2. ミスト
《ネタバレ》 スティーヴン・キングものということで、雰囲気的には”ドリームキャッチャー”に似てなくもないですね。 密室の中における心理劇、という側面も強く出しています。特に、最初変人扱いされていた狂信的なユダヤ教信者の女が異常な状況の中で恐怖を煽ることにより台等していく、という様をかなり力を入れて描いていています。これはおそらくこのスーパーマーケットの中を”国家”とかそういうものに見立てているのでしょう。ブッシュへの 支持(ダラボンの政治観はわかりませんが)とか、もっと古くは”赤狩り”とか、KKKとか、そういう恐怖とか怒りを煽られることにより冷静な判断とか正気を失いやすい民衆というものを象徴してるんですね。そういうところがこの映画を単なるモンスター映画と一線を画するものであり、やはりさすが”ショーシャンクの空に”のダラボン監督の描きたかったものである、と言いたいところですが。しかし!!ダラボン監督といえば”ブロブ”とか”ザ・フライ2”とかの脚本を書いてた人ですよ、なんだかんだ言ってモンスター映画が好きに決まってるんですよ、やりたかったに違いないんですね。”ショーシャンク”しかイメージが無い人にとっては意外に感じる映画かもしれませんが、むしろ本質に近いんです。だからB級まるだしのクリーチャーを嬉しそうにだしてるんですよ。冒頭、主人公の部屋には書き上げた”遊星からの物体X”のポスターなんかがあることから”密室モンスター映画”へのオマージュが感じられますし。その後の展開も暗示してますね。あと、ダイハード2で全裸で踊ってたスチュアート大佐ことW・サドラーが汚いおっさんになって出てきてびっくりしましたなあ。老けたなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-02 23:18:43) |