1. マリス・イン・ワンダーランド
《ネタバレ》 現代設定の中で展開する「不思議の国のアリス」という趣なのですが、何ともそれだけというか、企画倒れというか・・・。せっかく元の世界を逸脱しているのだから、もっと思い切って現代劇の方向に振ってしまい、アリスのネタはエッセンス程度、にしてしまった方が面白かったと思うけどなあ。風景が現代に変わっているだけで、やっていることがほとんど童話の世界そのものなので、かえって中途半端感がむき出しになってしまっています。最後の多視点ネタはちょっと面白かったので、点数はそこに対して。 [DVD(字幕)] 3点(2022-07-05 23:55:44) |
2. マーリー/世界一おバカな犬が教えてくれたこと
《ネタバレ》 犬も大概馬鹿なんだが、この主人公夫婦はもっと馬鹿なんじゃないのか。これほど躾ができていないのに(そしてしようという意思も耳当たらないのに)、よく堂々と犬を飼っていられて、しかも最後には何か全体が良かったみたいに振り返れるものだと思う。●それと、作中では相当に時間が経過しているようなのだが、子供が大きくなっていること以外には何も表現されていない。しかも、それだけ年月を経ているのであれば、飼育のディテールなんかにももっと踏み込むべきなのでは?主人公夫婦は一切何も学んでいないように見えますよ?●結局、どこが面白いのかも分からないし、何が見せたかったのかも分からない。尺も長すぎ。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2021-12-16 01:08:14) |
3. マイ・ブラザー(2004)
《ネタバレ》 とりあえず対照的な(という設定の)兄弟のお話。片方は優等生、片方はアウトローというのが定番すぎるのはまあいいとして・・・まず、そもそも風貌が弟の方が兄にしか見えない。また、この設定だったら、視線は兄からでしょう、そっちが「まっとう側」なんですから。それから、前置きにすぎないはずの高校時代で前半まるまる(1時間弱)を使うというのも、バランスが悪すぎ。それと、食堂の息子は、あのように使うんだったら、それまででもっと伏線的に出しておかないと機能しないでしょう。と、あちこちで分かりやすいアラが目立って、とりあえず作った感が満載になってしまいました。 [DVD(字幕)] 3点(2020-08-01 22:40:56) |
4. 真夜中の銃声
ベースはどろどろのメロドラマなのに、中途半端にサスペンスっぽくしようとしていて、しかも主人公の行動がほぼノーガードなので、状況に対して何かを切り開いていく楽しみという要素にも乏しく、作り手に都合の良いだけの展開となっている。まあ、K・S・トーマスのご尊顔が全編にわたって存分に拝めるところは貴重でしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2019-12-03 01:43:24) |
5. 待合室 -Notebook of Life-
最初の15分くらいで、これは、待合室にノートを置いた時点で、制作側が目的を達してしまっているな、と思っていたら、結局最後までそのままでした。まず、ノートの中身そのものに深みがなく、そこから繰り出される人生に広がりがないので、そもそも映画上のツールとしてのノートの意味がありません。また、そこに至る主人公ないし周辺人物の背景についても、どこまでも通り一遍であり、ノートが導き出される必然性がないので、その点からもノートの意味がありません。そもそも、場所が待合室であるべき必然性についても、作品の中からは見当たりませんでした。 [DVD(邦画)] 3点(2019-02-12 23:44:53) |
6. 舞妓Haaaan!!!
《ネタバレ》 主人公があまりにも鬱陶しくて、最初の15分で冷めてしまいました。騒がしいのとハイテンションは違います。中盤以降は少し見られるようになったかと思いましたが、ラスト15分がすべてぐしゃぐしゃ、最悪。作中で唯一光っていたのは、ミュージカルシーン。あの発想で最後まで押し通したらよかったのに、何でそうしなかったんだろう。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-04-21 00:42:30) |
7. マイレージ、マイライフ
《ネタバレ》 熟練の首切り職人の主人公の周辺に、対照的な女性二人を配置するという設定の時点で、いかにも観念的で説明的な描写に陥りそうな雰囲気が漂っているのだが、意外にも巧くまとまっていた。随所で徹底して空港シーンを入れ込むこだわりぶりと、首切りの会話を手を抜かずにいろんなパターンで展開する丁寧さが、作品の腰を強めている。最後に「やっぱり家族が大切だよね」に集約していくのは非常に安直という気がしないでもないが、女性二人との関係をあっけなく終わらせる皮肉ぶりが、作品を陳腐に落とす手前で救っている。余談だが、ここぞというところで懐かしのヤングM.C.の"Bust A Move"が、しかも本人登場で(!)炸裂するのは、ちょっと楽しかったりして。●再見して気づいたのですが、この脚本では、主人公の全体を通じての変化が、実に的確に切り取られているのですね。アレックスとの逢瀬、ナタリーへの教育(?)、妹の結婚式(と、義弟との接触)を通じて、徐々に見える世界が変わっていく。だから、悲願を達成した機長との会話シーンの虚しさに説得力がある。そして、それを自然に表現したクルーニー、ファーミガ、ケンドリックの演技も素晴らしい(空港での別れのシーン、すでに破綻を予感しているファーミガの表情!)。●難点は、最後の紹介状が余計なこと(ケンドリックの想像後ろ姿のショットが良かっただけに、関係はそこで終わらせてほしかった)、クルーニーとファーミガが最後に電話で喋るのが余計なこと(留守電メッセージとかで十分だったのでは)。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-07-02 01:07:32)(良:1票) |
8. マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
巨大ポップ・スターのマイケルといえど、パッケージ化されたステージがすでにどこかに存在しているわけではなく、またお膳立てされた上でただ歌って踊っているだけでもなく、自ら綿密な準備とリハーサルを重ねてステージを完成させている。そのことを明確に伝えただけでも、この作品は意味がある。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-16 01:01:21) |
9. マリー・アントワネット(2006)
中途半端にシリアスっぽく、中途半端に前衛的。要するに、監督も自分が何をやりたいのか分かっていなかったのではないだろうか。結果、中身に何のテーマ性も存在せず、完全に衣装負けしてしまっている。大体、「ベルサイユのばら」というアントワネット関連芸術の金字塔を知っている日本人に、このレベルのものを見せてはいかんよ。 [DVD(字幕)] 4点(2014-02-20 00:21:13) |
10. まぼろしの邪馬台国
《ネタバレ》 とりあえず吉永小百合と竹中直人を出しておけば文句は出ないだろう、という制作者の1日以上先のことを考えていない安直な姿勢が、すべてを象徴している作品。ステレオタイプな登場人物の造型、ト書きをそのまま台詞にしたような杜撰な脚本、その場に来て初めて決めたような適当なカメラと照明など、こんないい加減な出来のものを見せられてどこを見ろというのだろうか。何よりも腹立たしいのは、この素材を対象としていながら、主人公(これもそもそもどっちなのか分からないが)をここまでのめり込ませた邪馬台国や魏志倭人伝というものについて、それがどういったものであるかを伝えようという気が制作側にまったく感じられないこと。 [CS・衛星(邦画)] 0点(2014-02-12 01:26:48) |
11. ママの遺したラヴソング
トラボルタはこのキャラを演じるにしてはヘンさ、エキセントリックさが足りないし、ヨハンソンは相変わらず表情不足で、ただの根暗少女にしか見えない。キャスティング次第でもう少しなんとかなったかとも思うが、この凡庸な脚本では限界があるか。あと、尺も長すぎです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-10-13 00:16:46) |
12. マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋
店内のデザインとCG作成だけで、創作行為としては終わっていました。 [DVD(字幕)] 3点(2013-05-04 01:25:21) |
13. マイ・ブルーベリー・ナイツ
雰囲気で押し切っているといえばいえるが、独特の浮遊感とある種の倦怠感は意外に悪くない。各登場人物がさらりとした接点だけで通り過ぎていく中、デヴィッド・ストラザーンの地味怪演が、地道な存在感を残している。カサンドラ・ウィルソンの"Harvest Moon"の巧カヴァーに+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-17 23:32:03) |
14. マンデラの名もなき看守
《ネタバレ》 単にエピソードをつなぎ合わせただけだったらどうしようと危惧していたのですが、意外にも、結果的には長期間にわたる内容を手際よく収めています。主人公の家族の描写に力点を置いたことが、作品に一本の筋を通し、また、関係者の立場で見たマンデラという作品の視点にリアリティを与えています。ジョセフ・ファインズもダイアン・クルーガーも、重い役の期待に応えるべくがんばっていました。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-13 02:18:33) |
15. 迷子の警察音楽隊
《ネタバレ》 導入部分に顕著な絶妙な「間」と、横並びを多用した構図、そして堅苦しい制服や重そうな楽器と荒涼とした風景のギャップだけで、コメディとしては完成しているわけです。あえて一足飛びに関係を発展させることなく、ぎこちなく礼儀正しく交わされる会話にも、何ともいえない味があります。その中でも、最低限の台詞で登場人物の心理の揺れを表し切っている脚本が、よく見ると凄く練られています。また、ユダヤとアラブの対立背景を全部削ぎ落とした潔さも、かえって作品世界に緊張感を与えています。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-11 03:49:01) |
16. マラドーナ
あえてここまで世界的に有名な人物の背後に切り込もうとした心意気は買いたいし、実際にいくつか重要な映像やコメントも収穫しているのだが、編集の順序とか配分比率がえらく稚拙で、せっかくの努力の何割かが消されてしまっている。また、サッカー技術論の専門部分にあまり踏み込んでいないのは、やはりこの素材を選んだ意味を減殺しているのではないだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-22 00:31:53) |
17. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 何か特別なことをやってやろうという制作者側の執念はなかなか好感が持てるが、それでも演出においてはあちこちで暴走が起こっていると思う。根本が妄想であっても、細かいところの説明が「妄想だから」になってしまってはちょっとまずいでしょ。それと、尺はもっと短くできたはず。 [DVD(字幕)] 5点(2011-08-27 04:48:42) |
18. 魔法にかけられて
《ネタバレ》 ハッピーエンドで良いのだけど、終わってみたら「それだけ」だったって気も・・・視点を王国側に置くのか、実世界側に置くのか、そこが中途半端で、どこで笑いをとりたいのか、誰の心理に立脚するのがが定まらないままフィニッシュに至ってしまったのではないでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-04-25 01:27:32) |
19. マイアミ・バイス
やたら暗くてじめじめしていて、潜入捜査官ならではの緊迫感や行動力というものがほとんど感じられませんでした。主人公の2人が、なりゆきのままに動いているだけの存在になってしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-01-07 04:14:46)(良:1票) |
20. マルタのやさしい刺繍
《ネタバレ》 ストーリーは大体予想できるのですが、その中でも、限られた場所的範囲の中にいろいろな人間関係を織り込み、ショップ関係だけの話に終わっていないのがよい。また、会話の1つ1つでも、最小限の一言にいろいろな背景を反映させており、無駄がありません。リージみたいなおばさん、近所に1人いたら本当に楽しいよね。 [DVD(字幕)] 6点(2010-12-31 19:39:36) |