビョルン・アンドレセンを見つめる時のあの目の輝きといったら忘れられない。思わず観ているこちらが目を逸らしたくなってしまう。美しい映像に美しい音楽、もうただそれだけで良いんじゃないでしょうかね(ビデオの画質は大分悪かったけど)。それから最後の汗は化粧ではないでしょうか? 8点(2004-12-04 19:22:38) |
10. ヘルハウス
《ネタバレ》 正直役者の演技に尽きるような・・・。映画が始まる前に「この物語はフィクションだが、 劇中に出てくる現象は事実だと思っていい」とかいうテロップが流れて、信じちゃって良いの!?と思っていたけど信じるのもアホらしい気分でした(^^;。古臭いのは仕方ないだろうけど、ホラーとしてあまりにも怖くなさすぎ。ラストの展開もちょっと強引だし、パメラ・フランクリンに至ってはただ単に自滅しているだけとしか思えない。逆に雰囲気はおどろおどろしくて良かったです、家の外見なんかは本当に”地獄邸”って感じがするし。それから時間表示が効果的に使われていたかな。文句ばっかり言ってすみません、これだったら個人的には『エクソシスト』の方が好きです。 6点(2004-07-15 22:12:04) |
11. ベッカムに恋して
《ネタバレ》 サッカーが好きってのは分かるんだけどねぇ、もうちょっと情熱みたいなものが欲しかったです。練習シーンなんかもそれこそ汗や泥にまみれたりなんかして・・・(って、変な想像しているわけじゃないです(^^;)。サッカーと家庭、夢と現実の狭間で揺れ動く主人公少女の心情描写はまあまあかなとも思ったけど、個人的にはもっと肝心のサッカーの方に重点を絞って欲しかった感じ。インドの伝統的(?)な踊りと結婚式が見られる辺りは思わぬ拾い物か。それから最後の空港のシーンでジュールズが「あ!ベッカムだ」って言った時にはちょっとドキッとしたけど、その後出てきたのは当然の如く本物ではなく別人でしたね。当たり前ながら少しセコイと思ってしまいました。ついでに言わせてもらうと最後にあの二人がくっ付く辺りがどうもよく分かりません、あれで増々キーラ・ナイトレイが可哀想だと思ったのは僕だけでしょうか? 6点(2004-06-26 17:07:26)(良:1票) |