1. もらとりあむタマ子
《ネタバレ》 変化と呼ぶにはあまりにも些細な経時的な変化を楽しめる事ができるかで、大きく評価が分かれると思った。 度々差し込まれる食事シーン。 食事の仕方では、始め一人で食べていたものが、父と食べる(それぞれの皿、違うものをたべていたが、最後は同じ皿の食べ物を共有することになる)ようになり、最後には第三者(中学生の少年)と家の外で食べるようになる。その変化をとるだけでも、タマ子の他者との心の距離感が伺える。 そして食事に対する姿勢の変化。始めは全て用意されたものをただ受動的、作業的に食べるが、自分で食事を用意し、能動的に食事をする=生きようとするようになる。 食事という行為一つとってもこれだけの変化があり、それ以外にも、洗濯、家業に対する関わり方、父との会話、服装、歩き方などそれぞれが全て少しずつ変わっていっている。 それらの変化は普段自分達が日常生活を送る上での何気ない変化(自分でも気付かず他人に言われて始めて気付く、意識しない程の些細な変化)とも近いものがある。 行動が変われば習慣が変わり、習慣が変われば性格が変わり、性格が変われば人格が変わり、人格が変われば人生が変わる。という言葉を聞いた事がある。 台詞に頼ることなく、現代の日本人の若者に合わせた形で具体的に表現してくれた、素晴らしい作品だと思った。 [DVD(邦画)] 8点(2016-04-11 17:57:38) |