1. ミオとミラミス 勇者の剣
《ネタバレ》 割と冷たい扱いを受けている少年が、実は王様の血筋で、突然異世界に連れて行かれて、親友を相棒に勇者の剣を振るい、悪を殲滅する。いや、本当にまったくそのまんまです。小学生でも筋書を思いつきそうなくらい、ひねりなしです。ただその中でも、原色重視の色調とか、画面を一杯に使う構図とかが、北欧っぽさを感じさせます。そちら方面のファンタジーってあまり見る機会がないので、その意味では貴重かも。●で、最大のサプライズは、主人公の相方の少年が、まだローティーンだった頃のクリスチャン・ベールだということですね・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2023-05-19 02:07:06) |
2. ミステリー・トレイン
《ネタバレ》 三話構成のオムニバスなのですが、意外にも最初の永瀬&工藤編が一番出来が良かった。永瀬正敏のぼーっとした感じが、実はジャームッシュの雰囲気に割とはまっているのです。由緒正しいはずのスタジオがどってことない地味な外見であるくだりなど、演出も冴えています。エロシーンの工藤夕貴の無邪気な色っぽさにもぞくっとしました。●2篇目も筋としてはいい感じなのですが、ニコレッタの方がちょっと押されてたかな・・・もうちょっとカウンター的な何かが欲しいところでした。3篇目はあれこれいかにもな線を狙いすぎて、かえって収縮してしまいました。●あと、銃声が3篇を共通させているのですが、この辺はほかにもいろいろ仕込んでもよかったと思います。せっかくの同一夜同一宿宿泊という設定なのですから。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-03-27 20:45:10) |
3. ミッドナイト・エンジェル/暴力の掟
《ネタバレ》 誰が何をしたいのか分からないまま序盤が進み、何とそのまま進んでいく。あれこれうろちょろする3人組は、無軌道で未熟な少年という設定のようなのだが、どうみてもヒッキーのオタクトリオにしか見えないので、どこから行動原理が出ているのかが分からない。そこに絡んでくる女も、進行を混乱させているだけだし、輪をかけて、救世主的に登場したっぽいその兄(刑事)は、何も機能していない。よって、外国のシンジケートがどうのこうのと言われても、そもそも問題設定としてまったくかみ合わないのです。つまり、それっぽい映像の細切れを何とか並べただけのこと。 [DVD(字幕)] 2点(2022-11-01 01:14:02) |
4. ミュージックボックス
《ネタバレ》 何も大げさなことはしないのにどこまでもじわじわと怖さがにじみ出てくる描写は、さすがコスタ=ガヴラス。一つ一つのシーンでの演出のフォーカスが明確に絞られているため、登場人物が作品の枠の中で自然に生きている。検察の証人とやらはもっと突っ込みどころ満載のような気もするが(「目を見ることもできませんでした」という証人には、「だったら顔などはよく見なかったのでは?」くらいは突っ込んでほしい)、まああんなもんでしょ。どこまでも無表情鉄仮面を通す裁判長が、いい味を出して引き締めています。●なんだけどなんだけど、最後の5分で一気に崩れてしまいました。まず、たとえ事件が終わったとしても、依頼者に不利な証拠を弁護人が自ら外に(ましてや検事に)流出させるなんて、その時点で一発アウトです。それから、裁判は終わっているわけなので、いくら新証拠が出てきたとしても、一事不再理の鉄則によって、検察はもはや何もできないのでは?●というわけで、ラストはまったくダメですが、それまでは素晴らしかったのでこの点数。 [DVD(字幕)] 6点(2021-05-15 00:49:26) |
5. ミッドナイトクロス
《ネタバレ》 いろんな問題を提示するだけして、ほぼ全部投げっぱなしで何も解決せずに主人公のもっともらしい溜息だけで終わらせてしまうのが、いかにもデ・パルマ。大事なところでの花火やら雪やら悲しい音楽やらでまともなドラマっぽく盛り上げようとするのがまったく似合っていないというかむしろ浮きまくっているのも、いかにもデ・パルマ。本領発揮は、最初に病院に運ばれたあたりでの、なぜか警察がまともに動こうとしない絶妙な違和感の部分くらいでした(すぐに、説明台詞によって興が醒めてしまうわけですが)。 [DVD(字幕)] 4点(2019-01-08 00:31:36) |
6. 緑の光線
ただひたすら自立性のない主人公のうじうじああだこうだを延々と聞かされる作品。会話の長回しを見ていると、これだけの台詞を覚えた役者の記憶力は凄いと思うが、ただそれだけです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-09-19 00:29:19) |
7. ミッション
要所要所で出てくる「滝」の迫力には瞠目せざるをえないし、西欧諸国の他国侵略における暴虐ぶりをきちんと示した点も評価はしたいのだが・・・そもそも、導入部で行われる主人公による「布教」、それ自体がすでに1つの攻撃性ある行為ではないのか?という疑問は拭えない。また、デニーロが改心するまでのドラマに比べて、その後の描写が抽象的・観念的であるのも気になる。 [映画館(字幕)] 5点(2018-07-24 00:58:35) |
8. ミッドナイト・ラン
冒頭の5分間で、最小限の描写で必要な情報をすべて提示する手際の良さに恐れ入る。速すぎず遅すぎない全体のテンポ配分も絶妙。まさに職人芸を感じさせる映画。 [DVD(字幕)] 7点(2015-06-15 02:08:16) |
9. 南へ走れ、海の道を!
《ネタバレ》 単なるB級アクションかと思いきや、意外にちゃんとした出来でした。細かいところには荒っぽい演出や稚拙な芝居も多く、ストーリーも一歩誤ったら荒唐無稽だったりもします。しかし、殴り合いのシーンや銃撃シーンにやたら力が入っているのを筆頭に、とにかく主人公を格好良く撮ってあげたいという執念が全体に満ち満ちているのが良いのです。ガンアクションをここまで前面に出した日本映画って、あまりないのでは?後先のことを考えていない無茶な締め方も、この作品には合っているかも。 [DVD(邦画)] 6点(2014-02-17 02:31:44) |
10. ミシシッピー・バーニング
問題点はいろいろあるし、特に、現地の黒人が最後までパッシブなままなのは大いに問題なのだが、「ホワイトアメリカンによる他人種への抑圧・弾圧行為をきちんと映像化してみせた」という点だけは評価したい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-17 02:27:36) |
11. ミスター・ミセス・ミス・ロンリー
内容的には何が何だか分からなかったのだが、22歳にしてこれほど自我の表現をとめどなくあふれ出させている原田美枝子は、やはり凄い。宇崎竜童や原田芳雄ですら、いつしか組み伏せられている。 [DVD(邦画)] 5点(2012-10-07 02:27:38) |
12. ミスター・アーサー(1981)
《ネタバレ》 主人公の下らないアメリカン・ジョークの連発が面白すぎ。ナイフを振り上げられたときまで「チーズを切るんだろうか?」とかすっとぼけてます。ロマンティックなテーマソングにだまされてはいけません。これは完全なコメディです。大体、あんな適当な出会いをした相手とあんな安直な経過で自信満々に結ばれるなんて、それ自体がギャグでしょ。主人公がさしたる反省や改心の気配もなくあっさりハッピーエンドをゲットしているのも、よく考えると凄いかも。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-19 01:06:17) |
13. ミラグロ/奇跡の地
《ネタバレ》 邦題と出だしの感じからは、例えばフィールド・オブ・ドリームスのような、いろんな奇跡が起こって不可能と思われた耕作が可能になり、開発計画も追い出されていくみたいなファンタジックな展開を想像していたのですが、全然違いました。実際は最後まで会社側と住民側の焦点のはっきりしない対立がずるずる続き、しかも銃撃やら何やらが頻繁に出てくる割と陰鬱な内容でした。弁護士とか一時滞在の学生とかのもっともらしい登場人物も、全然生かされていません。というわけで、何が表現したくて作られたのかよく分かりませんでした。焼かれるかと思った新聞が風で舞うシーンに4点、ルビーの格好良さに1点。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-05-12 03:02:05) |
14. ミッシング(1982)
街中に「何気なく」転がっている死体や、その辺を歩いているだけでもいつでも尋問・連行される光景など、軍事力が政治と結びついたときの恐怖を、この作品はまざまざと提示しています。また、アメリカの中南米に対する一連の侵略・クーデター支援の1つを分かりやすく記録化したという点でも、この作品は重要です。映画としては、前半で時系列が分かりにくかったり、後半が普通の捜索話になってしまい、家族としての焦燥感や絶望感が表現されていなかったりなど不満もあるのですが、この作品の意味するところは、我々は十分に認識しておくべきです。ジャック・レモンとシシー・スペイセクのがっちり組み合った演技勝負も素晴らしい。 [DVD(字幕)] 8点(2006-05-11 03:32:03) |
15. 未完の対局
《ネタバレ》 骨は単純な話だが、時系列をうまく操作することによって、登場人物が少ない割にはなかなか壮大な規模の物語を現出することに成功している。ただし、戦中に中国で再会する場面は、文脈からいって必要だったかどうか疑問があるし、三田佳子の過剰演技は何となく浮いていると思う。 [地上波(字幕)] 6点(2005-09-04 22:12:36) |