1. マルコムX
《ネタバレ》 ◆デンゼル・ワシントンの演技が素晴らしい。それから無駄なシーンがあまりなく、退屈せずに3時間見れてしまう。◆しかしながら、黒人に対する差別があまり描かれていないような気がしました。もちろん、KKKによる放火のシーンなどはインパクトがありましたが、一部の過激派だけが差別を行っていたかのようにもとれてしまいます。また、黒人というだけで進路が決まってしまう、というシーンも間接的にしか差別の実態がつたわってきませんでした。そのような動機付けが弱いせいか、マルコムXが白人を受け入れようとしなかったのは、彼自身が無知であるからのように感じてしまいます。◆しかし、マルコムXが、白人を「白い悪魔」と呼ぶのは、もっと様々な差別によるものだと思います。そこをもう少しきちんと描いてもらいたかった。観客を飽きさせないことにちょっと力を注ぎすぎたような気がします。そういうわけで、7点を献上させていただきたい。 [DVD(字幕)] 7点(2006-02-13 11:34:15) |
2. マルサの女
《ネタバレ》 ◆今思い返してもふきだしてしまうのが、鍵を隠してすっぽんぽんになった女の人のシーン。あれは素晴らしい。下ネタのレベルが高すぎる。あんなに下品なのに面白いシーンが撮れる伊丹さんは凄いと思います。8てんを献上させていただきたい。 [DVD(字幕)] 8点(2006-02-09 23:33:57) |
3. マルタイの女
◆僕は、伊丹監督の「もう一つの社会」を描くところと、「風刺的なギャグ」がとても好きです。その点からすると、この作品はすこしその要素が弱かった気がします。◆しかし、歴史的に見るとこの作品は凄い。地下鉄サリン事件の二年後に作られている。ここに伊丹監督らしさがあったのでした。◆やはり、今回も配役は絶妙で、西村雅彦のふっとんだ演技と、あき竹城の犬を見つけたときの叫びには爆笑しました。◆全体的に幾分長いのと、証言台のシーンまで見られなかった点を含めまして、7点を献上させていただきたい。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2006-02-03 22:29:58) |
4. 招かれざる客(1967)
◆体裁上はリベラリストでも中身は保守的な人なんてのはたくさんいて、そういうひとたちは、実際に自分がマイノリティーの立場に立つとコロッと意見を変える。本人達のためだ、とかいって結局自分が面倒なことに巻き込まれたくないのが本音。そんな心境をうまく描いていると思います。◆その気持ちも仕方がないとは思う。アメリカの南部にいたっては、黒人と白人が一緒に歩いていたら命の危険すらありうるのだから。◆作品のなかでは、だんだんとその気持ちが変わっていく。神父の言葉、母親の言葉、そして父と対決する息子。それぞれ話し合うことによって、その心が瓦解していく。◆差別と闘っていくには、並大抵の決意では駄目で、本当にお互い信じあっていかなければならない。差別している人たちを無知だとあざ笑っても本当の解決にはならない。その人たちと対話していかなければならない。◆日本にも、さまざまなマイノリティーがいて、差別がある。そんな差別にぶつかったときどうするのか、どうやってその差別と闘って行くのか。その一つの方法は「対話すること」なんだと教えられました。いい作品でした。9点を献上させていただきたい。 [地上波(吹替)] 9点(2006-01-31 15:43:59) |
5. マッドマックス2
僕の髪を切ってもらっている美容師さんが、「今でも見返すぐらいに好きな作品だ。」といっていたのでみました。うーん、みんなあっさり死にすぎ?犬を殺す必要ある?愛車に爆弾?みたいなかんじです。でも無駄に銃を乱射したり、ハイテクカーで敵を瞬殺したりと、いささか戦闘が激しくなりすぎた昨今の映画に比べればリアルでよかったと思います。スタントマンの行く末を心配してしまうような激しいシーンもあったりして、スカッとしたいときにはいいんでしょうね。たぶん、ストーリーを真剣に追ってしまった僕が悪いのであって、作品自体はいい仕上がりになってるのだと思います。でもやっぱりストーリー重視の僕は5点のボタンを押します。美容師さんごめんなさい m(__)m [DVD(字幕)] 5点(2005-11-11 21:58:23)(笑:1票) |