1. メメント
とにかく最後まで目を離せなかった。それこそ記憶の再生と再構築で、主人公のジレンマと同じ気分になる。それに慣れていくと、メモに残した事実に頼り、のめり込んでいくしかなくなる主人公の一種狂気じみたものが怖くなってくる。誰が敵で誰が味方か。事実は真実ではないけれど、主人公が信じていた真実すら曖昧になって、メモだけが「真実」になってしまう狂気が凄い。ストーリーとしては単純なんだけど、ドラマに喜怒哀楽する話ではないし、真実を追求する暴き物でもないので、妻殺しの犯人を追う記憶障害者のお涙頂戴物だと思って観ると、しっぺ返しを食う怖い一作だった。 8点(2003-04-03 22:39:38) |