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1.  野性の証明 《ネタバレ》 
 超能力というのは意義ある設定だったのだろうか?父への憎しみに起因すると言うわりには、普通に地震なんか予知してるし。予知能力というのは、健さんへ危機を知らせ回避させるための方策として機能しているが、それこそ特殊部隊員としての能力を見せる絶好のチャンスだったのに、残念だ。   それと、どうも釈然としないのは、この映画の言っている「野性」というのは、イコール「暴力」というように見える所だ。多分原作がそういう解釈の話なんだろうけど、野性というのは自然に生きる力の事だと思う。もっとサバイバル的に生きるすべだとか、子を守る力と知恵とか、そういった部分で特殊部隊員としての能力を発揮する事も出来たような気がする。ミステリである原作からどんどん離れてしまうかも知れないが。
[DVD(邦画)] 4点(2013-09-30 16:37:38)
2.  柳生一族の陰謀 《ネタバレ》 
 一族と言うよりは、柳生但馬守宗矩個人の陰謀であった。  根来衆と駿府に集う浪人たちの描写が、やや俗っぽく安っぽいが、幕府内部の権力抗争の部分は、中々面白い。殊に、錦之介の演技は周りとの調和など考えているとは思えない、ひたすら自分のスタイルを貫く、但馬守そのものの様である。序盤の、家光に将軍に就く決意をさせるシーンは、家光同様見ているものにまで、そう思わせる説得力があり、さすが錦之介!と唸った。  将軍をめぐる権力闘争と、朝廷が実権を取り戻そうとする話は面白いのだが、柳生新陰流と新新陰流の争いの話は、余計。丹波哲郎要らないし、最後の闘もしょぼくて蛇足。無理を言って役者から引きぬいた、中村雪之丞(!)なんて、それ以降出てきやしない!
[DVD(邦画)] 6点(2012-08-25 18:42:08)
3.  八つ墓村(1977) 《ネタバレ》 
 『砂の器』のスタッフによる、という惹句がとても残念に感じられる作品。  そもそも、この原作は金田一耕助はほとんど活躍しない、登場もごく僅かであり、その魅力の大半は洞窟探検の場面に拠っている。そう考えると、この金田一は登場し過ぎで、そのくせ推理に論理的な根拠がない。彼の推理の根拠は、1:調べてみたら、真犯人は、尼子の子孫。2:真犯人の事業は破綻寸前で、東家の財産を狙ったものだ。というだけだ。論理的な根拠が何一つ無い。  そして一番ガッカリなのは、中途半端なオカルティズムである。金田一耕助が謎を解くことが分かっている時点で、どんなに祟りや呪いのせいにミスリードしたところで、無駄なこと。晒された首が笑ったり、真犯人が最後に悪魔の形相になったりは、物語にそぐわない。ましてや、舞台を現代に置き換えているにおいてや、である。市川版を引き合いに出すのは良くないとは思うが、彼のシリーズが持っていた、オカルトではないおどろおどろしさ、そういうテイストが、特にこの作品には必要だったと思うのだ。  そして、前述の惹句のとおり、観客の『砂の器』のスタッフ(具体的には橋本忍脚本と野村芳太郎監督)にかける期待を、完全に違う方向にうっちゃったことは、とても残念だ。この謳い文句で、感動の人間ドラマを期待しない人がいるだろうか? 
[DVD(邦画)] 4点(2012-06-29 01:53:52)(良:2票)
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