1. Mr.インクレディブル
CGアニメのキャラクターも、アカデミー主演賞や助演賞にノミネートされる日がそろそろ来るんじゃないかと思えるほどいい芝居するようになりました。 感情の乗った細かな表情の描写は見事です。 ストーリーもそれぞれの再生物語をきちんと描きつつテンポの良いアクションでサクサクッと見せる手馴れた感じの展開で、登場人物と一緒にハラハラ出来る上質なエンターテイメントになっていたと思います。 おそらく作られるパート2では、憎悪と復讐の鬼と化したダース・シンドロームがフーパーいいながら復活してくると思いますが、わざわざロボットなんか作らなくても手元のビームだけで簡単に勝てますからがんばってください。 [DVD(吹替)] 7点(2005-08-11 17:25:02) |
2. ミリオンダラー・ベイビー
流れに逆らうようですが、微妙な作品だと思います。 自分も、エンドロールはおろか、明かりがついても劇場の椅子からしばらく立ち上がれなかったのは確かですが、それは、ストーリーの物理的な「重さ」から来たもので、「感動の波に飲まれて立ち上がれなかった。」ってのとは少し違う気がしました。 「あとは各自で処理するように。」と言って渡された大きな漬物石を抱えて、しばし茫然自失としたという感じです。 映画の終わり方としては,反則技に近いかも知れません。 肝心のボクシングのシーンはかなりお座成りで、イーストウッドのトレーナーとしての手腕や、ヒラリーのボクサーとしての圧倒的な強さに説得力のないまま簡単に成り上がってしまうので、その部分で一喜一憂する面白味がありませんでした。 話の顛末から鑑みて、前半の「生」の輝きをもっともっと眩しく描くべきだったんじゃないかと思いました。 ストーリーにメリハリが足りなかった気がします。 更に、ジムの連中を含め登場人物のほとんどが捨て駒で、モーガンの役どころにしてもどこか中途半端で、ストーリーの中での確固たる存在理由が希薄だった気がします。 主人公二人のラブストーリーという側面もありますが、はじめは断っていたトレーナーを結局引き受けた心情の変化が曖昧だったりして、クッキリとした輪郭が見えて来ません。 命の尊厳についてもひとつの答えが提示されているものの、悲壮感のある安いメロドラマ以上のパッションは感じませんでした。 良く言えば、泥臭くて不完全な人間臭いドラマと言えるかも知れないけれど、個人的には「傑作」とは言いにくいです。 [映画館(字幕)] 7点(2005-06-14 03:52:04)(良:2票) |
3. ミッドナイト・ラン
俺にはこの作品の良さがよく分からなかった。普通のロードムービーにデニーロが軽いノリで出てみました、くらいにしかとれなかったけど。二人の友情の芽生え方もセオリー通りだし、カーチェイスもアクションシーンも平凡。デニーロの過去にしても、とり合えず貼っときました程度のものだし。あっちからもこっちからも追われているシチュエーションを良く生かしきれていなかった感じ。追われる側にもっと緊迫感を持たせていれば、相手側の裏をかいたときの痛快さが際立って大きな笑いに繋がっていたんじゃないかなと思う。全体的な力の抜け加減がまったり観るには丁度いいかもしれないけど、どっから見ても普通の映画でした。 6点(2004-10-12 02:41:04) |
4. ミザリー
《ネタバレ》 キャシー・ベイツが銃をちらつかせた時あまりの怖さにめまいがした。 「怖さ」を抽出して量ったらこの映画、間違いなくトップクラスだろう。 キャシーの演技は凄いとしか言いようが無いが、身動き出来ない「密室の恐怖」と「痛さ」を見事に感じさせてくれたジェームズ・カーンの受けの演技も素晴らしかった。 十数年ぶりに観たが、その「怖さ」はじりじりと胃袋に響いた。人里離れた山の中で事故って瀕死の重傷。助けてくれたのが白衣の天使。なんていう都合のいいシチュエーションも、ちょっとひねっただけでこんなに不条理な話になるなんて面白い。 しかしこれに近い人って本当にいそうだ。 人間が一番怖いってコトか。 9点(2003-11-30 01:48:55) |
5. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
この映画の公開後にアメリカとトルコの間で囚人交換の取り決めが交わされたそうで、今作は、映画としての目的を、多くの割合で達成した稀有な例と言えるだろう。 心にストレートに重くのしかかるストーリーは繰り返し見ることがはばかられ、2度目の鑑賞まで17年もかかってしまった。 そして案の定その晩悪夢にうなされた。 8点(2003-11-21 17:00:02) |